【ITニュース解説】You absolutely should not buy Apple’s iPhone Air MagSafe battery pack
2025年09月17日に「Engadget」が公開したITニュース「You absolutely should not buy Apple’s iPhone Air MagSafe battery pack」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
iPhone Airは薄型化でバッテリーが不足しがちだ。Apple純正MagSafeバッテリーパックは高価な上に容量や充電速度で他社製品に劣る。価格に見合わず、もっと安価で高性能な他社製MagSafeバッテリーパックが多数存在するため、純正品の購入は推奨されない。
ITニュース解説
Appleが先日発表した最新スマートフォン、iPhone Airは、史上最も薄いデザインを特徴としていた。この薄型化を実現するため、多くの人がiPhone Airのバッテリー駆動時間が犠牲になるのではないかと予想していた。そして、その予想通り、AppleはiPhone Airと同時に、専用の「iPhone Air MagSafeバッテリーパック」を発表した。
AppleはiPhone Airの発表会において、このバッテリーパックの重要性を非常に強調していた。iPhone Airの公式仕様書には、このオプションのバッテリーパックを使用した場合と使用しない場合の、それぞれのバッテリー駆動時間の目安が記載されている。これは、Apple自身がこのバッテリーパックをiPhone Airの機能を最大限に引き出すために「強く推奨される」購入品、あるいは状況によっては「必要不可欠」なものとして位置づけていることを示唆している。
しかし、999ドル(またはそれ以上)もするiPhone Airを購入する人々が、さらに99ドルをこの専用バッテリーパックに費やすべきだという考えは、妥当とは言えない。市場には、より手頃な価格で、より優れた性能を持つ代替品が数多く存在するため、Apple純正品を選ぶ必要はないというのが筆者の見解である。
筆者自身はiPhone Airとこのバッテリーパックを直接試していないが、同僚のレビューによると、フィット感などの物理的な一体感は高く評価されている。特に、iPhone Airを充電器に接続すると、バッテリーパックとiPhone本体の両方が同時に充電される機能や、AirPods Pro 3をワイヤレスで充電できる機能など、Appleらしい気の利いた機能も確かに搭載されている。しかし、そうした利便性や機能性を考慮しても、コストパフォーマンスの面では疑問符がつくというのが同僚の見解だ。
Apple純正のiPhone Air MagSafeバッテリーパックの価格は99ドルである。バッテリー本体に記載されている情報によると、その容量は3,149 mAh(ミリアンペアアワー)だ。mAhはバッテリーが蓄えられる電気の量を表す単位で、この数値が大きいほど、より多くの電力を供給できることを意味する。このApple純正バッテリーパックを容量あたりの価格に換算すると、およそ1ミリアンペアアワーあたり0.03ドルとなる。
ここで、市場で高く評価されている他のMagSafe対応モバイルバッテリーと比較してみよう。例えば、ある優れたMagSafeモバイルバッテリーとして挙げられているAnker Nanoバッテリーパックは、価格が55ドルでありながら、容量は5,000 mAhもある。これを容量あたりの価格に換算すると、1ミリアンペアアワーあたり約0.01ドルとなる。Apple純正品と比較して、Anker製品は容量あたりの価格が約3分の1である計算になる。
さらに、バッテリーのエネルギー量を表すワット時定格(Whr:ワットアワー)で比較しても、Apple純正品は12.26Whrであるのに対し、Anker Nanoは25Whrと、ほぼ2倍のエネルギー量を持っている。ワット時定格は、バッテリーが特定の電力でどれくらいの時間電力を供給できるかを示す指標であり、この数値が大きいほど、より多くの電力を長時間供給できる。また、AnkerのバッテリーパックはiPhone Air専用ではなく、他のiPhoneや磁気充電対応のスマートフォンにも幅広く利用できる点も大きな利点だ。
充電速度においても、Apple純正のAir MagSafeバッテリーパックは、通常時のワイヤレス充電速度が最大12W(ワット)にとどまる。W(ワット)は電力の単位で、この数値が高いほど高速に充電される。ただし、iPhone Air本体をUSB-Cケーブルで充電しながらバッテリーパックを装着すると、パススルー充電により高速で充電できる。これに対し、AnkerのバッテリーパックはQi2認証を取得しており、最大15Wのワイヤレス充電に対応している。Qi2は、ワイヤレス充電の国際標準規格の一つで、高速かつ安全な充電を可能にする。iPhone Air自体が最大20Wのワイヤレス充電に対応していることを考えると、Ankerのアクセサリーは、より高速な充電能力をiPhone Airに提供できることになる。
つまり、Ankerのバッテリーパックを選べば、Apple純正品のほぼ半額の価格で、約2倍の容量とより速い充電速度を手に入れることができる。この数値の差は非常に大きい。仮に、AppleがAnker製品と同じ5,000mAhのバッテリーパックを、純正品と同じ容量あたりの単価で販売すると仮定した場合、その価格は150ドルにもなる計算だ。さらに10,000mAhのバッテリーパックであれば、300ドルという価格になる。他のメーカーがこれほどの高価格でモバイルバッテリーを販売することはまずなく、Appleの価格設定がいかに割高であるかが浮き彫りになる。
Appleが自社製品を高価格で提供することはこれまでにも見られたことだ。例えば、Apple Watch用のミラネーゼループバンドが99ドルであったり、iPad用のMagic Keyboardが250ドルであったりする。しかし、今回のiPhone Air MagSafeバッテリーパックは、それらとは少し異なる状況にある。なぜなら、このバッテリーパックはiPhone Airの「電力仕様を適切に評価するために欠かせない」とApple自身が示唆している点にあるからだ。本来、スマートフォンのバッテリー駆動時間は本体だけで十分に賄われるべきであり、オプションのアクセサリーがその基本性能を補完するために必須と位置づけられるのは、異例の事態だと言える。
筆者は比較のためにAnker製品を例に挙げたが、市場には他にも信頼性の高いメーカーから、同様の性能を持つMagSafe対応バッテリーパックが多数販売されている。特に、Qi2互換の磁気式モバイルバッテリーを探せば、Apple純正品よりもはるかに優れたコストパフォーマンスの製品を見つけることができるだろう。
もちろん、洗練されたデザインや純正品ならではのシームレスな体験、そして利便性のためであれば、高額を支払う選択肢も間違いではない。しかし、それが唯一の、あるいは最善の選択肢であると周りに言いくるめられる必要はない。賢く選択することで、より良い製品をより手頃な価格で手に入れることが可能だ。