【ITニュース解説】Aws Reserved Instances (RI) & Savings Plans
2025年09月22日に「Dev.to」が公開したITニュース「Aws Reserved Instances (RI) & Savings Plans」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AWSのRIとSavings Plansは、EC2などの利用料金を割引する仕組みだ。RIは特定のインスタンスタイプにコミットし割引率が高いが柔軟性は低い。Savings Plansはより柔軟で、EC2以外にも適用でき、利用額をコミットする。RIは複数アカウントで共有し、コストを最適化できる。
ITニュース解説
システムエンジニアとしてクラウドサービスを利用する際、そのコストをいかに効率的に抑えるかは非常に重要な課題となる。Amazon Web Services (AWS) では、コンピューティングサービスであるEC2などの利用料金を節約するための主要な方法として、「Reserved Instances (RI)」と「Savings Plans」という二つのオプションが提供されている。これらはどちらも長期的な利用を約束することで割引が適用される仕組みだが、その性質には違いがある。
まず、Reserved Instances (RI) について解説する。RIは、特定のEC2インスタンス(仮想サーバー)を1年または3年の期間、継続的に利用することを約束することで、オンデマンド料金と比較して大幅な割引が適用されるサービスだ。この割引は最大で約72%にも達する。RIは、例えば「us-east-1リージョンのm5.largeインスタンス」のように、利用するインスタンスのタイプとサイズ、そして利用するリージョンが明確に決まっている場合に最も適している。つまり、長期にわたって安定した用途で特定のサーバーを使い続ける予定がある場合に、大きなコスト削減効果が期待できる。RIには「Standard RI」と「Convertible RI」の二種類がある。Standard RIは最も割引率が高い反面、購入後にインスタンスタイプやリージョンを変更できないため、柔軟性は低い。一方、Convertible RIはStandard RIよりも割引率はわずかに下がるものの、途中で異なるインスタンスタイプやファミリーに変更できる柔軟性を持っている。RIの割引は基本的にEC2インスタンスにのみ適用される。
次に、Savings Plansについて説明する。Savings PlansもRIと同様に1年または3年の期間で利用を約束することで割引が適用されるが、その割引の仕組みがRIとは異なる。RIが「特定のインスタンスを予約する」イメージであるのに対し、Savings Plansは「特定の時間あたりの利用量(ドル建て)をコミットする」イメージだ。例えば、「1時間あたり10ドル分のコンピューティングリソースを使い続ける」と約束することで割引が適用される。この特性により、Savings PlansはRIよりもはるかに高い柔軟性を提供する。Savings Plansには二つのタイプがある。「Compute Savings Plan」は最も柔軟性が高く、EC2インスタンスだけでなく、サーバーレスコンピューティングサービスのFargateやLambdaにも適用される。また、インスタンスタイプやサイズ、OS、さらにはリージョンが変わっても割引が適用され続ける。これは、特定のサーバー構成が決まっていないが、全体的なコンピューティング利用量はある程度予測できる場合に非常に有利だ。もう一つの「EC2 Instance Savings Plan」は、特定のインスタンスファミリー(例えばm5ファミリー)とリージョンにコミットするが、そのファミリー内であればインスタンスサイズやOSを変更しても割引が適用される。Savings Plansの割引率は最大で約66%と、Standard RIよりはわずかに低いが、その柔軟性の高さは大きなメリットである。
RIとSavings Plansを比較すると、割引率ではStandard RIが最も高いが、適用範囲の広さと柔軟性ではSavings Plansが優れていることがわかる。RIは、特定のEC2インスタンスを長期間にわたって変更せずに使い続けるような、非常に予測可能なワークロードに最適だ。データベースサーバーや基幹システムのような、安定稼働が求められ、構成変更が少ない場合に特に効果を発揮する。一方、Savings Plansは、開発環境のようにインスタンスタイプやリージョンが頻繁に変更される可能性のあるワークロードや、将来的にEC2以外のFargateやLambdaといったサービスも利用する可能性がある場合に有利だ。現在の多くの企業では、ワークロードの変化が激しいため、柔軟性の高いSavings Plansを選択する傾向が強まっている。
さらに、複数のAWSアカウントを持つ企業にとって重要な概念に「RI Sharing」がある。デフォルトでは、RIの割引は購入したAWSアカウントにのみ適用される。しかし、多くの企業では開発環境、本番環境、テスト環境、あるいはチームごとに複数のAWSアカウントを運用している。このような状況でRI Sharingを設定しないと、あるアカウントが購入したRIが十分に利用されず、別のアカウントで同じタイプのEC2インスタンスがオンデマンド料金で稼働し、コストが無駄になる可能性がある。
RI Sharingは、AWS Organizationsという機能と連携して利用される。AWS Organizationsは、複数のAWSアカウントを統合し、一元的に管理するためのサービスだ。RIを購入したアカウントが管理アカウントとなり、他のAWSアカウントをメンバーとして組織に参加させることで、すべてのメンバーアカウント間でRIの割引が共有されるようになる。これにより、仮にRIを購入したアカウントでそのRIが完全に利用されなくても、同じ組織内の別のアカウントで同じ条件のEC2インスタンスが稼働していれば、自動的にその割引が適用される。つまり、組織全体でRIが最大限に活用され、無駄なコストを削減できるようになるのだ。この設定は、管理アカウントでAWS Organizationsを確立し、他のアカウントを招待する簡単な手順で実施できる。RI Sharingは、組織全体のAWSコストを最適化し、複数アカウント運用における効率的なリソース利用を可能にするための不可欠な仕組みと言える。
結論として、AWSのコスト最適化において、Reserved InstancesとSavings Plansはそれぞれ異なるメリットを持つ強力なツールだ。システムエンジニアは、自身のプロジェクトや組織のワークロードの特性、将来的な変化の可能性を考慮し、どちらのオプションが最も適しているかを見極める必要がある。また、複数アカウントでAWSを運用している場合は、RI SharingとAWS Organizationsを活用することで、組織全体のコストを最適化し、無駄な出費を最小限に抑えることが可能となる。これらの知識は、クラウド環境を効率的かつ経済的に運用するための基本的なスキルとして、システムエンジニアを目指す上で必ず押さえておくべきものだ。