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【ITニュース解説】How to read code

2025年09月13日に「Dev.to」が公開したITニュース「How to read code」について初心者にもわかりやすく解説しています。

作成日: 更新日:

ITニュース概要

未知のコードを理解するには、まず機能概要を把握し、エントリーポイントを見つけよう。次に、パッケージ構成やimportからコードの構造を読み解き、インターフェースやメソッドで詳細を把握する。パターン認識やコミット履歴、テストコードも活用し、効率的に全体像を掴むのが重要だ。

出典: How to read code | Dev.to公開日:

ITニュース解説

コードを読むことは、システムエンジニアとして働く上で非常に重要な能力である。新しい機能を追加したり、既存の不具合を修正したり、コードの構造を改善したりする際には、まずそのコードが何をしているのかを正確に理解する必要があるためだ。普段から慣れ親しんだモジュールであれば、対象となるコードの範囲も狭く、比較的簡単に理解できるだろう。しかし、全く知らないモジュールに取り組むことになった場合、どこから手をつけて、どのようにそのモジュールの主要な情報を効率よく把握すれば良いのか、悩むこともあるかもしれない。この解説では、未知のコードでも効率的に読み解くための具体的な手順とヒントを説明する。

まず、いきなりコードの細部に踏み込むのではなく、そのモジュールが「どのような機能を持つのか」という全体像から理解を始めることが肝心である。例えば、それがユーザーインターフェース(UI)を扱うモジュールであれば、実際にその画面を操作してみて、どのような表示や振る舞いをするのかを確認する。もしビジネスロジックに関するモジュールであれば、それがどのような業務ルールや計算を担っているのかを把握する。特定の処理フローを持つモジュールであれば、その主要なステップを理解する。コードが「どうやって」その機能を実現しているかを調べる前に、「何のために」そのモジュールが存在するのかを知ることで、その後の分析の方向性が明確になる。

次に、モジュールの「エントリーポイントクラス」を見つける。エントリーポイントとは、そのモジュールが外部から呼び出される際の起点となる場所、つまり処理の入り口を指す。慣れたプロジェクトでは意識しにくい点かもしれないが、知らないプロジェクトでは、まずこの入り口を見つけることが重要である。エントリーポイントを特定できれば、その手前の呼び出し元などのコードは一旦無視でき、デバッガーをどこに設定すべきかという目安も得られる。

エントリーポイントを見つけたら、次に「このコードはどのように構成されているのか」という問いを立ててみる。最初の分析の目標は、コードの全体的な構造を把握することであり、具体的な実装の詳細に深入りしすぎないよう注意が必要だ。詳細に引き込まれてしまうと、複雑なコードの中で迷子になりやすいためである。一般的に、コードベースが大規模であればあるほど、最初の段階ではより浅く掘り下げて、大まかな構造を理解することに集中するべきだ。

コードの構造を理解するためのアプローチはいくつか存在する。一つは、モジュール内の「パッケージ構成」をざっと見て、全体像を掴むことだ。パッケージ名から、そのモジュールの設計パターンや役割分担を推測できる場合がある。例えば、「models」「views」「controllers」といったパッケージがあれば、MVC(Model-View-Controller)パターンが使われていると推測できる。「services」「repositories」「databases」といった名前があれば、これらが階層的な関係を持つことがわかるだろう。業務領域固有の専門用語が使われているパッケージ名もあるが、その知識がなければ意味を把握するのは難しいかもしれない。「tools」「helpers」「utilities」のような汎用的な機能を提供するパッケージは、最初の分析ではスキップしても問題ない場合が多い。ただし、設計があいまいなモジュールや、歴史的な経緯で一貫性が失われているモジュールでは、パッケージ名から有効な情報が得られないこともある。

もう一つのアプローチは、各クラスの「インポート文」を確認し、依存関係を把握することだ。インポート文を見ることで、そのクラスがどの内部モジュールや外部ライブラリを利用しているかを素早く特定し、モジュール全体の依存関係をグラフとしてイメージできる。適切に設計されたモジュールでは、もしあるクラスが多くの外部依存を持つ場合、それは通常、システム境界に位置するクラスであり、複雑な内部ロジックは少ない傾向にある。これらの依存関係を手がかりに、モジュールの骨格を組み立てていくことができる。統合開発環境(IDE)の機能でUML図などを生成することも可能だが、依存関係の探索方向を誤ると、すぐに読み解くのが困難なほど複雑な図になってしまうため注意が必要だ。

さらに詳細な情報を得るためには、「インターフェース」「属性」「メソッド」に注目する。インターフェースを見れば、そのクラスやモジュールがどのような主要な機能を提供しているかを理解できる。属性からは、そのクラスがどのようなデータを内部に保持しているか、つまりカプセル化しているかを確認できる。属性が読み取り専用なのか、書き込みも可能なのか、あるいは特定の処理ステップで使われるものなのか、といった観点で分類してみると理解が深まるだろう。モジュールがあまり良く設計されていない場合や、非常に小規模でシンプルな場合、クラス単位ではなくメソッド単位で機能が分解されていることもある。その場合は、メソッドの中身にまで踏み込んで分析する必要がある。

コードリーディングの効率を上げるには、「パターン認識」のスキルが非常に役立つ。コードの中に特定のデザインパターンや共通の構造を見つけ出すことができれば、そのパターンが持つ一般的な振る舞いから、残りのコードが何をするのかを推測できる。これにより、一から全てのコードを読み解くのではなく、自分の仮説が正しいかを検証するような形でコードを見ることができるため、分析を大幅に高速化できる。つまり、多くの開発経験を通じて頭の中にパターンを蓄積していればいるほど、コードを読む速度も向上していくということだ。

もしコードを読んでいる途中で、何か理解しにくい部分や矛盾していると感じる点を見つけたら、「コミット履歴」を確認してみるのも良い方法だ。コミット履歴からは、そのコードがいつ、誰によって追加されたのか、どのくらいの頻度で修正されているのか、あるいは作成されてからほとんど変更されていないのか、といった情報が得られる。もし現在の文脈と合わないコードがあった場合、それが同じコミット内で追加されたものであれば、まだ知らない背景や理由があるのかもしれない。もし異なるコミットで追加されたものであれば、以前の開発者と現在の開発者の意図が異なっている可能性も考えられる。さらに詳しく知りたい場合は、そのコミットの変更理由や関連するタスクの説明を確認することで、なぜそのコードがそのように実装されたのかを深く理解できるだろう。

最後に、「テストコード」も特定のコードを理解する上で非常に有用な情報源となる。単体テスト(ユニットテスト)は、個々のクラスやメソッドの具体的な振る舞いを理解するのに役立ち、結合テスト(インテグレーションテスト)は、より広範囲にわたるビジネスロジック全体の流れを把握する手助けとなる。中には、Given-When-Then(準備・実行・検証)といった形式で書かれたテストもあり、これらは実行可能なドキュメントとして、そのコードが期待する具体的な動作例を提示してくれる。テストコードを読むことで、実際にその機能がどのように利用されるのか、どのような入力に対してどのような結果が期待されるのかを具体的に把握できるため、コードの理解を大きく助けてくれる。

これらの段階的なアプローチを実践することで、たとえ全く未知のコードベースであっても、効率的に情報を収集し、その構造と機能を理解できるようになるだろう。コードリーディングのスキルは、経験を積むことで着実に向上していくため、今回紹介した方法を繰り返し試すことが、優れたシステムエンジニアになるための重要な一歩となる。

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