【ITニュース解説】the 💀 cursed programming language: programming, but make it gen z

2025年09月09日に「Reddit /r/programming」が公開したITニュース「the 💀 cursed programming language: programming, but make it gen z」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Z世代が使うネットスラングや絵文字を構文に取り入れた、新しいプログラミング言語が話題。コード内で「💀」や「bro」などの言葉を使い、これまでの言語とは全く異なるユニークな発想でプログラミングの概念を表現する実験的な試みだ。(118文字)

ITニュース解説

近年、Z世代の若者が使うインターネットスラングや絵文字を構文に採用した、非常にユニークなプログラミング言語「the 💀 cursed programming language」が登場し、技術コミュニティで注目を集めている。この言語は、一見するとジョークのように見えるが、その背後にはプログラミング言語の基本的な仕組みを学ぶための重要なヒントが隠されている。システムエンジニアを目指す初心者にとっても、プログラミングの本質を理解する上で興味深い教材となるだろう。

この言語の最大の特徴は、プログラミングで一般的に使用される予約語が、Z世代のスラングに置き換えられている点にある。例えば、変数を宣言する際に多くの言語で使われるletvarというキーワードは、let him cookというフレーズになる。条件分岐を表すiffr (for real の略)、elsebruhと記述する。真偽値を表すtruefalseは、それぞれslaynahに対応している。他にも、関数を定義するfunctionbro is、ループ処理を行うwhilevibe with、そして標準出力を行うprintyeetといった具合に、日常的なチャットで使われるような言葉がそのままコードの一部となる。これにより、完成したコードはまるでSNS上の会話のような見た目になり、従来のプログラミング言語が持つ堅苦しいイメージを覆すものとなっている。

この言語は、商用のシステム開発や大規模なアプリケーション構築を目的として設計されたものではない。その主な目的は教育的な側面と、プログラミングコミュニティにおける娯楽的な試みにある。開発者は、このような型破りな構文を通じて、プログラミング言語が単なる記号の羅列ではなく、特定のルール(文法)に基づいて構成された人工的な言語であることを示している。普段、私たちが当たり前のように使っているifforといったキーワードも、結局のところ、その言語の設計者が「この単語にはこういう意味を持たせる」と決めたルールに過ぎない。そのキーワードをfrvibe withに置き換えても、言語としての構造が保たれていればプログラムは成立するということを、このプロジェクトは直感的に教えてくれる。

では、このようなスラングで書かれたコードは、どのようにしてコンピュータに理解されるのだろうか。コンピュータはlet him cookという言葉の意味を直接は理解できない。そのため、人間が書いたソースコードをコンピュータが実行できる形式に変換する「翻訳機」が必要となる。この翻訳機の役割を担うのが「インタプリタ」や「コンパイラ」と呼ばれるプログラムである。この「呪われた言語」も、Go言語という汎用プログラミング言語を使って専用のインタプリタが開発されている。このインタプリタは、まずソースコードを単語や記号といった最小単位に分解する「字句解析」を行う。次に、それらの単語の並びが文法的に正しいかをチェックし、プログラムの構造を解析する「構文解析」を実行する。例えば、let him cook x is 10という文が、変数xに数値10を代入する命令であると解釈する。そして最後に、解析された内容に基づいて、コンピュータが理解できる具体的な処理を一つずつ実行していく。この一連の流れは、PythonやJavaScript、Rubyといった他の多くのインタプリタ言語と基本的に同じである。この言語のコードを書き、動かしてみることは、プログラミング言語が内部でどのように動作しているのかという、普段は意識しにくい抽象的な概念を具体的に体験する良い機会となる。

システムエンジニアを目指す初心者にとって、このプロジェクトから学べる点は多い。第一に、プログラミングの普遍的な基本概念の重要性である。言語の見た目がいかに奇抜であっても、変数、データ型、演算子、条件分岐、ループ、関数といったプログラムを構成する基本的な要素は変わらない。この言語を通じて、これらの概念がいかに重要であるかを再認識できるだろう。第二に、自分が使っているツールの内部構造への興味を深めるきっかけになることだ。優れたエンジニアは、単に言語を使うだけでなく、その言語がなぜそのように動作するのかという仕組みまで理解しようと努める。このプロジェクトは、コンパイラやインタプリタといった言語処理系の世界への第一歩となり得る。最後に、プログラミングの楽しさと創造性を再発見できる点も大きい。プログラミングは必ずしも厳格で難しいものである必要はなく、アイデア次第でこのような遊び心のあるプロジェクトを生み出すことも可能である。こうした探求心や遊び心は、技術的な課題解決における発想の源泉ともなり得る。総じて、「the 💀 cursed programming language」は、単なる奇妙な言語ではなく、プログラミングの基礎と、その先にあるコンピュータサイエンスの深い世界への興味をかき立てる、価値ある教育的プロジェクトと言えるだろう。