Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

【ITニュース解説】プログラミング知識不要、5分でAIアプリ作れる新サービス--月額980円から KDDI傘下のELYZA

2025年09月12日に「CNET Japan」が公開したITニュース「プログラミング知識不要、5分でAIアプリ作れる新サービス--月額980円から KDDI傘下のELYZA」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

KDDI傘下のELYZAが、プログラミング不要でAIが業務アプリを自動設計する法人向けサービス「ELYZA Works」をリリースした。従業員が自然言語で要望を入力するだけで、わずか5分でアプリを作成でき、金融・政府レベルのセキュリティも備える。

ITニュース解説

KDDIグループのELYZAが発表した「ELYZA Works」は、企業が業務効率化のために人工知能(AI)を活用する画期的なサービスだ。このサービス最大の特長は、プログラミングの知識が一切なくても、わずか5分でAIを活用した業務アプリケーション(アプリ)を作成できる点にある。システムエンジニアを目指す人にとって、これまでのアプリ開発の常識を大きく覆す可能性を秘めたニュースだと言える。

従来のアプリ開発は、プログラミング言語を習得し、要件定義から設計、実装、テストと複雑な工程を経て初めて実現するものだった。専門的な知識と多くの時間、そして人員が必要とされ、特に社内の細かな業務課題に対応するような小規模なアプリ開発においては、その手間とコストが見合わないと判断されることも少なくなかった。しかし、「ELYZA Works」は、そうした課題を根本から解決することを目指している。

このサービスでは、現場で働く従業員が、パソコンやスマートフォンの画面上で「こんな機能が欲しい」「こんな問題を解決したい」といった要望を、普段使っている自然な言葉(日本語など)で入力するだけでよい。すると、サービスに組み込まれたAIが、その入力された内容を理解し、自動的に最適な業務アプリの設計を行い、実際に動作するアプリを生成してしまう。これは、まるでAIが優秀なプログラマのように、人間の言葉を聞いて自動でコードを書き、形にしてくれるようなものだ。例えば、「顧客からの問い合わせ内容を自動で分類し、担当者に割り振るアプリが欲しい」と入力すれば、AIがその機能を備えたアプリを設計し、作り上げてくれる可能性がある。これにより、専門的なIT人材がいなくても、現場のニーズに即したツールを迅速に手に入れることが可能になるのだ。

「5分でアプリが作れる」というスピード感も驚異的だ。従来の開発プロセスを考えれば、アプリの企画からリリースまで数ヶ月から年単位かかることも珍しくない。それが数分で実現できるということは、企業が直面する様々な課題に対し、迅速かつ柔軟に対応できることを意味する。例えば、新しい業務フローができた際や、既存の業務でボトルネックが見つかった際に、即座にそれを解消するアプリを現場主導で作り、試行錯誤できる。これは、企業の競争力を高める上で非常に大きなメリットをもたらすだろう。

また、法人向けサービスであるため、セキュリティ面も非常に重視されている。ニュース記事では「金融大手や政府機密情報レベルのセキュリティに対応」と述べられているが、これは企業がサービスを利用する上で最も懸念する点の一つだ。企業は顧客情報や社内の機密情報など、外部に漏れてはならない重要なデータを日々扱っている。特にAIが業務アプリを設計する過程でそうした情報に触れる可能性があるため、そのデータの保護は最優先されるべき事項だ。金融機関や政府機関が求める最高レベルのセキュリティ基準を満たしているということは、企業が安心してこのサービスを利用できるという、強い信頼の証となる。個人情報の漏洩やサイバー攻撃のリスクを最小限に抑え、企業の重要な資産を守るための対策が徹底されていることを示唆している。

システムエンジニアを目指す初心者にとっては、このような「プログラミング知識不要」のツールが登場することで、自分の将来性について不安を感じるかもしれない。しかし、むしろこれは新たなスキルや役割が求められる時代への適応のチャンスと捉えるべきだ。プログラミングの「書き方」そのものが簡略化されても、本当にビジネス課題を解決できるアプリを作るためには、依然として「どのようなアプリが必要か」「アプリが解決すべき課題は何か」といった本質的な思考が不可欠だ。システムの全体像を設計する能力、ユーザーの真のニーズを理解し、それをAIに適切に伝える能力、そしてAIが生成したアプリが期待通りに動作するかを検証し、改善する能力は、これからもシステムエンジニアが持つべき重要なスキルであり続ける。むしろ、細かいコーディング作業から解放されることで、より上位のビジネス課題解決やシステムアーキテクチャ設計といった、より付加価値の高い業務に集中できるようになる可能性もある。

「ELYZA Works」のようなサービスは、ローコード/ノーコード開発と呼ばれるトレンドの一環だ。これは、プログラミングをほとんど、あるいは全く記述せずにソフトウェアを開発する手法を指す。このようなツールが普及することで、IT部門とビジネス部門の連携がより密になり、ビジネスのスピード感に合わせたIT活用が加速するだろう。システムエンジニアは、単にコードを書くだけでなく、ビジネスとITの橋渡し役として、このような新しいツールをいかに効果的に活用し、企業全体の生産性向上に貢献できるかを考える力が求められるようになる。

月額980円からという手頃な価格設定も、多くの企業にとって導入のハードルを大きく下げる要因となる。大企業だけでなく、中小企業も気軽にAIを活用したアプリ開発に挑戦できるため、より広範なビジネス領域でのAI活用が期待される。

総じて、「ELYZA Works」は、AIとローコード/ノーコード開発の進化が、いかにアプリ開発の世界を変革し、ビジネス現場に直接的な価値をもたらすかを示す好例だ。システムエンジニアを目指す人々は、このような技術動向に常に注目し、自身のスキルセットをアップデートしていくことが、今後のキャリアを築く上で極めて重要となるだろう。AIが自動化できる領域が増える一方で、人間の思考力、問題解決能力、そして技術とビジネスを結びつける能力の価値は、むしろ高まっていくのである。

関連コンテンツ