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【ITニュース解説】Designing APIs for the AI Era with Spring AI and MCP

2025年09月08日に「Dev.to」が公開したITニュース「Designing APIs for the AI Era with Spring AI and MCP」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

JavaのSpring Bootで作ったAPIをAIが使えるようにする新手法。Spring AIとMCPを使い、既存のコードに簡単な設定やアノテーションを追加するだけで、AIが自然言語で機能を呼び出せる。従来のAPIとAI用インターフェースを両立できる。(118文字)

ITニュース解説

これまでシステム開発では、Webアプリケーションやスマートフォンアプリ、他のシステムとの間でデータをやり取りするためにREST APIという形式が広く使われてきた。これは、決められた形式(JSONなど)と通信ルール(GETやPOSTなど)に基づいて、プログラム同士が正確に情報を交換するための設計思想であり、多くの開発者が習得している技術である。しかし、人工知能(AI)、特に大規模言語モデル(LLM)が急速に発展する現代において、APIのあり方も変化を求められている。AIは人間のように自然言語で対話するため、従来のプログラム向けのAPIをそのまま利用するのは効率的ではない。そこで、既存のREST APIはそのまま維持しつつ、AIが自然言語を通じてアプリケーションの機能やデータを活用できる、まったく新しいインターフェースを追加するという考え方が登場した。

このAI向けのインターフェースを実現するための標準的な規約が、MCP(モデル・コンテキスト・プロトコル)である。MCPは、AIがアプリケーションの持つ能力や情報を安全かつ構造的に理解し、利用するための仕組みを提供する。Java言語で広く使われている開発フレームワークであるSpringに、AI連携機能を追加する「Spring AI」というプロジェクトが登場したことで、このMCPサーバーの導入が非常に簡単になった。これにより、開発者はわずかな労力で、自身のアプリケーションにAIとの対話能力を組み込むことが可能になる。

MCPは主に「ツール」「リソース」「プロンプト」という三つの要素で構成されている。まず「ツール」とは、AIが直接呼び出せるアプリケーションの機能のことである。例えば、商品管理システムに「商品を新規登録する」という機能があった場合、その機能をAIが「この商品を登録して」という自然言語の指示で実行できるように公開する。Spring AIを使えば、既存のプログラムコードに「@Tool」という印を付けるだけで、その機能をAI向けのツールとして簡単に公開できる。これにより、AIはアプリケーションのビジネスロジックを直接操作できるようになる。

次に「リソース」は、AIにアプリケーション内の最新データを提供する仕組みである。AIとの対話では、固定的な情報だけでなく、常に変化する動的なデータが必要になることがある。例えば、商品管理システムが扱う「商品カテゴリの一覧」は、新しいカテゴリが追加されれば変化する。リソースは、このような変化するデータをAIがいつでも参照できる「生きたデータ供給源」として機能する。これにより、AIは常に最新の状況に基づいた判断や応答を生成できる。

そして「プロンプト」は、複数の手順を組み合わせた複雑なタスクをAIに実行させるための、構造化された指示書やガイドの役割を果たす。これは、あらかじめ定義されたテンプレートのようなもので、特定の目的に応じてツールやリソースの利用方法をAIに教える。例えば、「在庫状況を分析してレポートを作成する」という複雑なタスクを考えた場合、まず「在庫が少ない商品を検索するツール」を使い、次に「商品カテゴリの一覧リソース」を参照し、最後に分析結果をまとめる、という一連の流れをプロンプトとして定義しておく。AIはこのプロンプトに従うことで、人間が設計した高度なワークフローを自律的に実行できる。

これらの仕組みをSpring Bootアプリケーションに導入する手順は驚くほどシンプルである。まず、プロジェクトの依存関係を管理するファイル(pom.xml)にSpring AI関連のライブラリを追加する。次に、設定ファイル(application.properties)に数行の設定を記述し、MCPサーバーを有効化する。あとは、前述の通り、AIに公開したい機能にアノテーションを付けたり、リソースやプロンプトをSpringの管理対象オブジェクト(Bean)として登録したりするだけで、既存のアプリケーションがAIとの対話能力を持つようになる。

このように、Spring AIとMCPを活用することで、開発者は既に構築したビジネスロジックを再利用しながら、アプリケーションをAI時代に対応させることができる。これは、単に新しい機能を追加するという以上に、API設計そのものの考え方を拡張する動きである。AIの活用を前提としたシステム設計は、もはや特別な選択肢ではなく、将来の競争力を確保するための重要な戦略となっている。

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