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【ITニュース解説】Docker Series: Episode 23 — Docker Swarm Advanced: Services, Secrets & Configs 🔐

2025年09月14日に「Dev.to」が公開したITニュース「Docker Series: Episode 23 — Docker Swarm Advanced: Services, Secrets & Configs 🔐」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Docker Swarmの高度な利用法を解説。サービスのスケーリングや無停止更新、パスワードなどの機密情報を安全に扱うSecrets、設定ファイルを管理するConfigsの使い方を具体例で解説。本番環境での安定運用に役立つ知識が学べる。

ITニュース解説

Docker Swarmは、複数のDockerコンテナを複数のサーバー(ノード)にわたって効率的にデプロイし、管理するための強力なオーケストレーションツールである。単一のサーバーで個々のコンテナを動かす環境とは異なり、Swarmを使うことで、アプリケーションの信頼性、可用性、そして拡張性を大幅に向上させることができる。今回の解説では、Docker Swarmをより本格的なプロダクション環境で活用するために不可欠な「サービス」「シークレット」「コンフィグ」という三つの高度な機能について深く掘り下げていく。

まず、「サービス」について説明する。Swarmにおけるサービスとは、同じ設定を持つ複数のコンテナをひとつの論理的な単位として管理する仕組みである。例えば、ウェブアプリケーションを動かすNginxコンテナを複数用意し、それらをまとめて「ウェブサービス」として定義する。このサービスを使うと、単に「このアプリケーションを動かす」と宣言するだけで、Swarmが最終的に「こうなってほしい」という状態を自動的に維持しようと試みる。これは「宣言的な管理」と呼ばれ、開発者が具体的な実行手順を指示するのではなく、目的とする状態を定義するだけで良いため、運用が非常にシンプルになる。サービスを定義する際には、いくつかの重要な設定を指定できる。

一つ目は「スケーリング」だ。これは--replicasというオプションで実現され、ウェブサービスのコンテナを3つ動かす、といった具体的な数を指定できる。これにより、アプリケーションへのアクセスが増加しても、複数のコンテナで処理を分散し、システム全体の応答性を維持できる。もし特定のコンテナに問題が発生して停止しても、Swarmが自動的に新しいコンテナを起動し直し、常に指定された数のコンテナが稼働し続けるようにする。

二つ目は「配置制約」である。これは--constraintオプションを使って、特定の条件を満たすサーバー(ノード)でのみコンテナを動かすように指定できる機能だ。例えば、docker service create --name webapp --replicas 3 --constraint 'node.role==worker' nginxというコマンドでは、「webapp」という名前のウェブサービスを3つのコンテナで起動し、かつそのコンテナは「ワーカー」という役割を持つノード上でのみ実行されるように指定している。これにより、データベースなどのリソースを多く消費するアプリケーションを専用の高性能ノードに配置したり、管理用のツールを特定の管理ノードに限定したりといった、より高度なインフラ構成を柔軟に実現できる。

三つ目は「アップデート戦略」だ。アプリケーションの新しいバージョンをリリースする際、通常は一時的にサービスを停止する必要があるが、Swarmのローリングアップデート機能を使えば、ダウンタイムなしで更新が可能になる。これは、新しいバージョンのコンテナを少しずつ起動し、準備ができたものから古いバージョンのコンテナと入れ替えていく方法である。例えば、docker service update --image nginx:latest webappというコマンドを実行すると、「webapp」サービスで使用しているNginxのイメージを最新版に更新できる。この際、--update-parallelismで一度に更新するコンテナの数を、--update-delayで次の更新までの待機時間を指定することで、更新プロセスを細かく制御し、予期せぬ問題が発生した場合のリスクを最小限に抑えることができる。

次に、「Docker Secrets(シークレット)」について解説する。プロダクション環境でアプリケーションを運用する際には、データベースのパスワードやAPIキーなど、絶対に外部に漏れてはならない機密情報を安全に扱うことが極めて重要である。これらの情報をソースコードに直接書き込んだり、環境変数として設定したりすると、意図せず漏洩するリスクが高まる。Docker Swarmのシークレット機能は、このような機密データを暗号化してSwarmクラスター内に安全に保存し、必要なサービスにのみ安全に提供するための仕組みだ。

シークレットを作成するには、まず機密情報を含むファイルを用意し、docker secret create db_password ./db_password.txt のようにコマンドを実行する。これで、db_passwordという名前のシークレットがSwarmに登録される。このシークレットをサービスにアタッチするには、docker service create --name db --secret db_password postgres:latest のように--secretオプションを使って指定する。サービスが起動すると、コンテナ内部の/run/secrets/db_passwordというパスに、そのシークレットの内容がファイルとして自動的にマウントされる。アプリケーションは、このファイルから安全にパスワードを読み込むことができる。これにより、機密情報を安全に管理し、セキュリティを大幅に強化できる。

最後に、「Docker Configs(コンフィグ)」について説明する。シークレットが機密情報を扱うのに対し、コンフィグはNginxの設定ファイルやアプリケーションのログ設定など、機密ではないがアプリケーションの動作に必要な設定ファイルを安全かつ一元的に管理するための機能である。これらの設定ファイルも、アプリケーションの動作に不可欠であり、適切に管理することが重要だ。

コンフィグを作成するには、設定ファイルを用意し、docker config create nginx_conf ./nginx.conf のようにコマンドを実行する。これで、nginx_confという名前のコンフィグがSwarmに登録される。このコンフィグをサービスにアタッチするには、docker service create --name web --config source=nginx_conf,target=/etc/nginx/nginx.conf nginx のように--configオプションを使う。sourceでSwarmに登録したコンフィグ名を、targetでコンテナ内部にマウントしたいパスを指定する。これにより、Nginxの設定ファイルがコンテナの/etc/nginx/nginx.confに自動的に配置され、アプリケーションはその設定に基づいて動作する。複数のサービスで共通の設定ファイルを使いたい場合や、設定ファイルを更新する際に、個々のコンテナを手動で変更する手間を省き、効率的に管理できる。

これらの機能を効果的に活用するためには、いくつかのベストプラクティスがある。まず、機密情報には必ずシークレットを使い、それ以外の一般的な設定ファイルにはコンフィグを使うという明確な使い分けを徹底することが重要である。これにより、セキュリティと運用の両面でメリットが得られる。また、サービスをスケーリングする際には、各ノードのCPUやメモリなどのリソースが十分であるかを確認し、過剰な負荷がかからないように注意する必要がある。そして、Swarmクラスター全体の健全性や、サービスが意図通りに動作しているか、アップデートが正常に完了したかなどを常に監視することも欠かせない。

Docker Swarmのサービス、シークレット、コンフィグといった機能は、単にコンテナを動かすだけでなく、それらを安全に、そして効率的に運用するための基盤を提供する。これらを理解し使いこなすことで、システムエンジニアとして、より堅牢で信頼性の高いアプリケーションインフラを構築する能力を身につけることができるだろう。これらの機能は、まさにプロダクション環境でアプリケーションを安定稼働させるために不可欠な要素と言える。

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