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【ITニュース解説】Goに入門して、ついでにクリーンアーキテクチャに入門した ーその3

2025年09月09日に「Qiita」が公開したITニュース「Goに入門して、ついでにクリーンアーキテクチャに入門した ーその3」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

Go言語とクリーンアーキテクチャでTODOアプリを実装する解説記事。Dockerで開発環境を構築し、PostgreSQLにデータを保存する処理を実装する手順を解説。依存関係を整理し、保守性の高いデータベース連携を学ぶことができる。(117文字)

ITニュース解説

Webアプリケーションを開発する上で、ユーザーが入力したデータや処理結果を保存する仕組みは不可欠である。簡単なアプリケーションでは、プログラムが動いている間だけデータをメモリ上に保持することもあるが、より実践的なシステムでは、プログラムを終了してもデータが消えないように、データベースと呼ばれる専用のソフトウェアにデータを永続的に保存する必要がある。この記事では、プログラミング言語Goと「クリーンアーキテクチャ」という設計手法を用いて、簡単なTODOアプリケーションのデータを、本格的なデータベースであるPostgreSQLに保存する方法を具体的に解説している。さらに、開発環境の準備を効率化し、誰でも同じ環境で開発できるようにするための「Docker」という技術の活用方法も示されている。

まず、現代のソフトウェア開発において、開発環境の構築は重要な課題である。複数の開発者が関わるプロジェクトでは、各々のパソコンのOSやインストールされているソフトウェアのバージョンが違うことで、「ある人の環境では動くのに、別の人の環境ではエラーが出る」といった問題が頻繁に発生する。この記事で紹介されているDockerは、こうした問題を解決するための技術である。Dockerは、アプリケーションの実行に必要なプログラム本体、ライブラリ、設定ファイルなどをすべて「コンテナ」と呼ばれる隔離された仮想的な箱にパッケージ化する。これにより、開発者は自分のパソコンに直接PostgreSQLなどをインストールする必要がなく、Dockerコンテナを起動するだけで、アプリケーションとデータベースを含んだ開発環境一式を即座に用意できる。記事で用いられているdocker-composeというツールを使えば、複数のコンテナ(今回はGoアプリケーション用とPostgreSQL用)の構成を一つの設定ファイルに記述し、コマンド一つで同時に起動・停止させることが可能になる。これは、開発の準備段階の手間を大幅に削減し、チームメンバー全員が全く同じクリーンな環境で作業できることを保証する、極めて強力な手法である。

次に、この記事の核心であるクリーンアーキテクチャの原則に従ったデータベースの実装について解説する。クリーンアーキテクチャは、ソフトウェアを長期的に保守しやすく、変更に強い構造にするための設計思想である。その最も重要なルールは「依存性のルール」であり、ソフトウェアの関心を複数の層に分け、依存の方向を必ず外側(具体的な技術)から内側(抽象的なビジネスルール)への一方向に制限することにある。このルールにおいて、PostgreSQLのような特定のデータベース製品は、アプリケーションの「外部の詳細」であり、最も外側の層(Infrastructure層)に位置づけられる。一方、アプリケーションの中心には、ビジネスの本質的なルールを記述したUse Case層やEntity層が存在する。クリーンアーキテクチャの目的は、この中心部を外部の詳細から保護することにある。これにより、将来データベースをPostgreSQLからMySQLや他の製品に変更したくなった場合でも、アプリケーションの中心的なビジネスロジックには一切手を加えることなく、外側の層の実装を交換するだけで対応できるようになる。

この依存関係を制御するために、「依存関係逆転の原則」と「リポジトリパターン」という手法が用いられる。通常、ビジネスロジックがデータを保存する場合、ビジネスロジックのコードがデータベースを操作するコードを直接呼び出す形になる。しかし、これではビジネスロジックが特定のデータベース技術に依存してしまう。そこで、まず中心部のUse Case層で、「データを保存する」「IDでデータを検索する」といった、データ永続化に求める操作を定義した「インターフェース(仕様書)」を宣言する。そして、外側のInfrastructure層で、PostgreSQLと通信して、そのインターフェースに定義された操作を具体的に実現する「実装クラス」を作成する。このようにすることで、Use Case層は具体的なPostgreSQLの実装クラスの存在を知ることなく、自身が定義した抽象的なインターフェースにのみ依存する形となる。依存の方向が逆転し、具体的な技術が抽象的なルールに従う構造が実現される。

記事のコードでは、この設計がGo言語で具体的に示されている。Use Case層でTaskRepositoryというインターフェースが定義され、Infrastructure層でPostgreSQLにSQLクエリを発行してデータを操作するtaskRepository構造体がこのインターフェースを実装する。そして、アプリケーションの起動時に、この二つを結びつける処理(依存性の注入)が行われる。これにより、Use Caseがインターフェースのメソッドを呼び出すと、裏側では自動的にPostgreSQLを操作するコードが実行される仕組みが構築される。この構造によって、データベースという具体的な技術がビジネスロジックから綺麗に切り離され、テストのしやすさや将来の技術変更への柔軟性が格段に向上する。この記事は、Dockerによる現代的な開発環境の構築から、クリーンアーキテクチャに基づいた拡張性の高いデータベース連携の実装まで、システムエンジニアを目指す者にとって非常に価値のある実践的な知識を提供している。

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