サブネット (サブネット) とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
サブネット (サブネット) の読み方
日本語表記
サブネット (サブネット)
英語表記
subnet (サブネット)
サブネット (サブネット) の意味や用語解説
サブネットとは、ネットワークを論理的に分割した小さなネットワークのことである。大規模なネットワークを効率的に管理し、セキュリティを向上させるために用いられる。 ネットワークは、コンピューターやサーバー、ルーターなどのネットワーク機器が互いに接続され、データをやり取りする仕組みである。ネットワークに接続された機器は、それぞれにIPアドレスという識別番号が割り当てられている。IPアドレスは、ネットワーク上の住所のようなもので、データの送信先や送信元を特定するために使用される。 大規模なネットワークでは、すべての機器が同じネットワークに接続されていると、管理が煩雑になり、セキュリティリスクも高まる。そこで、ネットワークをサブネットに分割することで、これらの問題を解決できる。 サブネットは、IPアドレスを分割して作成される。IPアドレスは、ネットワーク部とホスト部という2つの部分で構成されている。ネットワーク部は、ネットワーク全体を識別するための部分であり、ホスト部は、ネットワーク内の個々の機器を識別するための部分である。 サブネットを作成するには、ネットワーク部を拡張し、ホスト部を縮小する。例えば、元のネットワークのIPアドレスが「192.168.1.0/24」だった場合、「/24」はネットワーク部のビット数を示している。このネットワークを2つのサブネットに分割する場合、ネットワーク部のビット数を1つ増やして「/25」にする。すると、サブネットのIPアドレスは「192.168.1.0/25」と「192.168.1.128/25」になる。 サブネットに分割されたネットワークは、それぞれが独立したネットワークとして機能する。異なるサブネットに属する機器同士が通信するには、ルーターと呼ばれるネットワーク機器が必要になる。ルーターは、異なるネットワーク間のデータのやり取りを仲介する役割を担う。 サブネット分割のメリットはいくつかある。まず、ネットワーク管理の効率化が挙げられる。サブネットごとに異なる管理ポリシーを適用したり、特定のサブネットにアクセス制限を設けたりすることで、ネットワーク全体の管理が容易になる。 次に、セキュリティの向上が期待できる。サブネットを分割することで、ネットワーク全体のリスクを分散できる。例えば、あるサブネットが攻撃を受けた場合でも、他のサブネットへの影響を最小限に抑えることができる。また、ファイアウォールなどのセキュリティ対策をサブネットごとに適用することで、よりきめ細かいセキュリティ対策が可能になる。 さらに、ネットワークのパフォーマンス向上にもつながる。ネットワーク全体を分割することで、ブロードキャストトラフィックを抑制し、ネットワークの輻輳を緩和することができる。ブロードキャストトラフィックとは、ネットワーク上のすべての機器に送信されるデータのことで、ネットワークの負荷を高める原因となる。 サブネット分割を行う際には、いくつかの注意点がある。まず、IPアドレスの設計を慎重に行う必要がある。各サブネットに十分なIPアドレスを割り当てること、IPアドレスの重複を避けることなどが重要になる。 また、ルーターの設定も適切に行う必要がある。ルーターは、異なるサブネット間のデータのやり取りを仲介するだけでなく、ネットワークのセキュリティポリシーを適用する役割も担う。そのため、ルーターの設定に誤りがあると、ネットワークのパフォーマンスが低下したり、セキュリティリスクが高まったりする可能性がある。 サブネットは、ネットワークを効率的に管理し、セキュリティを向上させるための重要な技術である。システムエンジニアを目指すのであれば、サブネットの基本的な概念や仕組み、設計方法などを理解しておくことが重要である。IPアドレス、ルーティングプロトコル、ネットワークセキュリティなどの関連知識も合わせて学習することで、より深く理解することができるだろう。