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【ITニュース解説】The Secret Life of git init: Inside the .git Folder

2025年09月09日に「Dev.to」が公開したITニュース「The Secret Life of git init: Inside the .git Folder」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

`git init`コマンドは、プロジェクト内に`.git`フォルダを作成する。このフォルダはGitのデータベースとして機能し、コードの変更履歴やバージョン情報をすべて保存する。バージョン管理を行うための基盤を準備する重要なステップである。(111文字)

ITニュース解説

Gitを使い始めるとき、最初に実行するコマンドの一つが git init である。このコマンドはGitリポジトリを初期化するために使われるが、その内部では具体的に何が行われているのだろうか。git init の本質を理解することは、Gitの仕組みを深く知るための第一歩となる。このコマンドは、単にバージョン管理を開始する合図というだけではなく、Gitがプロジェクトの全履歴を記録し、管理するための基盤を構築する重要なプロセスである。

git init コマンドを実行すると、プロジェクトのルートディレクトリに .git という名前の隠しフォルダが作成される。この .git フォルダこそが、Gitの心臓部であり、バージョン管理システムの本体と言える。Gitはこのフォルダを一種のデータベースとして利用し、プロジェクトに加えられた全ての変更履歴、ブランチの情報、タグ、設定などを格納する。もしこの .git フォルダを削除してしまうと、そのプロジェクトのGitによるバージョン管理の履歴は全て失われてしまう。つまり、git commitgit branch といった日常的に使用する全てのGitコマンドは、この .git フォルダ内の情報を読み書きすることで機能しているのである。

.git フォルダの中には、Gitが機能するために必要な様々なファイルやディレクトリが自動的に生成される。その中でも特に重要なものがいくつかある。例えば、objects ディレクトリは、Gitが管理する全てのデータの実体が格納される場所である。refs ディレクトリには、ブランチやタグといった特定のコミットを指し示す参照情報が保存される。HEAD というファイルは、現在作業中のブランチがどれであるかを示すポインタの役割を果たす。config ファイルには、そのリポジトリ固有の設定情報が記述される。そして index ファイルは、次のコミットに含める変更を一時的に記録しておく「ステージングエリア」の実体である。これらの要素が連携することで、Gitの強力なバージョン管理が実現されている。

Gitのデータ管理方法で最も特徴的なのは、objects ディレクトリにおけるデータの保存方法である。Gitはファイル名ではなく、ファイルの中身、つまりコンテンツそのものを管理の基本単位としている。ファイルを保存する際、Gitはまずそのファイルの内容全体から「SHA-1」と呼ばれるハッシュアルゴリズムを用いて、40文字の16進数からなる一意のハッシュ値を生成する。このハッシュ値が、そのコンテンツのIDとなる。たとえファイル名が異なっていても、内容が全く同じであれば生成されるハッシュ値は同じになる。逆に、内容が1文字でも違えば、全く異なるハッシュ値が生成される。Gitはこのハッシュ値を使って、コンテンツデータを「ブロブ(blob)」という種類のオブジェクトとして objects フォルダ内に保存する。ファイル名やディレクトリ構造といった情報は、「ツリー(tree)」オブジェクトとして別途保存され、誰が、いつ、どのような変更を行ったかというコミット情報は「コミット(commit)」オブジェクトとして保存される。これら全てのオブジェクトがハッシュ値によって相互に関連付けられ、プロジェクトの完全な履歴を形成する。

Gitが内部でコンテンツをどのように扱っているかは、git hash-object というコマンドで擬似的に体験することができる。ターミナルで echo "Hello Git" | git hash-object --stdin というコマンドを実行してみよう。これは、「Hello Git」という文字列を標準入力(--stdin)として git hash-object コマンドに渡し、その内容に対応するSHA-1ハッシュ値を計算させるものである。この時点では、ハッシュ値が表示されるだけで、Gitのデータベースにはまだ何も保存されていない。これは、Gitがもしこの内容を保存する場合に、どのようなID(ハッシュ値)を割り当てるかを示しているに過ぎない。次に、このデータを実際にGitのデータベースに書き込んでみる。そのためには -w(write)オプションを追加して echo "Hello Git" | git hash-object --stdin -w と実行する。コマンドの実行結果として表示されるハッシュ値は先ほどと同じだが、今度はそのハッシュ値に対応するオブジェクトが .git/objects ディレクトリ内に実際に作成される。具体的には、ハッシュ値の最初の2文字がディレクトリ名となり、残りの38文字がファイル名としてオブジェクトが保存される。このファイルは単なるテキストファイルではなく、Git独自の形式で圧縮されたデータであり、中身を直接見ることは難しい。この一連の流れが、Gitがファイルの内容をオブジェクトとしてデータベースに保存する際の基本的なプロセスである。

このように、git init コマンドは単に「Gitリポジトリを開始する」という表面的な意味だけではない。それは、Gitがプロジェクトの全ての変更履歴、ファイルの内容、ディレクトリ構造をオブジェクトとして保存し、追跡するための専用データベース、すなわち .git フォルダを設置する、という根本的な役割を担っている。この基盤がなければ、Gitはその後のいかなるバージョン管理操作も行うことができない。git init を実行することは、これから始まる全てのバージョン管理という魔法の土台を築くための、不可欠な第一歩なのである。

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