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【ITニュース解説】Larry Ellison: The College Dropout Who Became the World’s Richest Man

2025年09月17日に「Medium」が公開したITニュース「Larry Ellison: The College Dropout Who Became the World’s Richest Man」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

ラリー・エリソンは大学を中退したが、IT業界で成功を収め、世界一の富豪となった。学歴に関わらず、努力次第で頂点を目指せることを示す、彼の挑戦とサクセスストーリーだ。

ITニュース解説

ラリー・エリソンは、大学を中退しながらも世界有数の富豪となり、ソフトウェア業界に革命をもたらした人物として知られている。彼が創設したオラクル(Oracle)は、世界のエンタープライズITにおいて不可欠な存在であり、特にデータベース技術の分野で圧倒的なシェアを誇る。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、彼の歩みは、学歴だけが成功への道ではないこと、そして技術への深い理解と情熱がどれほど重要かを示唆している。

エリソンの生い立ちは決して華やかなものではなかった。ニューヨークで生まれ、シカゴで育った彼は、イリノイ大学とシカゴ大学に在籍したが、いずれも卒業することなく中退している。これは、彼が伝統的な教育システムにとらわれず、実践的な知識と自己学習に重きを置いていたことを物語っている。大学を離れた後、彼は様々な仕事に就き、経験を積んだ。その中で特に重要なのが、アンペックス(Ampex)社での経験である。ここでは、アメリカ中央情報局(CIA)向けのデータベースプロジェクトに従事し、この時、後の彼のキャリアを決定づける重要な概念と出会うことになる。それは、IBMの研究者であるエドガー・F・コッド(Edgar F. Codd)が提唱した「リレーショナルデータベースモデル」という画期的なアイデアだった。

リレーショナルデータベースは、それまでの複雑なデータベースシステムとは異なり、データをシンプルに「表(テーブル)」の形式で管理し、これらの表を相互に関連付けて利用する仕組みである。これは、データの整理、検索、管理を劇的に効率化し、その後の情報技術の発展に不可欠な基盤となる概念だった。当時のIBMは、このコッドのリレーショナルモデルを自社の製品に採用することに躊躇していた。なぜなら、IBMは既に階層型やネットワーク型の既存データベースシステムに多大な投資を行っており、新たな技術への移行にはリスクを伴うと考えていたからだ。このIBMの動きの遅さが、エリソンにとって大きなチャンスとなった。

1977年、エリソンはボブ・マイナー(Bob Miner)とエド・オーツ(Ed Oates)と共にソフトウェア・デベロップメント・ラボラトリーズ(SDL)を設立した。後にリレーショナル・ソフトウェア・インク(RSI)と改名し、最終的にオラクル・システムズ・コーポレーションとなるこの会社は、コッドのリレーショナルモデルに基づいた商用データベースの開発に注力した。そして1979年、世界初の商用リレーショナルデータベース管理システム「Oracle V2」をリリースする。IBMで生まれたリレーショナルデータベースのアイデアを、他社に先駆けて製品化し、市場に投入したエリソンの先見の明と実行力は、今日のオラクル社の礎を築いた。

オラクルはその後、爆発的な成長を遂げる。エリソンのリーダーシップの下、同社は激しい競争に打ち勝ちながら、技術革新を続け、次々と新しいバージョンや機能強化をリリースしていった。彼の経営スタイルは非常に攻撃的で、時には大胆な買収戦略によって競合他社を吸収し、市場での支配力を拡大していった。中でも、データベース技術だけでなく、ミドルウェア、アプリケーション、そしてハードウェアへと事業領域を広げ、企業ITのあらゆる層をカバーする「ワンストップショップ」戦略を推し進めた。近年では、従来のオンプレミス(企業内でのシステム運用)からクラウドコンピューティングへの移行が業界全体のトレンドとなる中で、オラクルもまた、クラウドサービスへの大規模な投資と転換を強力に推進している。アマゾンウェブサービス(AWS)のような先行するクラウドプロバイダーとの熾烈な競争に挑みながらも、オラクルは独自の強みを活かし、その存在感を確立しようとしている。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、ラリー・エリソンの物語は多くの示唆に富んでいる。彼は正規の大学教育を修了しなかったが、成功を収めた。これは、学歴よりも、自らの興味や情熱に基づいた学習、そして実践的なスキルや知識の獲得が、キャリアを築く上でいかに重要であるかを示している。彼は常に最新の技術トレンドに目を向け、市場の変化を的確に捉え、大胆な決断を下してきた。技術への深い理解、未来を見通す力、そして逆境を乗り越える粘り強さこそが、彼の成功の鍵だったと言える。

皆さんも、これからシステムエンジニアとしてキャリアを歩む上で、特定の技術や知識を習得するだけでなく、常に新しい技術にアンテナを張り、変化を恐れず、自ら学び続ける姿勢を持つことが重要だ。エリソンのように、既存の常識にとらわれず、新しい可能性を追求し続けることで、皆さんも情報技術の世界で新たな価値を生み出し、社会に貢献できるだろう。

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