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【ITニュース解説】A closer look at the AirPods Pro 3: ANC, Live Translation and heart-rate tracking

2025年09月11日に「Engadget」が公開したITニュース「A closer look at the AirPods Pro 3: ANC, Live Translation and heart-rate tracking」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

AirPods Pro 3は、ANC(アクティブノイズキャンセリング)が大幅に強化され、フォーム入りイヤーチップで遮音性も向上した。ライブ翻訳機能によりリアルタイム通訳が可能になり、ワークアウト中の心拍数トラッキングも搭載。通気システム再設計により音質も改善され、より豊かな低音と没入感のある空間オーディオを実現した。

ITニュース解説

AirPods Pro 3は、Appleのワイヤレスイヤホンの最新モデルであり、以前のAirPods Pro 2から大幅な進化を遂げている。外観のデザインは初代モデルから大きく変わっていないものの、内部の技術や設計が刷新され、アクティブノイズキャンセリング(ANC)、ライブ翻訳、心拍数トラッキングといった主要な機能が大きく向上または追加された。

まず、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能は、AirPods Pro 3の最も顕著な進化点の一つである。Appleの発表によると、この新モデルのANCは、AirPods Pro 2の2倍、初代AirPods Proの4倍ものノイズを遮断する能力を持つ。この驚異的な性能向上は、主に二つの技術的要素によって支えられている。一つは、イヤホンに搭載された超低ノイズマイクと「コンピュテーショナルオーディオ」という高度な音声処理技術の組み合わせである。コンピュテーショナルオーディオとは、デジタル信号処理を活用してリアルタイムで周囲の音を分析し、その音波に対して逆位相の音波を生成することで、騒音を効果的に打ち消す技術を指す。もう一つは、新開発のフォーム注入イヤーチップだ。このイヤーチップは外側が従来のシリコン製である一方、内部にはフォーム素材が注入されており、これにより物理的な遮音性、すなわちパッシブノイズアイソレーションが大幅に高まった。特に、人の話し声のような高周波の騒音に対して非常に有効で、隣で話している人の声がほとんど聞こえなくなるほどの遮音性を発揮するという。飛行機のエンジン音や賑やかなカフェの喧騒といった一般的な騒音に対しても、AirPods Pro 3は優れたノイズ低減効果を発揮し、ユーザーに静かで集中できる環境を提供する。

次に、長らく待望されていたライブ翻訳機能がAirPods Pro 3で利用可能になった。この機能は、iPhoneとの連携を前提とし、iPhoneに搭載されているTranslateアプリが翻訳処理の大部分を担う。つまり、iPhoneが翻訳の「頭脳」として機能し、AirPods Pro 3は音声を送受信する役割を果たす。ライブ翻訳は、両方のAirPodsを長押しするか、Siriに指示を出す、またはアクションボタンにショートカットを設定することで簡単に起動できる。この機能は、H2チップを搭載しているAirPods Pro 3、AirPods Pro 2、そしてAirPods 4で利用可能である。デモンストレーションでは、Appleの担当者が話すスペイン語が瞬時に英語に翻訳され、Siriの声を通じてイヤホンから再生される様子が確認された。音声の取り込み、iPhoneでの処理、そして翻訳音声の再生という一連のプロセスにはわずかな遅延が生じるが、実用上問題ないレベルである。また、翻訳されたテキストは、イヤホンから音声が流れるよりも先にiPhoneのTranslateアプリに表示される。これはiPhoneが主要な処理装置であるため当然の挙動であり、iPhoneを横向きにして画面を見ることで、対話相手にリアルタイムでテキスト翻訳を表示できるという追加の利点もある。ライブ翻訳において注目すべきは、ANCが自動的に連携する点である。翻訳機能が起動すると、ANCが強化され、原話者の声が自動的に抑えられるため、Siriによる翻訳音声がよりクリアに聞こえるようになる。これにより、ユーザーは手動で音量調整をする必要なく、スムーズに翻訳音声を聞き取ることができる。

さらに、AirPods Pro 3には心拍数トラッキング機能が新たに搭載された。これは、すでにBeats Powerbeats Pro 2で導入されていた技術が応用されたもので、PPG(フォトプレチスモグラフィー)センサーを使用して心拍数を測定する。PPGセンサーは、血流による光の吸収変化を検知することで、心拍数のデータを取得する仕組みだ。測定された心拍数データは、Appleのフィットネスアプリだけでなく、Nike Run Club、Pelotonなどの既存のフィットネス関連アプリでも利用できる。これらのアプリがPowerbeats Pro 2の心拍数トラッキングに対応していれば、AirPods Pro 3でも同様に連携が可能である。フィットネスアプリでの活動トラッキングでは、PPGセンサーに加え、加速度計、ジャイロスコープ、GPS、そして新しいオンデバイスAIモデルが連携し、合計50種類ものワークアウトに対する詳細なデータを監視できる。短時間のウォーキングテストでも、リアルタイムの心拍数、移動距離、平均ペース、消費カロリー、経過時間などが画面に表示され、ワークアウト完了後には平均心拍数の概要やグラフを確認できるため、ユーザーの健康管理やトレーニングの質を高める上で役立つ機能と言える。

音質面でも、AirPods Pro 3は大幅な進化を遂げている。Appleは、オーディオ性能を向上させるために、イヤホンの内部通気システムを再設計した。具体的には、イヤホン上部の通気口がAirPods Pro 2の約2倍の大きさになり、より多くの空気を効率的に動かすことが可能になった。この「エアフロー」を最適化するため、音響チームは新しい微調整されたチャンバーを開発し、これに合わせて音を生成するドライバー(トランスデューサー)も再設計された。また、イヤーチップの向きも変更され、音声がより直接的に耳の奥へと届くようになった。これらのハードウェアの変更に加え、内向きマイクの位置が耳道に邪魔されにくいように調整され、「アダプティブEQ」と呼ばれるリアルタイムの音質調整機能も拡張されている。これらの技術的改良が組み合わさることで、AirPods Pro 3は、より深みのある低音、広々としたサウンドステージ、そして没入感のある空間オーディオを実現した。デモンストレーションで試された楽曲では、低音の強化や空間エフェクトの向上だけでなく、これまで他の多くのイヤホンやヘッドホンでは表現しきれなかった細部の音の分離や質感までが鮮明に感じ取れるようになったという。これにより、AirPods Pro 2と比較しても、その音質の大きな向上が明確に体感できるレベルに達している。

AirPods Pro 3は、アクティブノイズキャンセリングの強化、待望のライブ翻訳機能、心拍数トラッキングの追加、そして内部設計の刷新による音質の向上と、多岐にわたる進化を遂げたモデルである。これらの機能は、日常使いからビジネスシーン、フィットネスまで、さまざまな場面でユーザーの体験を豊かにするだろう。本製品は249ドルで、現在予約を受け付けており、iPhone 17ファミリーや新しいApple Watchとともに9月19日に発売される予定である。

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