【ITニュース解説】Building Hayao AI: How We Created a Next-Gen AI Photo Editor
2025年10月01日に「Dev.to」が公開したITニュース「Building Hayao AI: How We Created a Next-Gen AI Photo Editor」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Hayao AIは、テキスト指示で画像を編集・生成できる次世代AIフォトエディターだ。Next.jsやFastAPIなどの技術を使い、複数のAIモデルを組み合わせて複雑な要求に応える。一貫したキャラ生成やリアルタイム処理、コスト効率など開発課題を解決し、クリエイターのAI活用を支援する。
ITニュース解説
Hayao AIは、ユーザーがテキストで指示するだけで写真を編集、生成、変換できる次世代のAIフォトエディターだ。これまでの画像編集ツールがフィルターやスライダーの操作に留まっていたのに対し、Hayao AIは「背景を削除してサイバーパンクな街を追加してほしい」といった、日常の言葉でイメージを伝えるだけで、AIがその要望に応じた画像を生成する。すでに世界中の1,000人以上のクリエイターによって12万枚以上の写真がこのプラットフォームで編集されている。
このシンプルな見た目の裏側には、複数の高度な技術が組み合わさって動いている。まず、ユーザーが操作する画面、つまり「フロントエンド」はNext.jsという技術を使って作られており、ページを素早く表示したり、検索エンジンに情報を伝えやすくしたりする工夫がされている。見た目を整えるデザインはTailwindCSSという技術で効率的に構築されている。ユーザーは画像をドラッグ&ドロップでアップロードしたり、テキストの指示をリアルタイムで編集したりと、直感的に操作できる設計になっている。
次に、このサービス全体の土台となる「バックエンド」は、Vercelというサービスの上で動くサーバーレス機能と、FastAPIという技術で作られた小さなプログラムの集合体で構成されている。サーバーレスとは、必要な時にだけプログラムが動き、サーバーの管理を意識せずに済む仕組みのことだ。FastAPIは、ウェブサービス間で情報をやり取りするためのAPI(Application Programming Interface)を効率的に構築するために使われている。AIによる画像生成は非常に時間がかかる処理なので、ユーザーを待たせないために、Redisという技術を使って、AIに画像を生成させる指示を「ジョブキュー」と呼ばれる順番待ちのリストに入れて管理している。また、一度AIが生成した画像を一時的に保存する「キャッシュ」としてもRedisを利用し、同じ指示が来た場合にすぐに結果を返せるようにして、処理を高速化している。
Hayao AIの心臓部ともいえる「AIモデル」には、さまざまな特徴を持つ複数のAIが組み合わされている。例えば、Google Nano Bananaはキャラクターの顔や表情の一貫性を保つのが得意で、物語性のあるキャラクターデザインに適している。Seedream 4.0は複数の画像を高速で一貫性のあるスタイルで生成するのに役立つ。GPT-4o Visionは写真のようにリアルな画像を生成する能力を持つ。Flux Kontextは高度な文字の表現や、画像内の文脈に合わせた編集に優れている。そして、Qwen Imageは複雑なテキストの描画や、独創的な画像生成に強みを発揮する。このように、Hayao AIは一つのAIモデルに頼るのではなく、ユーザーの要望や目的に合わせて最適なAIモデルを使い分けることで、多様な表現を可能にしている。
作成された高解像度の画像をユーザーに効率よく届けるためには、「ストレージとデリバリー」の仕組みも重要だ。Cloudflare R2というストレージサービスに画像を保存し、Cloudflare CDN(Contents Delivery Network)を使って、世界中のどこからでも画像を素早く表示できるようにしている。また、サービス利用の支払いには、Stripeという決済サービスが導入されており、クレジットベースの課金やサブスクリプションに対応している。
Hayao AIの開発者たちは、このサービスを構築する上でいくつかの大きな課題に直面し、それを解決してきた。一つ目は、「キャラクターの一貫性生成」だ。ユーザーからは、異なるポーズやスタイルでも同じキャラクターの顔を保ちたいという強い要望があった。これに対して開発チームは、AIモデルの学習をより細かく調整する「ファインチューニング」や、「エンベディング」という技術を組み込むことで、特に複数のシーンで同じキャラクターを登場させる際に、顔の同一性を維持できるようにした。
二つ目は、「重いモデルでのリアルタイムなユーザー体験(UX)」だ。AIによる画像生成には30秒から60秒もかかることがあり、ユーザーを長時間待たせることは避けたい。そこでHayao AIでは、完全に画像が完成する前に、少しずつ生成途中の画像を「ストリーミング更新」で表示したり、「プログレッシブプレビュー」として見せたりする工夫をしている。また、画像生成の処理を「バックグラウンドジョブキュー」に回すことで、ユーザーは結果を待つ間も別の編集作業を続けられるようにし、快適な体験を提供している。
三つ目は、「プロンプトの柔軟性」だ。ユーザーが「背景を削除してサイバーパンクな街を追加してほしい」といった自然な言葉で指示しても、AIがそれを理解し、適切に処理することは簡単ではない。Hayao AIのシステムは、このようなユーザーの指示(プロンプト)を「背景の除去」「スタイル変換」「レンダリング」といった複数のステップに分解し、それぞれ得意なAIモデルを組み合わせた「パイプライン」を通して処理することで、複雑な要望にも対応できるようにしている。
四つ目は、「コストを抑えたスケーリング」だ。AIによる画像生成は非常に高価な処理なので、無制限に提供すると費用がかさんでしまう。この問題を解決するため、Hayao AIでは「クレジットシステム」を導入している。タスクの複雑さや使用するAIモデルに応じて1回あたり1〜4クレジットを消費する仕組みで、利用状況を管理している。また、新しいユーザー向けには無料トライアルを提供し、気軽にサービスを試せるようにしている。
Hayao AIは、ユーザーが日常的に活用できる強力な機能を提供している。AI背景除去機能を使えば、写真の背景を数秒で切り抜くことが可能だ。AIオブジェクト除去&置換機能では、写真に写っている不要なものを消したり、テキストの指示で別のものに置き換えたりできる。AI画像生成機能を使えば、テキストの指示だけで全く新しい画像をゼロから作り出すことができる。AIアートスタイル機能では、水彩画、サイバーパンク、ジブリ風といったさまざまな芸術スタイルを写真に適用できる。そして、AI写真アップスケーラー機能は、解像度の低い画像を鮮明にして品質を高めることができる。これらの機能はすべて、ウェブアプリhayao.appから直接利用可能だ。
開発者たちは、AIによる創造性を誰もが使えるものにしたいという強い思いから、Hayao AIを開発した。このツールはプロのデザイナーだけでなく、個人クリエイター、中小企業、そしてPhotoshopのような複雑なソフトウェアを何時間も操作することなく、プロレベルの編集をしたいと考えるすべての人々のためのものだ。Hayao AIは「生きているプロジェクト」であり、常に進化を続けている。現在は、ブランドイメージの一貫性を保つためのAIモデルのファインチューニングや、LoRAアダプターという技術を使ってAIの推論(処理)をさらに高速化する実験を行っている。また、将来的には、開発者がHayao AIのAI編集機能を自身のアプリに組み込めるように、公開APIの提供も検討している。