Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】AWSコスト見積もりエージェントを自作!Bedrock AgentCoreワークショップで学んだローカルからクラウドデプロイまで

2025年09月22日に「Zenn」が公開したITニュース「AWSコスト見積もりエージェントを自作!Bedrock AgentCoreワークショップで学んだローカルからクラウドデプロイまで」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

Bedrock AgentCoreワークショップの学びを紹介。AWSコスト見積もりAIエージェントを自作し、ローカルからAWSクラウドへのデプロイまでを体験した。AIエージェント開発の技術的負債を解消するBedrock AgentCoreの活用法を、初心者にもわかりやすく解説する。

ITニュース解説

IT技術の最新トレンドを学ぶ場として注目されるServerless Days Tokyo 2025というカンファレンスで、Amazon Bedrock AgentCoreのワークショップが開催され、そこで得られた学びが共有された。この記事は、AIエージェント開発における根深い課題である「隠れた技術的負債」に対し、Bedrock AgentCoreがどのように解決策を提供するのかを、AWSコスト見積もりエージェントを構築する具体的な体験を通して解説するものである。

まず、AIエージェントとは何かを理解する必要がある。AIエージェントとは、単に質問に答えるだけでなく、与えられた目標を達成するために自律的に計画を立て、必要な情報収集や外部ツールとの連携を行い、一連のタスクを実行する人工知能のことである。例えば、ユーザーの要望に応じて航空券を検索し、最適なフライトを予約するといった、複数のステップを伴う複雑な処理を自動で行う能力を持つ。

このようなAIエージェントを開発する上で基盤となるのが、Amazon Bedrockである。これはAWSが提供するフルマネージドサービスであり、高性能な生成AIモデル(LLM: 大規模言語モデル)を簡単に利用できるようにする。開発者は、自分で大規模なAIモデルを訓練することなく、Bedrockを通じてさまざまなモデルにアクセスし、それらを活用して独自のAIアプリケーションを構築できる。

そして、Bedrock AgentCoreは、このBedrock上でAIエージェントを効率的に構築し、実行するための中心的な機能を提供する。AIエージェントが複雑なタスクをこなすためには、ユーザーからの曖昧な指示を具体的なステップに分解し、それに合わせて最適な外部ツール(APIなど)を呼び出し、その結果を統合して最終的なアウトプットを生成する必要がある。AgentCoreは、これらの複雑な「思考プロセス」と「ツール連携」のオーケストレーション(全体的な調整と実行)を自動化する役割を担う。

なぜこのようなAgentCoreが必要なのか。それは、AIエージェント開発が直面する「隠れた技術的負債」という課題を解決するためである。この技術的負債とは、開発当初には見えにくいが、システムの保守や機能追加の際に大きな負担となる問題群を指す。AIエージェントにおいては、以下のような形で現れる。

一つ目は、プロンプト(AIへの指示文)の管理の複雑さである。AIエージェントが多様な状況に対応し、様々な外部ツールを使いこなすためには、AIに対する指示(プロンプト)が非常に長文かつ複雑になる傾向がある。この複雑なプロンプトを適切に設計し、メンテナンスすることは、開発者にとって大きな負担となり、不具合の原因にもなりやすい。

二つ目は、外部ツールとの連携の煩雑さである。AIエージェントが目的を達成するためには、AWSのサービスAPIや外部データベースなど、さまざまなツールを呼び出す必要がある。これらのツールをAIが適切に利用できるように、それぞれのツールごとに詳細な連携ロジックを開発し、AIに「いつ、どのツールを使うべきか」を教える作業は非常に手間がかかる。

三つ目は、AIの思考プロセス(推論ステップ)の制御の難しさである。ユーザーの指示に対して、AIがどのような順序で情報を収集し、どのツールを使い、どのように結論を導き出すかという一連の流れを、開発者が完全にコントロールし、デバッグすることは困難である。AIが意図しない動作をした場合、その原因特定と修正が非常に難しくなる。

Bedrock AgentCoreは、これらの隠れた技術的負債に対し、効果的な解決策を提供する。 AgentCoreを利用すると、開発者はAIへの細かなプロンプトエンジニアリングに直接頭を悩ませる必要が大幅に軽減される。なぜなら、AgentCoreが内部でユーザーの指示や利用可能なツール、過去の会話履歴などを考慮し、AIに対して最適なプロンプトを自動生成してくれるためである。これにより、開発者は複雑なプロンプトの管理から解放される。

また、外部ツールとの連携についても、AgentCoreは「アクション」(Action Group)という形でツールの定義を抽象化する。開発者は、AIエージェントが利用できるAPIや機能をアクションとして登録するだけで良い。AgentCoreは、ユーザーの要求に応じて、これらのアクションの中から最適なものを判断し、適切なタイミングで呼び出すオーケストレーションを自動で行う。例えば、AWSコスト見積もりエージェントの場合、ユーザーが特定のAWSサービスの見積もりを求めた際に、AgentCoreが自動的にAWSの料金情報APIを呼び出すアクションを選択し、実行するといった流れになる。

このAWSコスト見積もりエージェントは、ユーザーが「EC2インスタンスをこれくらいのスペックで、何時間動かした場合の費用は?」といった質問をした際に、Bedrock AgentCoreがその質問を理解し、AWSの料金情報を取得するためのツール(アクション)を特定し、そのツールを呼び出して情報を取得、計算し、最終的な見積もり結果をユーザーに提示するという仕組みを持つ。

開発プロセスとしては、まずローカル環境でエージェントのロジックや利用するツール(アクション)を構築し、十分にテストを行う。その後、開発したエージェントをAWS Bedrock AgentCoreにデプロイし、クラウド環境で稼働させる。このデプロイの際も、サーバーレスの特性を持つBedrock AgentCoreは、インフラの管理をAWSに任せられるため、開発者はエージェントの機能開発に集中できるというメリットがある。

このように、Amazon Bedrock AgentCoreは、AIエージェント開発におけるプロンプト管理の複雑さ、外部ツール連携の煩雑さ、そして推論プロセスの制御の困難さといった「隠れた技術的負債」を解消し、開発者がより効率的かつ堅牢なAIエージェントを構築できるよう支援する強力なサービスであると言える。

関連コンテンツ