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【ITニュース解説】10 CSS Mistakes That Secretly Make Your Site Slower

2025年09月16日に「Medium」が公開したITニュース「10 CSS Mistakes That Secretly Make Your Site Slower」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Webサイトの表示速度は、実はCSSの書き方次第で大きく変わる。この記事では、サイトを遅くするよくあるCSSの誤りを10個解説。システムエンジニアを目指すなら、効率的なCSSで速度を最適化し、ユーザー体験を向上させる技術を習得しよう。

ITニュース解説

ウェブサイトの速度は、現代のインターネットにおいて単なる贅沢品ではなく、ウェブサイトがユーザーに利用され続けるための必須条件だ。ウェブサイトが遅いと、ユーザーはすぐにページを離れてしまい、ビジネス機会の損失や検索エンジンでの評価低下にもつながる。この速度に大きく影響するのが、ウェブサイトの見た目を定義するCSS(Cascading Style Sheets)である。CSSの記述方法や管理の仕方が適切でないと、ブラウザがウェブページを表示する際に余計な処理を強いられ、結果としてサイトの表示速度が著しく低下する可能性がある。システムエンジニアを目指す上で、CSSがパフォーマンスに与える影響を理解し、最適化のポイントを知ることは非常に重要だ。

ウェブサイトの速度を密かに遅くするCSSの主な間違いには、いくつかのパターンがある。一つは、未使用のCSSや重複したCSSの存在だ。大規模なプロジェクトでは、開発が進むにつれて使われなくなったスタイル定義がCSSファイル内に残り続けたり、同じスタイルが複数の場所で定義されたりすることがよくある。これらの冗長なコードはCSSファイルのサイズを不必要に大きくし、ブラウザがファイルをダウンロードする時間、そしてその内容を解析する時間を長くしてしまう。ブラウザはCSSファイルをすべて解析してからでないと、ウェブページのレンダリングを開始できないため、ファイルサイズが大きいほど表示開始までの時間が遅れる原因となる。

次に、複雑すぎるCSSセレクタや深いネストもパフォーマンスに影響を与える。例えば、「html body div#container .main-content ul li a」のように、複数の要素を深くネストして指定するセレクタは、ブラウザがどの要素にスタイルを適用すべきかを探すのに余計な処理時間を要する。特に、ユニバーサルセレクタである「*」(すべての子要素を選択)を限定せずに頻繁に使うと、ブラウザはすべての要素に対してスタイルをチェックしようとするため、パフォーマンスが低下しやすい。シンプルで効率的なセレクタの記述を心がけるべきだ。

また、HTML要素のstyle属性に直接CSSを記述するインラインスタイルや、!importantの乱用も避けるべき習慣だ。インラインスタイルは、そのスタイルがキャッシュされにくく、ページの再描画時に毎回スタイルが適用されるため、特に動的な要素においてはパフォーマンスのボトルネックになる可能性がある。!importantはCSSの優先順位を強制的に上げる強力な宣言だが、これを多用するとスタイルの上書きが複雑になり、コードの保守性が著しく低下するだけでなく、ブラウザがスタイルの計算を行う際の負荷を増大させることもある。

非効率なCSSアニメーションも速度低下の原因となる。アニメーションはユーザー体験を向上させるが、widthheighttopleftといったプロパティをアニメーションさせると、ブラウザはそのたびに要素のレイアウト(位置やサイズ)を再計算する必要がある。これは「リフロー」や「レイアウト」と呼ばれる非常にコストのかかる処理であり、ページの表示をかくつかせたり、応答性を低下させたりする。代わりに、transform(要素の位置、サイズ、回転など)やopacity(透明度)などのプロパティをアニメーションに使うと、ブラウザはレイアウト計算をスキップし、より高速でスムーズなアニメーションを実現できることが多い。

CSS自体が直接の原因ではないが、CSSが参照する画像ファイルやWebフォントの最適化不足もサイト全体の速度に大きく影響する。CSSで背景画像やアイコン、特定のWebフォントを指定することがよくあるが、これらのリソースが大きすぎたり、適切な形式で圧縮されていなかったりすると、ダウンロードに時間がかかり、ページ全体の表示が遅れる。画像の適切な形式選択、圧縮、Webフォントのサブセット化(必要な文字だけを読み込む)、非同期読み込みなどを検討する必要がある。

JavaScriptとCSSの連携における問題として、**レイアウトスロッシング(Layout Thrashing)**という現象も発生しやすい。これは、JavaScriptが要素の幾何学的な情報(clientWidthoffsetHeightなど)を読み取った直後に、その要素のスタイル(widthheightなど)を変更する操作を繰り返すことで起こる。ブラウザはスタイル変更のたびに、常に最新のレイアウト情報を取得するため、レイアウトの再計算を強制される。このような非効率な操作は、ブラウザに大きな負荷をかけ、ページの応答性を著しく低下させるため、JavaScriptでCSSプロパティを操作する際は、読み取りと書き込みをまとめて行うなど、最適化されたアプローチを意識すべきだ。

CSSファイルを読み込む方法にも注意が必要だ。CSSファイル内で別のCSSファイルを@importルールで読み込むと、ブラウザは親のCSSファイルをすべてダウンロードし解析し終えるまで、子となるCSSファイルのダウンロードを開始できない。これはCSSファイルのダウンロードを直列化させ、ページのレンダリング開始を遅らせる原因となる。HTMLの<head>内で複数の<link>タグを使ってCSSファイルを並列に読み込む方が、効率的なダウンロードとレンダリングにつながる。

また、CSSのミニファイと圧縮の不足もファイルサイズを増大させる一因だ。開発者が記述したCSSコードには、読みやすさのために空白、改行、コメントなどが含まれている。これらはブラウザにとって不要な情報であり、CSSファイルを本番環境にデプロイする前に、これらの不要な部分を削除する「ミニファイ」処理を行うべきだ。さらに、ウェブサーバーでCSSファイルにGzipなどの圧縮を適用することで、ファイルサイズを大幅に削減し、ダウンロード時間を短縮できる。

ベンダープレフィックスの管理不足もコードの冗長化を招く。以前は、新しいCSS機能をブラウザが先行して実装する際、-webkit--moz--ms--o-といったベンダープレフィックスが必要だった。しかし、現在ではほとんどのモダンブラウザが標準プロパティをサポートしており、不要なプレフィックスを大量に残しておくと、CSSファイルが肥大化し、解析に時間がかかる原因となる。必要なプレフィックスのみを自動的に付与し、古いものは削除するツールを活用することが望ましい。

最後に、冗長なプロパティ記述もコード量を増やす要因となる。例えば、margin-top: 10px; margin-right: 20px; margin-bottom: 30px; margin-left: 40px; のように個別にプロパティを記述する代わりに、margin: 10px 20px 30px 40px; のような短縮形プロパティを使うことで、コードの行数を減らし、CSSファイルのサイズを小さくできる。これはファイルのダウンロード速度だけでなく、コードの保守性向上にもつながる。

これらのCSSの最適化は、ウェブサイトの見た目には直接関係しない細部に思えるかもしれないが、全体のパフォーマンスに与える影響は非常に大きい。ウェブサイトの表示速度を向上させることは、ユーザーの満足度を高め、検索エンジンからの評価を改善し、最終的にはウェブサイトの目的達成に貢献する。システムエンジニアを目指す者は、このような技術的な側面だけでなく、それがユーザー体験やビジネスにどう影響するかまで理解し、常に効率的でパフォーマンスの高いコードを書くことを意識することが求められる。CSSの最適化は、単なる見栄えの調整ではなく、ウェブサイトの「生存」に関わる重要なスキルだ。

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