【ITニュース解説】AWS Services Every Frontend Developer Should Know

2025年09月05日に「Dev.to」が公開したITニュース「AWS Services Every Frontend Developer Should Know」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

フロントエンド開発者が知っておくべきAWSの主要サービスは、S3、CloudFront、Route 53、ACM、IAM、CloudWatch。S3は静的ファイルを保存、CloudFrontは高速配信、Route 53はDNS管理、ACMはSSL証明書、IAMはアクセス管理、CloudWatchはログ監視を行う。これらのサービスを組み合わせることで、Webサイトやアプリケーションを効率的にホスト、デプロイ、スケーリングできる。

ITニュース解説

AWSは200を超えるサービスがあり、フロントエンド開発者にとって最初はどこから手をつければ良いか分かりにくいかもしれない。しかし、Webアプリケーションのホスティング、デプロイ、スケーリングに必要なサービスは限られている。ここでは、フロントエンド開発者が知っておくべき主要なAWSサービスについて解説する。

まず、S3 (Simple Storage Service) は、クラウド上の巨大なハードドライブと考えると分かりやすい。HTML、JavaScript、CSS、フォント、画像などのビルド成果物をS3に保存する。本番環境、ステージング環境、プレ本番環境など、複数の環境用にバケットを作成できる。S3はバージョニングをサポートしており、リリースに問題が発生した場合に古いビルドにロールバックできる。また、ユーザーがアップロードした画像やドキュメントなどのアセットの保存にも利用できる。S3はCloudFrontと連携して、ファイルの配信を高速化できる。ただし、S3バケットを公開設定にせず、CloudFrontとOrigin Access Control (OAC) を組み合わせて使用することが推奨される。

次に、CloudFrontはAWSのコンテンツ配信ネットワーク (CDN) であり、世界中に分散したユーザーに対して高速にコンテンツを配信するために利用する。CloudFrontは、グローバルエッジキャッシュ、HTTPS (TLS証明書)、キャッシュの無効化、柔軟なキャッシュ設定、エッジ関数などの機能を提供する。グローバルエッジキャッシュは、アセットをユーザーに近いサーバーにキャッシュすることで、配信速度を向上させる。HTTPSは、AWS Certificate Managerと連携して、Webサイトのセキュリティを確保する。キャッシュの無効化は、新しいバージョンをリリースした際に、古いコンテンツがキャッシュに残らないようにするために使用する。柔軟なキャッシュ設定は、ファイルの種類や更新頻度に応じてキャッシュ期間を調整できる。エッジ関数は、SPAルーティング、認証チェック、A/Bテストなどの処理をエッジで行うことができる。ユーザーがアップロードした画像をS3に保存し、CloudFrontで配信することで、高速な配信を実現できる。

Route 53は、AWSのDNSサービスであり、ドメイン名をCloudFrontディストリビューションにマッピングするために使用する。IPアドレスを管理する必要はなく、エイリアスレコードを使用してCloudFrontに直接接続できる。また、ヘルスチェックやルーティングポリシー (フェイルオーバー、レイテンシーベースルーティングなど) もサポートしている。ワイルドカード証明書とRoute 53を組み合わせることで、staging.myapp.comやadmin.myapp.comなどの複数の環境を簡単に管理できる。

ACM (AWS Certificate Manager) は、SSL/TLS証明書を無料で提供するサービスであり、WebサイトをHTTPSで安全に提供するために利用する。ワイルドカード証明書をサポートしており、ステージング環境、プレ本番環境、管理画面などをまとめてカバーできる。ACMは証明書の更新を自動的に行うため、管理の手間を省くことができる。CloudFrontで使用する証明書は、us-east-1 (N. Virginia) リージョンで作成する必要がある。

IAM (Identity & Access Management) は、AWSリソースへのアクセス権限を管理するサービスであり、セキュリティを強化するために利用する。ルートAWSキーを使用する代わりに、CI/CDに必要な権限のみを持つIAMユーザーまたはIAMロールを作成する。例えば、GitLab/GitHubパイプラインデプロイ担当ユーザーには、s3:PutObject (ファイルアップロード)、s3:DeleteObject (古いファイル削除)、cloudfront:CreateInvalidation (リリース後のキャッシュ更新) などの権限のみを付与する。最小権限の原則に従い、必要な権限のみを付与することが重要である。キーはCI/CDシークレットとして保存し、リポジトリに保存しないようにする。

CloudWatchは、ログ、メトリクスを収集し、アラームを設定できるモニタリングサービスであり、本番環境で発生する問題の可視化に役立つ。CloudFrontのログ (キャッシュヒット/ミス率、エラー、レイテンシーなど) 、Lambdaログ (エッジ関数を使用している場合) などを監視できる。エラー率が急上昇した場合などに通知を受け取るアラームを設定することも可能だ。CloudFrontアクセスログをS3に保存し、Athenaでクエリすることで、パフォーマンスの問題をデバッグできる。

これらのサービスの関係性をまとめると、S3はコードとアセットの保存場所、CloudFrontはコードとアセットの配信方法 (高速、グローバル) 、Route 53とACMはドメインとHTTPS、IAMはデプロイ権限の管理、CloudWatchは問題発生時のデバッグに使用する。

フロントエンド開発者にとって、AWSはバックエンドの領域と思われがちだが、S3、CloudFront、Route 53、ACMなどの基本的なサービスを習得することで、Webアプリケーションの開発、デプロイ、運用を効率的に行うことができる。まずはこれらのサービスをマスターし、必要に応じて他のサービスを検討していくのが良いだろう。

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