【ITニュース解説】Javaのオブジェクト指向の要、カプセル化と継承をGitHub CopilotのAgentモードも使って理解する
2025年09月11日に「@IT」が公開したITニュース「Javaのオブジェクト指向の要、カプセル化と継承をGitHub CopilotのAgentモードも使って理解する」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Javaのオブジェクト指向の要であるカプセル化と継承を、GitHub Copilotを活用して学習する入門記事。クラス構造の隠蔽と公開でデータを保護し、既存クラスを再利用することで、効率的なプログラミングの基本を理解する。
ITニュース解説
システムエンジニアを目指す上で、Javaプログラミングの基礎となるのが「オブジェクト指向」の考え方である。その中でも特に重要な概念が「カプセル化」と「継承」であり、これらを理解することは、効率的で保守性の高いシステム開発を行う上で不可欠な知識となる。
オブジェクト指向とは、現実世界のモノや事柄をプログラム上の「オブジェクト」として表現し、それらのオブジェクト同士を連携させることでシステムを構築する手法を指す。このアプローチにより、プログラムは変更に強く、拡張しやすい構造を持つようになる。
まず、「カプセル化」について解説する。カプセル化とは、データ(オブジェクトが保持する情報)と、そのデータを操作する手続き(メソッドと呼ばれる機能)を一つのまとまり(クラス)として閉じ込めることである。同時に、クラスの内部構造やデータを外部から直接操作できないように隠蔽し、定められた公開インターフェース(特定のメソッド)を通してのみアクセスできるようにする。これは「クラス構造の隠蔽と公開」という表現で説明される。例えばJavaでは、privateというキーワードを使って特定のデータやメソッドをクラス内部からのみアクセス可能にすることで隠蔽し、publicというキーワードを使って外部からアクセスできるように公開する。
なぜこのような隠蔽が必要かというと、プログラムの誤動作を防ぎ、安全な運用と高い保守性を確保するためである。もしクラス内部のデータが外部から何の制限もなく変更できてしまうと、意図しない値が設定されたり、オブジェクトの状態が予期せず破壊されたりするリスクが高まる。カプセル化を用いることで、データの整合性を保ちやすくなり、クラスを利用する側は内部の実装を知らなくても、公開されたインターフェースだけを使って安全に操作できる。これにより、クラスの内部実装に変更があったとしても、公開されたインターフェースが変わらなければ、そのクラスを利用している他の部分のコードに影響が及びにくくなるため、システム全体の安定性と変更に対する柔軟性が向上する。これは、ソフトウェア部品として、外部から見て使いやすく、内部の変更が外部に影響しにくい構造を作る上で非常に重要な概念である。
次に、「継承」について説明する。継承もオブジェクト指向の強力な機能の一つであり、「クラスを再利用する方法」の代表的な手段である。継承とは、既存のクラス(親クラス、またはスーパークラスと呼ぶ)が持つ特性(データと機能)を、新しいクラス(子クラス、またはサブクラスと呼ぶ)が引き継ぐことを意味する。子クラスは親クラスの特性をすべて受け継ぎ、さらに自身の独自の特性や機能を追加したり、親クラスの機能を特定の目的のために変更したりできる。
継承の最大の利点は、コードの重複を大幅に削減し、開発効率を高めることである。例えば、一般的な「乗り物」というクラスがあったとする。この「乗り物」クラスは、「速度」というデータと「加速する」という機能を持っている。次に「車」や「バイク」といった特定の乗り物のクラスを作成する場合、これらも「乗り物」の一種であるため、「速度」や「加速する」といった共通の特性を最初から持っているはずである。継承を使えば、「乗り物」クラスを親クラスとして定義し、「車」や「バイク」クラスはそこから特性を引き継ぐだけで済む。そして、「車」クラスには「ハンドルを切る」という独自の機能を追加し、「バイク」クラスには「傾けて曲がる」という独自の機能を追加できる。このように、共通のコードを一度書けば、それを複数の場所で再利用できるため、コード量が減り、もし親クラスに共通の機能の変更があった場合でも、親クラスだけを修正すれば子クラス全体にその変更が反映されるため、保守性が向上する。
カプセル化と継承は、それぞれが独立した概念でありながら、組み合わせて使うことでより大きな効果を発揮する。カプセル化によってクラス内部の安全性を確保し、継承によってコードの再利用性を高めることで、柔軟で拡張性の高いクラス構造を構築できる。これらはオブジェクト指向プログラミングの根幹をなし、大規模なシステム開発において非常に重要な役割を果たす。システム全体を理解しやすく、管理しやすく、そして将来的な拡張にも対応しやすいプログラムを作成するための堅牢な土台となるのである。
本連載では、これらのオブジェクト指向の概念を学ぶ過程で、対話型AIであるGitHub CopilotのAgentモードも活用しながら進める。GitHub Copilotは、プログラミング学習の強力な補助ツールとなり、コードの生成支援や疑問点の解決などをサポートしてくれる。しかし、AIツールはあくまで学習を補助するものであり、最終的にはカプセル化や継承といった核心的な概念を自分自身で深く理解し、それらを適切に使いこなす能力こそが、システムエンジニアに求められる最も重要なスキルとなる。
Javaにおけるカプセル化と継承の理解は、単に言語の特定の機能を学ぶだけでなく、良いソフトウェア設計とは何か、効率的な開発とは何かといった、より本質的な問いへの答えを見つける手助けとなる。システムエンジニアとしてのキャリアを築く上で、これらのオブジェクト指向の要となる考え方をしっかりと習得し、実践に活かすことが、変化の激しいIT業界で成功するための鍵となるだろう。