【ITニュース解説】Configuring Network Routing in Azure: A Step-by-Step Guide
2025年09月22日に「Dev.to」が公開したITニュース「Configuring Network Routing in Azure: A Step-by-Step Guide」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Azureで、仮想ネットワークから外部への通信を安全に管理するため、ファイアウォールで必ず検査する設定を解説する。ルートテーブルを作成し、関連サブネットに適用し、全アウトバウンドトラフィックをファイアウォール経由にするカスタムルートを追加する。
ITニュース解説
クラウド環境でシステムを構築・運用する際、ネットワークのルーティング設定はセキュリティとトラフィック管理の核となる要素だ。Azureのようなクラウドサービスでは、仮想ネットワーク内のルーティングは通常、システムによって自動的に処理される。しかし、アプリケーションから外部へ向かう通信(アウトバウンドトラフィック)を特定のセキュリティデバイス、例えばファイアウォールで詳細に検査したり、フィルターしたりする必要がある場合、標準の自動ルーティングだけでは不十分となる。このようなシナリオでは、カスタムのルーティング設定が不可欠だ。この記事では、Azure環境において、アウトバウンドトラフィックをAzure Firewall経由で強制的に通過させるためのネットワークルーティングの具体的な設定方法とその背後にある考え方について解説する。
この解説を通じて、システムエンジニアを目指す初心者は、カスタムのルートテーブルを作成し設定する方法、そのルートテーブルを仮想ネットワーク内の特定のサブネットに関連付ける方法、そして最終的に、アプリケーションから外部へ出るすべてのトラフィックをファイアウォールのプライベートIPアドレスを通じて転送するカスタムルートを追加する方法を学ぶことができる。これは、クラウド環境でのネットワークセキュリティを設計・実装するための基礎知識となるだろう。
まず、このルーティング設定がどのような構成で機能するのかを理解するために、そのアーキテクチャの概要を見てみよう。この構成は、アプリケーションが稼働する単一の仮想ネットワーク(例として「app-vnet」と呼ばれる)を中心に据えている。この仮想ネットワーク内には、アプリケーションのフロントエンド部分がデプロイされる「フロントエンドサブネット」と、バックエンド部分がデプロイされる「バックエンドサブネット」という複数のサブネットが存在する。これらのサブネットからの通信を監視し、セキュリティポリシーを適用するために、Azure Firewallがこの仮想ネットワーク内に配備されている。ファイアウォールは、ネットワークトラフィックを検査し、設定されたルールに基づいて通信を許可またはブロックする役割を担う。そして、今回作成するカスタムルートテーブルが、Azureの標準的なシステムルートを上書きし、アプリケーションのワークロードから外部へ向かうすべてのトラフィックをこのファイアウォールに誘導するように設定される。この設計により、仮想ネットワーク内の任意のワークロードから外部へのリクエストが、仮想ネットワークを出る前に必ずファイアウォールによって検査されることが保証されるため、一貫したセキュリティ管理が可能となる。
具体的な設定手順は次の通りだ。
最初のステップとして、ルートテーブルの設定に取り掛かる前に、利用するAzure FirewallのプライベートIPアドレスを控えておく必要がある。このIPアドレスは、後でカスタムルートを定義する際に、トラフィックが次に向かうべき場所、つまり「ネクストホップ」として指定するために必要となる重要な情報だ。Azureポータルにアクセスし、「Firewall」と検索して、対象となるファイアウォールインスタンス(例えば「app-vnet-firewall」という名前のファイアウォール)を選択する。その概要ページに表示されている「プライベートIPアドレス」をコピーし、安全な場所に記録しておく。
次に、カスタムのルートテーブルを作成する。このルートテーブルは、Azureが自動的に提供する既定のシステムルートの代わりに、独自のルーティングルールを適用するために使用される。Azureポータルで「Route tables」を検索し、「+ 作成」ボタンをクリックする。既存のサブスクリプションとリソースグループ(例えば「RG1」)を選択し、適切なリージョン(例えば「East US」)を選んで、ルートテーブルに分かりやすい名前(例えば「app-vnet-firewall-rt」)を付ける。設定内容を確認した後、「レビュー + 作成」を選び、「作成」を実行すると、新しいルートテーブルがデプロイされる。デプロイが完了したら、作成されたルートテーブルを開いて次のステップに進む。
ルートテーブルが正常に作成されたら、次にそのルートテーブルを、トラフィックをフィルタリングしたいサブネットに関連付ける作業を行う。この関連付けにより、これらのサブネットから発信されるトラフィックが、作成したカスタムルートテーブルで定義されたルーティングルールに従うようになる。作成したルートテーブルを開き、「設定」メニュー内の「サブネット」を選択し、「+ 関連付け」をクリックする。ここで、対象の仮想ネットワークである「app-vnet」の「フロントエンドサブネット」を選択し、ルートテーブルと関連付ける。同様の手順を繰り返し、同じ「app-vnet」の「バックエンドサブネット」とも関連付けを行う。この設定が完了すると、フロントエンドとバックエンドのアプリケーションワークロードから発信されるすべてのトラフィックが、このルートテーブルのルールに沿って送信されるようになる。
最後のステップとして、作成したルートテーブル内に、すべてのアウトバウンドトラフィックをAzure Firewallに転送するためのカスタムルートを作成する。開いているルートテーブルの「設定」メニューから「ルート」を選択し、「+ 追加」をクリックして新しいルートの設定を開始する。ルートの名前として「outbound-firewall」のような識別しやすい名前を入力する。「宛先タイプ」には「IPアドレス」を選択し、「宛先アドレス範囲」には「0.0.0.0/0」と入力する。この「0.0.0.0/0」というアドレス範囲は、「すべてのIPアドレス」を意味するため、このルートがネットワークから外部へ出るすべての通信に適用されることを指示する。「ネクストホップタイプ」には「仮想アプライアンス」を選択し、「ネクストホップアドレス」には、最初のステップで記録しておいたファイアウォールのプライベートIPアドレスを入力する。これらの設定が完了したら、「追加」をクリックしてルートを保存する。
これらの手順を完了することで、Azure環境におけるネットワークルーティング設定が完了する。具体的には、カスタムルートテーブルを作成し、それをアプリケーションのフロントエンドとバックエンドのサブネットに関連付け、そしてすべての外部へのトラフィックをAzure Firewallへと転送するカスタムルートを定義した。この構成により、仮想ネットワーク内のワークロードから外部へ向かうあらゆる通信は、まず中央に配置されたAzure Firewallを通過することが保証される。これにより、企業や組織が定めたセキュリティポリシーが一貫して適用され、クラウド環境全体のセキュリティレベルが向上する。この仕組みは、クラウドでシステムを安全に運用するために不可欠な要素であり、システムエンジニアとしてネットワークセキュリティを設計・実装する上で基礎となる非常に重要な知識である。