【ITニュース解説】Apple faces lawsuit over alleged use of pirated books for AI training

2025年09月07日に「Engadget」が公開したITニュース「Apple faces lawsuit over alleged use of pirated books for AI training」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

作家2名が、Appleを著作権侵害で提訴。AIモデルの学習に、著作権で保護された書籍を無断で使用したと主張。原告は、Appleが海賊版書籍を含むデータセットを使用し、自社の書籍も含まれていると訴えている。同様の訴訟はAI開発企業に対して複数起こされており、Anthropicは過去に和解金を支払っている。

ITニュース解説

AppleがAI(人工知能)の学習に著作権侵害の疑いがある書籍を使用したとして、2人の作家から訴訟を起こされた。原告は、作家のグレイディ・ヘンドリックスとジェニファー・ロバーソン。彼らは、AppleがAIモデルの学習のために、著作権で保護された書籍の海賊版データセットを使用したと主張している。

具体的には、Appleが使用したとされるデータセットには、彼らの著作物も含まれているとのこと。訴状によると、Applebotと呼ばれるAppleのクローラーが、著作権で保護された書籍の無許可版が集められた「影の図書館」にアクセスできるという。この「影の図書館」には、原告であるヘンドリックス氏とロバーソン氏の書籍も含まれている可能性があるとされている。

この訴訟は、影の図書館に存在する書籍と著者の数が膨大であるため、集団訴訟としての認定を求めている。集団訴訟となれば、同様の被害を受けた多数の著者が原告に加わる可能性がある。

原告らは、世界的な大企業であるAppleが、AI学習のために彼らの著作物を使用するにあたって、対価を支払おうとしなかったと主張している。Appleは、原告らの著作物を複製し、それらを使ってAIモデルを学習させ、そのAIモデルが生み出す成果物が、原告らの著作物と競合し、市場を弱体化させていると訴えている。原告らは、AppleのAI技術、特にApple Intelligenceと呼ばれる機能が、彼らの著作物なしには商業的価値が大幅に低下するだろうと指摘する。

原告らは、このAppleの行為によって、彼らの著作物に対するコントロールを奪われ、労働の経済的価値が損なわれ、Appleが違法な手段で莫大な商業的成功を収めることを可能にしていると主張している。

近年、生成AI技術を開発する企業に対する訴訟が増加しており、今回の訴訟もその一つ。OpenAIも、ニューヨーク・タイムズや米国内で最も古い非営利ニュース組織などから訴訟を起こされている。また、AIチャットボット「Claude」を開発したAnthropicは、同様の著作権侵害訴訟で、最近15億ドルを支払うことで和解した。このAnthropicに対する訴訟も、今回のAppleに対する訴訟と同様に、著作者らがオンライン図書館から海賊版書籍を入手し、AI技術の学習に使用したと主張するものだった。このAnthropicの訴訟では、50万人の著者が関与しており、著作物1点あたり3,000ドルの補償金が支払われる予定。

このニュースは、AI開発における著作権の問題を浮き彫りにしている。AIの学習には大量のデータが必要であり、そのデータには書籍などの著作物も含まれる。著作権者の許可なく著作物を使用した場合、著作権侵害となる可能性がある。特に、海賊版のデータセットを使用することは、著作権侵害のリスクを高める。

システムエンジニアを目指す人にとって、このニュースは、AI開発における倫理的・法的責任を理解する上で重要な事例となる。AIモデルを開発する際には、データの取得方法や使用許諾に細心の注意を払い、著作権などの知的財産権を尊重する必要がある。また、AI技術の進歩に伴い、著作権法などの関連法規も変化していく可能性があるため、常に最新の情報を収集し、適切な対応を取ることが重要となる。

関連コンテンツ

関連ITニュース