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【ITニュース解説】What Is The “C” Of Functional Programming? The Brutally Honest Answer

2025年09月17日に「Medium」が公開したITニュース「What Is The “C” Of Functional Programming? The Brutally Honest Answer」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

関数型プログラミングに、C言語のように低レベルで高速な言語は存在するのか。この記事では、関数型言語の抽象化とC言語のハードウェアへの直接性の違いを踏まえ、この疑問に対する率直な見解を探る。

ITニュース解説

「関数型プログラミングにおけるC言語のような存在はあるか」という問いは、プログラミングパラダイムの深い理解を促すものだ。この問いに答えるためには、まずC言語の特性と関数型プログラミングの基本概念を把握する必要がある。

C言語は、コンピュータのハードウェアに近い部分を直接制御できるプログラミング言語だ。メモリ管理をプログラマ自身が行うことが可能であり、特定のメモリ位置を指し示す「ポインタ」という強力な機能を持つ。この特性により、C言語で書かれたプログラムは非常に効率的に動作し、高速な実行性能を発揮する。オペレーティングシステム(OS)の開発や、ハードウェアを直接制御する組み込みシステム、あるいはゲームエンジンのような高いパフォーマンスが求められるアプリケーションの開発でC言語が広く用いられるのは、その「薄く、ハードウェアに近く、高速」という性質による。C言語は、プログラマがコンピュータのリソースを最大限に活用できるよう設計されている。

一方、関数型プログラミングは、C言語とは異なる思想に基づいて設計されている。関数型プログラミングの核となるのは、「副作用のない純粋な関数」を用いてプログラムを構築する、という考え方だ。ここでいう「副作用」とは、関数が実行されることによって、関数の外部にある状態が変化したり、関数が外部からの影響を受けたりすることを指す。例えば、グローバル変数の値を変更したり、ファイルにデータを書き込んだり、画面に何かを表示したりする操作は副作用にあたる。関数型プログラミングでは、これらの副作用を極力排除し、同じ入力が与えられれば常に同じ結果を返す「参照透過性」を持つ関数を重視する。

このアプローチの最大の利点は、プログラムの動作が予測しやすくなり、バグが発生しにくくなることだ。状態の変化を最小限に抑えることで、コードの可読性が向上し、テストやデバッグが容易になる。また、各関数が独立して動作するため、複数の処理を同時に実行する並行処理や並列処理との相性が非常に良い。Haskell、Scheme(Lispの一種)、OCaml、F#などが代表的な関数型プログラミング言語として知られている。

では、なぜ「関数型プログラミングにおけるC言語のような存在」は明確には存在しないのか。それは、C言語と関数型プログラミングが、それぞれ異なる目的と哲学を持って発展してきたからだ。

C言語は、ハードウェアの性能を最大限に引き出し、システムの基盤を効率的に制御することを目指す。このため、プログラマはメモリの配置やCPUの命令レベルに近い部分まで意識してコードを書くことが多い。

これに対し、関数型プログラミングは、より高いレベルでの抽象化、すなわち複雑な問題を、よりシンプルで理解しやすい関数の組み合わせとして表現することを目指す。状態の変更を避けることで、プログラムの論理的な構造を明確にし、数学的な証明が可能なレベルでプログラムの正しさを保証しようとする。この目的を達成するため、多くの関数型言語は、メモリ管理を自動で行うガベージコレクションのようなランタイムシステムに依存し、プログラマが低レベルな詳細に煩わされずに、問題解決のロジックに集中できるよう設計されている。C言語のようにハードウェアに直接アクセスするような機能は、通常、提供されないか、ごく限定的な形で提供されるに留まる。

もちろん、一部の関数型言語は、パフォーマンスの最適化や既存のC言語ライブラリとの連携を考慮している。例えば、OCamlは高速なネイティブコードを生成することで知られており、C言語の関数を呼び出すための機構も持つ。Haskellも、C言語で書かれたコードを呼び出すための「外部関数インターフェース(FFI)」を提供している。しかし、これらの機能は、あくまで言語の「一部の側面」であり、言語全体の設計思想がC言語のように「薄く、ハードウェアに近い」ことを主眼としているわけではない。それらは高レベルな抽象化という関数型プログラミングの核心を保ちつつ、必要に応じて低レベルな世界と橋渡しをするための機能だ。

また、Rustのような言語は、C言語やC++の代替としてシステムプログラミングの分野で注目を集めている。Rustはメモリ安全性をコンパイル時に保証しながら、C言語のような高いパフォーマンスと低レベルな制御を提供する。イテレータやクロージャといった関数型プログラミングの要素も取り入れているが、その本質はC言語が持つ低レベル制御と効率性にある。しかし、Rustは純粋な関数型言語ではない。

結論として、「関数型プログラミングのC言語」というものは、その問い自体が、異なる設計思想を持つプログラミングパラダイムを直接的に比較しようとすることから生じる。関数型プログラミングは、C言語が解決しようとする問題とは異なる種類の問題を、異なるアプローチで解決するために発展してきた。それぞれのプログラミングパラダイムが持つ独自の強みと目的を理解することが、システムエンジニアとして多様なシステムを構築する上で非常に重要となる。関数型プログラミングは、複雑性の管理、並行処理の容易さ、コードの信頼性といった面で大きな価値を提供する。低レベルな効率性を追求するC言語とは対照的だが、現代のソフトウェア開発においては、どちらのパラダイムもそれぞれの領域で不可欠な役割を担っている。

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