【ITニュース解説】What to expect at Meta Connect 2025: 'Hypernova' smart glasses, AI and the metaverse
2025年09月16日に「Engadget」が公開したITニュース「What to expect at Meta Connect 2025: 'Hypernova' smart glasses, AI and the metaverse」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Meta Connect 2025で、ディスプレイ付きスマートグラス「Hypernova」を発表。Meta AIの新機能やスーパーインテリジェンス構想、そしてメタバースではAI強化のHorizon Worldsや他社製VRヘッドセット、ホログラフィックアバターの進展など、AR/VR/AI分野の最新技術が多数公開された。
ITニュース解説
Meta Connect 2025は、Meta社が開催する年次イベントで、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、AI(人工知能)、そしてメタバースといった最先端の技術が集まる場である。今年は形式を一部変更し、まずMeta社のCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏による基調講演が夜に開催され、翌朝には開発者向けの講演が続く日程となった。このイベントでは、特にスマートグラスの進化、AIの新たな展開、そしてメタバースの進捗が注目されている。
今年の大きな目玉の一つは、Metaの次世代スマートグラスである。「Hypernova」というコードネームで呼ばれるこれらのスマートグラスは、Metaがコンシューマー向けに提供する製品としては初めてディスプレイを搭載する点が革新的だ。このディスプレイは片側に小さく搭載され、没入感のあるAR体験を提供するものではないが、通知の表示や写真のプレビューといった情報を手元で見ることなく確認できる機能が期待されている。さらに、専用のリストバンドが付属し、これを使うことで装着者は手のジェスチャーで特定の機能を操作できるようになる。これは以前のプロトタイプで示された技術が実際に製品に組み込まれることを意味する。価格は約800ドルと予想され、Metaの既存のRay-Banブランドのスマートグラス(約300ドル)と比較すると、より高機能なハイエンド製品として位置づけられるだろう。しかし、アナリストの予測では、スマートグラス市場全体における「Hypernova」のシェアは限定的と見られている。
また、ディスプレイ非搭載の新しいスマートグラスも発表される見込みだ。Oakleyブランドの「Sphaera」というモデルをベースにしたもので、顔を覆うような特徴的なデザインで、鼻に近い中央部分にカメラが搭載される。こちらはディスプレイ機能は持たないが、既存のRay-Banブランドのスマートグラスと同様に、写真や動画の撮影、音声通話などの機能が強化されるだろう。さらに、既存のRay-Banスマートグラスのディスプレイ非搭載モデルにも新しいバージョンが加わる可能性も示唆されている。これらのスマートグラスの進化は、日常的に身につけるデバイスが、スマートフォンのように多様な機能を持つようになる未来を示している。
さらに興味深いのは、Metaがスマートグラスのプラットフォームを外部の開発者にも開放する準備を進めている点だ。これまでのRay-Ban MetaやOakleyのスマートグラスは、Metaエコシステム内の特定のアプリに利用が限られていたが、より多くの開発者がこのプラットフォームにアクセスできるようになれば、既存のスマートグラスでも新たな機能が追加され、利用シーンが大きく広がる可能性がある。これは、システムエンジニアを目指す皆さんにとって、新しいデバイス向けのアプリケーション開発という新たなフィールドが広がることを意味する。
AIも、Meta Connect 2025の主要なテーマであり続ける。現在、Meta AIは月間10億人ものユーザーに利用されており、ザッカーバーグCEOもこの数字を強調することだろう。イベントでは、スマートグラスや既存のMetaアプリ内で利用できるMeta AIの新機能が発表されると予想されている。特に、非英語圏のユーザー向けに、「キャラクター駆動型」の新しいAIボットが提供されるという報道もあり、AIがよりパーソナルで多様な対話体験を提供する方向へと進化していることがうかがえる。
ザッカーバーグCEOは、「超知能(superintelligence)」の実現という壮大なビジョンも掲げている。これは、人間の知能をはるかに超えるAIを創り出すという長期的な目標であり、Metaはこれに向けてAIチームを再編し、優秀な研究者や幹部の獲得に多額の投資を行っている。しかし、MetaのAI開発は全てが順調というわけではない。同社の主要な大規模言語モデルであるLlama 4の開発が遅れており、エンジニアたちが性能向上に苦戦しているという報告もある。また、これまでオープンソースに力を入れてきたMetaが、この方針からやや後退する可能性も示唆されている。AIの最先端技術開発においては、常に様々な課題に直面しながら進化していくものなのだ。
そして、メタバースも忘れてはならないテーマだ。近年はAIに話題の中心が移りがちだが、VR(仮想現実)関連のニュースなしにMeta Connectは語れない。Metaの最高技術責任者(CTO)であるアンドリュー・ボスワース氏は、Horizon Worldsにおける「メタバースソフトウェア」のアップデートを予告している。Metaは既に、AIを搭載したNPC(ノンプレイヤーキャラクター)をメタバースに導入する計画を開発者向けにプレビューしており、ジェネレーティブAI(生成AI)がメタバースのコンテンツ生成や体験をどのように豊かにしていくかについて、詳細が語られることが期待される。
新しいQuestヘッドセットの発表は予定されていないものの、MetaのVRソフトウェアである「Meta Horizon OS」を搭載するサードパーティ製VRヘッドセットに関する情報が聞かれるかもしれない。昨年、MetaはASUS、Lenovo、Xboxといった企業がこのOSを搭載したヘッドセットを開発していると発表したが、それ以降、具体的な情報は少なかった。しかし、最近のリーク情報では、ASUSが最初にVRヘッドセットを発売する可能性が高く、その製品にはアイトラッキング(視線追跡)やフェイストラッキング(顔追跡)機能が搭載されるとされている。このASUS ROG VRヘッドセット(コードネーム「Tarius」)は、QD-LCDまたはµOLEDディスプレイを採用し、高品質なVR体験を提供すると見られている。
さらに、昨年披露されたMetaのホログラフィックCodecアバターに関するアップデートも注目されている。現在のVRヘッドセットには、この技術を完全にサポートするための顔や目の追跡センサーが不足しているが、MetaはQuest 3などの既存デバイスで動作する、より基本的なバージョンを披露する可能性もある。また、WhatsAppやMessengerといったビデオ通話アプリと連携する形で、アバターが利用できるようになる可能性も示唆されている。これらの技術は、私たちがデジタル空間でどのように自分を表現し、他者とコミュニケーションをとるかという体験を大きく変えることになるだろう。
このように、Meta Connect 2025は、スマートグラス、AI、メタバースといった多様な技術の最前線を示すイベントとなる。それぞれの技術が単体で進化するだけでなく、互いに連携し合うことで、私たちの生活や働き方を大きく変える可能性を秘めている。システムエンジニアを目指す皆さんにとって、これらの動向は、将来のキャリアパスや技術トレンドを理解する上で非常に重要な情報となるだろう。新たなデバイスの登場は新しいアプリケーションのニーズを生み出し、AIの進化はソフトウェア開発のあり方を変え、メタバースの拡大は仮想空間におけるインフラやサービス開発の重要性を高める。これらの変化の波を捉え、自らのスキルを磨いていくことが求められる。