【ITニュース解説】Mediator Design Pattern in Python...

Mediatorデザインパターンは、オブジェクト間の複雑な依存関係を整理するための設計手法だ。オブジェクト同士が直接やり取りするのではなく、Mediatorと呼ばれる仲介役を通して連携することで、オブジェクト間の結合度を下げ、変更に強い柔軟なシステムを構築できる。

Mediatorデザインパターンの基本的な構成要素は以下の通りだ。

1. Mediatorインターフェース: オブジェクトがMediatorにイベントを通知するためのnotifyメソッドなどの抽象メソッドを定義する。具体的なMediatorクラスはこのインターフェースを実装する。

2. Concrete Mediatorクラス: Mediatorインターフェースを実装し、具体的なオブジェクト間の連携を制御する。特定のイベントが発生した際に、どのオブジェクトにどのような処理を実行させるかを決定する。

3. Base Componentクラス: Mediatorのインスタンスを保持するための基本的な機能を提供する。Componentクラスはこのクラスを継承し、Mediatorへの参照を保持する。

4. Concrete Componentクラス: 具体的な機能を提供する。他のComponentクラスに直接依存せず、Mediatorを通してのみ連携する。

記事では、クラスの生徒であるRiditとRajdeepを例に、Mediatorデザインパターンを説明している。RiditとRajdeepが直接連絡を取り合わずに、ClassMonitor（学級委員）を介して連携する状況を想定している。Riditが何かをすると、ClassMonitorに通知し、ClassMonitorがRajdeepにタスクを実行するように指示する。

具体的なコード例では、ClassMonitorがMediatorインターフェースの役割を果たし、ConcreteClassMonitorがConcrete Mediatorクラスの役割を果たす。BaseStudentはBase Componentクラスとして機能し、RiditとRajdeepがConcrete Componentクラスとなる。

Riditがdo_aメソッドを実行すると、ClassMonitorのnotifyメソッドが呼び出される。ConcreteClassMonitorは、イベントの種類に応じて、Rajdeepのdo_cメソッドを実行するように指示する。同様に、Rajdeepがdo_dメソッドを実行すると、ConcreteClassMonitorはRiditのdo_bメソッドとRajdeepのdo_cメソッドを順番に実行するように指示する。

Mediatorデザインパターンは、GUIのウィジェット間のメッセージングシステムなど、多くの場所で利用されている。例えば、Androidアプリでは、フラグメントがコンテナウィンドウを介して互いに通信する。

このデザインパターンを活用することで、オブジェクト間の依存関係を減らし、コードの再利用性や保守性を向上させることができる。システム内のオブジェクト間の関係が複雑になりがちな場合に、特に有効な解決策となるだろう。システムの規模が大きくなるにつれて、オブジェクト間の連携を管理しやすくする効果が期待できる。