Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】CISA warns of actively exploited Dassault RCE vulnerability

2025年09月13日に「BleepingComputer」が公開したITニュース「CISA warns of actively exploited Dassault RCE vulnerability」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

米国のCISAは、ダッソー・システムズの製造業向けソフト「DELMIA Apriso」に重大な脆弱性があると警告した。この脆弱性は、攻撃者が遠隔からシステムを操作できるもので、すでに悪用が確認されている。

ITニュース解説

今回のニュースは、アメリカのサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁、通称CISAが、特定のサイバーセキュリティ上の重大な脅威について緊急の警告を発したというものだ。CISAは、アメリカの政府機関として、国の重要なインフラや情報システムをサイバー攻撃から守る役割を担っており、そこからの警告は非常に重い意味を持つ。

警告の対象となっているのは、フランスの企業Dassault Systèmes(ダッソー・システムズ)が提供している「DELMIA Apriso(デルミア・アプリソ)」というソフトウェアに存在する、重大な欠陥だ。DELMIA Aprisoは、製造業の現場で使われる生産管理・実行ソリューションで、具体的には、工場での生産計画、在庫管理、品質管理、作業指示、設備連携といった、製造プロセス全体をデジタルで管理し、効率化を図るための重要なシステムだ。多くの企業がこの種のシステムに依存して生産活動を行っているため、そのセキュリティは極めて重要だと言える。

このDELMIA Aprisoに見つかった欠陥は、「リモートコード実行(RCE)」と呼ばれる、サイバーセキュリティの脆弱性の中でも特に危険度が高い種類の一つに分類される。リモートコード実行とは、その名の通り、攻撃者がインターネットなどの遠隔地から、脆弱性のあるシステム上で、あたかも自分がそのシステムの前に座って操作しているかのように、任意のプログラムコードを勝手に実行できてしまう状態を指す。これは、攻撃者が遠隔地からそのシステムを直接操作し、任意のコマンドを入力するのと同じくらい危険な状態だ。

攻撃者がリモートコード実行の脆弱性を悪用できる場合、システムの内部に深く侵入し、様々な悪意のある活動を行うことが可能になる。例えば、システム内の重要なデータを盗み出したり、意図的に改ざんしたり、あるいは完全に消去したりする可能性がある。さらに、システムにマルウェアと呼ばれる不正なソフトウェアを感染させたり、システムの設定を勝手に変更したりして、システム全体の制御を攻撃者の手に奪ってしまうこともできる。製造業の現場で稼働しているDELMIA Aprisoのような基幹システムがRCEの被害に遭えば、生産ラインが停止に追い込まれたり、製品の設計情報や品質データが流出・改ざんされたり、顧客情報が漏洩したりと、企業の事業活動に深刻な、時には壊滅的な影響を及ぼす恐れがある。最悪の場合、システムが制御する物理的な設備にまで影響が及び、現実世界での損害につながる可能性すら否定できない。

今回のCISAの警告が特に深刻なのは、この脆弱性が単に発見されただけでなく、すでに「積極的に悪用されている(actively exploited)」とされている点だ。これは、サイバー攻撃者たちがこの欠陥を突く具体的な方法を既に見つけ出し、実際にDELMIA Aprisoを導入している企業や組織を狙った攻撃を実行している、あるいは既に成功させていることを意味する。つまり、これは将来起こりうる可能性のある脅威ではなく、既に現実世界で多くの組織が直面している、差し迫った脅威なのだ。攻撃者が具体的な攻撃手法を確立し、それを実際に利用しているため、影響を受けるシステムを使用している企業や組織は、一刻も早い対応が求められる。

このような状況に直面した場合、DELMIA Aprisoを導入している企業や組織は、迅速かつ適切な対策を講じることが不可欠だ。通常、このような重大な脆弱性が発見されると、ソフトウェアの提供元であるDassault Systèmes社は、脆弱性を修正するための「セキュリティパッチ」と呼ばれるプログラムを公開する。システム管理者やIT担当者は、このセキュリティパッチが公開され次第、速やかにシステムに適用し、脆弱性を解消する必要がある。もし、何らかの理由でパッチの適用がすぐにできない場合や、パッチがまだ提供されていない場合は、一時的な回避策を講じることも重要だ。例えば、インターネットからのシステムへのアクセスを制限したり、特定の脆弱な機能の使用を一時的に停止したりするなど、システムへの攻撃経路を遮断するような対応が考えられる。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、今回のニュースは、ITシステムの開発や運用においてセキュリティがどれほど重要であるかを改めて教えてくれる事例だ。単にシステムを動かすだけでなく、そのシステムをサイバー攻撃から守り、安全に稼働させ続けることこそが、現代のシステムエンジニアにとって非常に重要な役割となる。今回の事例のように、製造業の根幹を支えるようなシステムにおける脆弱性は、情報セキュリティの重要性を浮き彫りにしている。サイバー攻撃の手口は日々進化し、巧妙化しているため、システムの安全性を維持するためには、常に最新の脅威動向を把握し、適切なセキュリティ対策を講じ続ける必要がある。脆弱性に関する情報を素早くキャッチし、それが自身の担当するシステムにどのような影響を及ぼすかを正確に理解し、そして迅速に適切な対策を実行する能力は、今後ますますシステムエンジニアに求められる基本的なスキルとなるだろう。このようなニュースから学び、セキュリティに対する意識を高く持つことが、将来のシステムエンジニアとしての基礎を築く上で大いに役立つはずだ。

関連コンテンツ