【ITニュース解説】🚀 Day 9 of My DevOps Journey: Dockerfiles & Image Building

2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「🚀 Day 9 of My DevOps Journey: Dockerfiles & Image Building」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

Dockerfileは、アプリをコンテナ化するための手順を記述した設定ファイル。ソースコードから軽量で持ち運び可能なDockerイメージを自動作成でき、環境による差異をなくす。DevOpsにおける必須スキルの一つだ。

ITニュース解説

現代のシステム開発において、アプリケーションを迅速かつ安定的に提供するためには「コンテナ」という技術が不可欠である。コンテナは、アプリケーションをその実行に必要なライブラリや設定ファイルごとひとまとめにし、どんな環境でも同じように動作させることを可能にする技術であり、その代表的なツールが「Docker」だ。そして、このDockerコンテナを自動で、かつ再現性高く作成するための設計書となるのが「Dockerfile」である。

Dockerfileは、アプリケーションを実行するための環境構築の手順をコードとして記述したテキストファイルだ。従来、サーバーの環境構築は手作業で行われることが多く、手順の抜け漏れや担当者による差異が生じ、「開発者のPCでは動くのに、本番サーバーでは動かない」といった問題が頻発していた。Dockerfileは、OSの選定から必要なソフトウェアのインストール、ソースコードの配置、アプリケーションの起動方法まで、全ての工程を命令として記述する。これにより、誰が、いつ、どこで実行しても全く同じ環境を自動で構築できるようになる。この「再現性」と「一貫性」の確保は、開発からテスト、本番運用までの一連のプロセスを効率化するDevOpsの考え方において極めて重要である。

Dockerfileは、いくつかの基本的な命令を上から順に記述して構成される。まず「FROM」命令で、コンテナの土台となるベースイメージを指定する。これは、特定のOSやプログラミング言語の実行環境がプリインストールされた雛形のようなもので、例えば「FROM node:18-alpine」と記述すれば、軽量なLinuxディストリビューションであるAlpine LinuxにNode.jsのバージョン18がインストールされた環境から構築を開始できる。次に「WORKDIR」命令で、コンテナ内での作業ディレクトリを指定する。これ以降の命令は、ここで指定されたディレクトリを基準として実行されるため、ファイル構成を整理する上で役立つ。

アプリケーションのソースコードをコンテナ内に配置するには「COPY」命令を使用する。開発者のコンピュータ上にあるファイルやディレクトリを、コンテナ内の指定した場所へコピーする役割を担う。そして、環境構築に必要なコマンドを実行するのが「RUN」命令である。例えば、Node.jsアプリケーションであれば「RUN npm install」のように記述し、プログラムが依存するライブラリをインストールする。アプリケーションが外部からの通信を受け付ける必要がある場合は、「EXPOSE」命令でポート番号を指定する。最後に「CMD」または「ENTRYPOINT」命令で、コンテナが起動したときに実行されるメインのコマンド、つまりアプリケーションの起動コマンドを定義する。

このようにして作成されたDockerfileを元に、実際にアプリケーションがパッケージ化されたものを「Dockerイメージ」と呼ぶ。DockerfileからDockerイメージを生成する工程を「ビルド」と言い、「docker build」コマンドで実行する。ビルドが完了すると、アプリケーション本体とそれが動作するために必要な全ての環境が一つになった、持ち運び可能なイメージが完成する。このイメージさえあれば、Dockerがインストールされているどのコンピュータ上でも同じコンテナを起動できる。コンテナの起動には「docker run」コマンドを使用する。この際、「-p」オプションでホストコンピュータのポートとコンテナのポートを接続することで、外部からコンテナ内のアプリケーションにアクセスすることが可能になる。

DockerfileとDockerイメージの活用は、特にDevOpsの実践において大きな価値を持つ。複数の小さなサービスが連携して動作するマイクロサービスアーキテクチャでは、各サービスを個別のコンテナとして開発・管理することで、独立性を保ちながら迅速なデプロイが可能となる。また、ソースコードの変更をトリガーに、ビルド、テスト、デプロイを自動的に行うCI/CDパイプラインにDockerfileを組み込むことで、ヒューマンエラーを排除し、リリースプロセス全体を高速化・安定化させることができる。

効率的なDockerfileを作成するためには、いくつかのベストプラクティスが存在する。第一に、Dockerイメージのサイズを可能な限り小さく保つことだ。ベースイメージに「alpine」のような軽量なものを選択することで、ストレージ容量の節約やネットワーク転送時間の短縮に繋がる。第二に、「.dockerignore」ファイルを使用して、ビルドに不要なファイル(ログファイルや一時ファイルなど)をイメージに含めないようにすること。第三に、「RUN」命令を複数行に分けるのではなく、「&&」で連結して一つにまとめることだ。これによりイメージの内部構造が効率化される。最後に、作成したイメージには「myapp:v1.0.0」のようにバージョン情報を含んだ適切なタグを付け、どのバージョンのアプリケーションなのかを明確に管理することが推奨される。

結論として、Dockerfileはアプリケーションの実行環境をコードとして管理し、その構築プロセスを自動化・標準化するための強力な基盤技術である。このスキルを習得することは、再現性の高いシステムを効率的に開発・運用するための第一歩であり、システムエンジニアやDevOpsエンジニアを目指す者にとって必須の知識と言えるだろう。