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【ITニュース解説】A Comprehensive Guide on Builder Design Pattern with all Flavors & Examples

2025年09月15日に「Reddit /r/programming」が公開したITニュース「A Comprehensive Guide on Builder Design Pattern with all Flavors & Examples」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

ビルダーパターンは、多数のオプションを持つ複雑なオブジェクトを、分かりやすい手順で作成する手法だ。コンストラクタの乱立やエラーを減らし、読みやすく、保守しやすく、安全なコードになる。ピザ注文を例に、Java 21でその使い方を解説している。

ITニュース解説

システムを開発する際、私たちは様々な部品や設定を持つ「モノ」(オブジェクト)を作り、それらを組み合わせて複雑な機能を実現していく。特に、ユーザーが詳細にカスタマイズできるようなサービスや商品など、たくさんの設定やオプションを持つオブジェクトをプログラム上で作り出すことは、システム開発における大きな課題の一つである。

従来のオブジェクト作成方法には、いくつかの問題があった。その一つが「入れ子になったコンストラクタ」だ。これは、オブジェクトを生成する際に、設定したい項目に合わせて引数の数や種類が異なるコンストラクタ(オブジェクトを初期化するための特別なメソッド)を何種類も用意しなければならない状況を指す。例えば、ピザを注文する例で考えると、生地の種類だけを指定するコンストラクタ、生地とソースを指定するコンストラクタ、生地とソースとトッピングを指定するコンストラクタ、といった具合に、引数が異なる複数のコンストラクタが乱立してしまう。これでは、どのコンストラクタを使えば意図したオブジェクトを作れるのかが分かりにくくなり、コードを読む人にとっても、書く人にとっても混乱の原因となる。さらに、新しいオプションが追加されるたびに、既存の多くのコンストラクタを修正したり、新しいコンストラクタを追加したりする必要があるため、変更に非常に弱い構造となってしまう。

もう一つの問題は、「エラーを起こしやすいセッターメソッド」を使う方法だ。これは、まず基本的なオブジェクトを作り、その後で「セッターメソッド」(オブジェクトの個々のプロパティを設定するためのメソッド)を使って、設定項目を一つずつ個別に設定していく方法である。例えば、ピザを注文する際、まず「空のピザ」オブジェクトを作り、次に「生地を薄切りに設定する」「ソースをトマトに設定する」「トッピングにサラミを追加する」といった形で、一つずつ設定を適用していく。この方法では、必要な設定が漏れてしまったり、設定の順番を間違えたり、あるいは特定の組み合わせでしか有効にならないはずの設定を誤って組み合わせてしまったりするリスクが高まる。結果として、不完全な状態のオブジェクトが作られてしまい、後で予期せぬエラーを引き起こす原因となる可能性がある。

このような複雑なオブジェクトの構築に伴う課題を解決するために考案されたのが、「Builder(ビルダー)デザインパターン」だ。Builderパターンは、オブジェクトを直接作成するのではなく、専用のBuilder(構築者)オブジェクトに依頼して、明確な手順を踏んでオブジェクトを段階的に構築していく方法を提供する。このパターンを使うと、必要な設定項目をステップバイステップで指定していき、すべての設定が完了した後に初めて完成したオブジェクトを受け取る、という流れになる。

Builderパターンの最大の利点は、コードの「可読性」と「保守性」を大幅に向上させる点にある。ピザの注文の例で考えれば、Builderパターンを使えば「ピザビルダーを作り、生地を薄切りに設定し、ソースをトマトに設定し、トッピングにサラミを追加し、最後にピザを構築する」といった一連の流れが、コード上で非常に分かりやすく表現できる。これにより、そのピザがどのような設定で構成されているのかが一目瞭然となるため、他の開発者が見ても理解しやすくなる。

また、新しいオプションが追加された場合でも、既存のBuilderに新しい設定メソッドを追加するだけで対応できるため、既存のコードへの影響を最小限に抑え、プログラム全体の「保守性」が高まる。前述した不完全なオブジェクトが作成されるリスクも軽減される。Builderパターンでは、すべての設定が終わってからオブジェクトを構築するメソッド(通常は build() メソッド)を呼び出すため、Builderが提供する全てのステップが完了しない限り、オブジェクトが生成されることはない。これにより、常に完全で有効な状態のオブジェクトのみが生成されることが保証される。さらに、複数の処理が同時にオブジェクトを作ろうとした場合でも、Builderパターンを適切に実装すれば、競合することなく安全にオブジェクトを作成できる「スレッドセーフ」なコードを実現しやすくなるという利点もある。

記事では、このBuilderパターンを「カスタムピザの注文」という具体的な例を通して詳しく解説している。ピザには、生地の種類(薄焼き、厚焼き)、ソース(トマト、ホワイト)、トッピング(サラミ、マッシュルーム、ピーマン)、サイズ(S、M、L)など、数多くの選択肢がある。これらの組み合わせは非常に多岐にわたるため、もし従来のコンストラクタやセッターメソッドだけで対応しようとすると、前述のような問題が顕著に現れてしまうだろう。しかし、Builderパターンを適用すれば、「ピザビルダーを作り、生地を選び、ソースを選び、トッピングを追加し、サイズを指定し、最後にピザを完成させる」という、まるで注文書を埋めるような直感的で分かりやすい手順でピザオブジェクトを作成できるようになる。

Builderパターンには、古典的なアプローチと現代的なアプローチが存在する。古典的なアプローチでは、各設定ステップのメソッドがBuilderオブジェクト自身を返すことで、メソッド呼び出しを連続して記述できるようにすることが一般的だ。これにより、「builder.setCrust("thin").setSauce("tomato").addTopping("pepperoni").build()」のように、流れるようなコードが書けるようになる。記事では、最新のJava 21互換のコードを用いて、この「流れるようなスタイル」(Fluent Style)も紹介しており、より簡潔で人間が読みやすいコードを実現する方法を示している。これは、一連の操作を連続して記述することで、コードの見た目と意図をより明確にする手法である。

まとめると、Builderデザインパターンは、多数のオプションを持つ複雑なオブジェクトを、間違いなく、かつ分かりやすく構築するための非常に強力なツールである。入れ子になったコンストラクタの乱立や、エラーを起こしやすいセッターメソッドの使用といった従来の課題を解決し、プログラムの可読性、保守性、そして堅牢性を高める。システムエンジニアを目指す上で、このような設計パターンを理解し、適切に活用できるようになることは、高品質なソフトウェアを開発するために不可欠なスキルの一つと言える。複雑なシステムを構築する際に、どのような設計が良いのか、どのようにすれば変更に強く、分かりやすいコードになるのかを考える上で、Builderパターンは重要な選択肢となるだろう。

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