Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

EC2(イーシーツー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

EC2(イーシーツー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

イーシーニイシー (イーシーニイシー)

英語表記

EC2 (イーシーツー)

用語解説

Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) は、Amazon Web Services (AWS) が提供する、クラウド上で仮想サーバーを構築し利用できるサービスである。システムエンジニアを目指す上で、EC2は現代のITインフラを理解するための出発点とも言える重要な概念となる。従来のオンプレミス環境で物理サーバーを調達、設置、運用するのと比較し、EC2はインターネット経由で数分以内に必要な性能のサーバーを起動し、利用を開始できるという大きな特徴を持つ。

EC2の「Elastic」は「伸縮自在」という意味で、ビジネスの状況やアプリケーションの負荷に応じて、サーバーのリソース(CPU、メモリ、ストレージなど)を柔軟に増減できることを示している。例えば、Webサイトへのアクセスが急増する時間帯にはサーバーの数を一時的に増やし、アクセスが落ち着けば元に戻すといった運用が容易に実現できる。これにより、常に最大の負荷に備えて高額な物理サーバーを用意する必要がなくなり、使った分だけ料金を支払う従量課金モデルが採用されているため、コスト効率の良いインフラ運用が可能となる。開発環境の構築から、Webサイト、データベース、アプリケーションサーバーの運用、ビッグデータ処理、機械学習など、幅広い用途で利用されている。EC2を利用することで、企業はインフラの管理にかかる手間やコストを削減し、本業であるアプリケーション開発やビジネスロジックの構築に注力できるようになる。

EC2で利用する仮想サーバーの単位を「インスタンス」と呼ぶ。ユーザーはこのインスタンスに対して、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションソフトウェア、必要な設定などをインストールして利用する。インスタンスの性能は「インスタンスタイプ」として定義されており、CPUコア数、メモリ容量、ストレージ性能、ネットワーク帯域などが異なる多様なタイプが用意されている。汎用的な用途向けのタイプから、計算能力を重視するタイプ、メモリを重視するタイプ、高速ストレージを重視するタイプなど、アプリケーションの要件に合わせて最適なインスタンスタイプを選択できる。

インスタンスを起動する際には、「AMI (Amazon Machine Image)」と呼ばれるテンプレートを利用する。AMIには、OS(LinuxやWindowsなど)、初期設定、およびプリインストールされたソフトウェアなどが含まれており、これを選択することで素早くインスタンスを起動し、すぐに利用開始できる状態にできる。AWSが提供するAMIのほか、コミュニティが作成したものや、ユーザー自身がカスタマイズしたAMIを作成し利用することも可能である。

インスタンスに接続されるストレージとしては主に「Amazon EBS (Elastic Block Store)」が利用される。EBSは、インスタンスから独立して存在し、永続的にデータを保存できるブロックストレージである。インスタンスを停止または終了してもEBSボリューム上のデータは保持され、別のインスタンスにアタッチし直すことも可能である。EBSには、汎用SSD (gp2/gp3)、プロビジョンドIOPS SSD (io1/io2)、スループット最適化HDD (st1)、コールドHDD (sc1) など、性能とコストに応じて複数の種類があり、用途に合わせて選択できる。また、一時的なデータ保存には、インスタンスに直接接続される「インスタンスストア」というSSDベースのストレージも利用できるが、これはインスタンスが停止または終了するとデータが失われる揮発性のストレージである。

EC2インスタンスのネットワーク設定には、セキュリティの確保とネットワーク構成の柔軟性が重要となる。各インスタンスは「セキュリティグループ」と呼ばれる仮想ファイアウォールによって保護されている。セキュリティグループは、インスタンスへのインバウンド(受信)およびアウトバウンド(送信)トラフィックを制御するルールを定義するもので、どのIPアドレスやポートからのアクセスを許可するかなどを細かく設定できる。これにより、不要な通信をブロックし、インスタンスのセキュリティを強化する。インスタンスは、「Amazon VPC (Virtual Private Cloud)」と呼ばれるユーザー専用の仮想ネットワーク内に配置される。VPC内では、プライベートIPアドレス、サブネット、ルーティングテーブルなどを自由に構成でき、オンプレミス環境と連携したり、複数のアプリケーションを論理的に分離したりすることが可能である。また、インスタンスに固定のグローバルIPアドレスを割り当てるには「Elastic IP (EIP)」を使用する。EIPは、インスタンスにアタッチしたり、別のインスタンスに付け替えたりできるため、インスタンスが再起動してもIPアドレスが変わらないという利点があり、DNSレコードの更新が不要になる。

EC2の料金体系は、主に利用時間、インスタンスタイプ、利用地域、ストレージ容量、データ転送量に基づいて計算される。最も基本的なのは「オンデマンドインスタンス」であり、文字通り必要に応じて起動し、使った分だけ秒単位で課金される。これは、短期的な利用や開発・テスト環境に適している。長期的に安定したワークロードがある場合には、「リザーブドインスタンス (RI)」を利用することで、1年または3年の契約期間と引き換えに大幅な割引を受けられる。また、AWSの余剰キャパシティを非常に安価に利用できる「スポットインスタンス」もあるが、これは市場価格によってインスタンスが中断される可能性があるため、柔軟なワークロードやバッチ処理に適している。AWSには、一部のEC2インスタンスタイプと利用時間について「AWS無料利用枠」が提供されており、初心者でも費用を抑えて学習を始めることができる。

高い可用性とスケーラビリティを実現するため、EC2には様々な機能が用意されている。負荷に応じてインスタンス数を自動的に増減させる「オートスケーリング」は、急なアクセス増減に対応し、コスト効率を最大化する。複数のインスタンスにトラフィックを分散させる「Elastic Load Balancing (ELB)」と組み合わせることで、アプリケーションの安定稼働と耐障害性を向上させることができる。さらに、AWSは複数の地理的リージョン(地域)と、各リージョン内の複数の「アベイラビリティゾーン (AZ)」でサービスを展開している。AZは物理的に独立したデータセンター群であり、異なるAZにインスタンスを配置することで、片方のAZで障害が発生しても、もう一方のAZでサービスを継続できるという高い可用性を提供している。

EC2は、クラウドインフラの中心的なサービスとして、現代のシステム開発と運用において不可欠な存在である。その柔軟性、スケーラビリティ、そして多岐にわたる機能は、あらゆる規模のビジネスやプロジェクトに強力な基盤を提供している。

関連コンテンツ

関連IT用語

関連ITニュース