【ITニュース解説】My OSD600 Journey

2025年09月06日に「Dev.to」が公開したITニュース「My OSD600 Journey」について初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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ITニュース概要

IT未経験の学生が、オープンソース開発コースで実践的な開発経験を積む。Git/GitHub習得やコミュニティ貢献を目指し、C++テストフレームワーク「Catch2」を使いながら、自信を持ってソフトウェア設計できる開発者への成長を図る。

出典: My OSD600 Journey | Dev.to公開日:

ITニュース解説

セネカカレッジに通う学生、Oleksandraの挑戦は、まさにシステムエンジニアを目指す多くの初心者にとって、共感を呼ぶ物語だ。高校を卒業してすぐにITの専門学校へ進学し、それまでITの経験が全くなかった彼女が、これからのITキャリアをどのように築こうとしているのか、その意欲と具体的なアプローチを詳しく見ていこう。

OleksandraがIT未経験からITの世界に飛び込み、まず感じたのは「もっとリアルな開発経験を積みたい」という強い思いだった。これまでの授業では、与えられた課題のステップをただこなすだけだったが、彼女はそれだけでは飽き足らず、より実践的な学びを求めている。そのために選んだのが「OSD600」というオープンソース開発のコースだ。

「オープンソース」とは、ソフトウェアの設計図にあたるソースコードがインターネット上で一般に公開され、誰でも自由に利用、改良、再配布できるソフトウェアのことを指す。WindowsやmacOSといった閉鎖的なソフトウェアとは異なり、世界中の開発者が協力し合って作り上げ、進化させていくのが特徴だ。OSD600コースは、まさにこのオープンソースの世界に飛び込み、実際のプロジェクトに貢献する機会を提供する。Oleksandraは、このようなコミュニティでの協業を通じて、単なる学習課題では得られない「本物の」開発経験を積みたいと考えている。

彼女の具体的な目標は多岐にわたるが、中でも注目すべきは、開発者としての総合的な成長だ。まず、「より強力な開発者になること」を掲げている。これは、単にプログラミング言語の知識を増やすだけでなく、問題解決能力や新しい技術を習得する力を高めることを意味する。そして、「ソフトウェア設計」に自信を持つこと。ソフトウェア設計とは、プログラムをただ書くのではなく、どのような構造で、どのように各部分が連携し、将来的な拡張や変更にどう対応するかといった、システム全体の「設計図」を描く重要なプロセスだ。このスキルは、大規模なシステムを構築する上で不可欠であり、開発者の腕の見せ所でもある。

さらに、現代の開発現場で必須のツールである「Git/GitHub」の使いこなしも彼女の目標の一つだ。Gitは、プログラムの変更履歴を記録し、管理するための「バージョン管理システム」で、いつ、誰が、どの部分を変更したかを詳細に追跡できる。GitHubは、Gitを使ったプロジェクトをインターネット上で公開・共有するためのプラットフォームであり、世界中の開発者が協力してプロジェクトを進めるためのハブとなっている。コードの管理だけでなく、チームでの共同作業をスムーズに進める上で、GitとGitHubの習熟はシステムエンジニアにとって避けては通れない道だ。Oleksandraがこれらを目標に掲げているのは、まさにプロの開発者としての基礎を固めようとしている証拠と言えるだろう。

そして、Oleksandraがこのコースで取り組むために選んだプロジェクトは「Catch2」だ。これは「C++」というプログラミング言語で書かれたソフトウェアの「テスティングフレームワーク」である。C++は、OSやゲーム、組み込みシステムなど、高速な処理が求められる分野で広く利用される言語だ。テスティングフレームワークとは、開発者がソフトウェアの品質を確保するために行うテスト、特にプログラムの個々の機能や部品(「単体テスト」と呼ばれる)が正しく動作するかを自動的に検証する仕組みを提供するツールのことである。

彼女がCatch2を選んだ理由には、過去の経験が大きく影響している。インターンシップ中にQA(品質保証)の仕事に携わり、「Selenium」や「Cucumber」といったテストツールを使った経験があるという。QAとは、開発されたソフトウェアがユーザーの要求を満たし、品質基準に達していることを確認する重要なプロセスだ。Seleniumは、ウェブアプリケーションの動作を自動でテストするためのツールであり、Cucumberは、人間が理解しやすい言葉でテストの仕様を記述し、それを自動テストに変換する「振る舞い駆動開発(BDD)」を支援するツールである。

これらの経験を通じて、Oleksandraはテストの基礎知識と重要性を肌で感じていた。そのため、Catch2のようなテスティングフレームワークに「馴染みやすさ」を感じ、自信を持って取り組めると考えたのだ。また、Catch2は「ヘッダーファイルを追加するだけ」というシンプルなセットアップで利用開始できる点も、彼女にとって魅力的に映った。これは、初めてオープンソースプロジェクトに貢献する上で、導入のハードルが低いことが重要だという現実的な視点を示している。Catch2を探求することで、実際のC++テスティングフレームワークがどのように機能するかを学び、より品質の高いコードを書くための実践的な練習を積むことを期待している。

Oleksandraのこの挑戦は、システムエンジニアを目指す初心者にとって多くの示唆を与えてくれる。ITの経験がなくても、実践的な学習の場を求め、積極的にコミュニティに参加し、バージョン管理やテストといった開発の基本ツールを習得しようとする姿勢は、まさに成長への第一歩だ。彼女のように、座学だけでなく、実際のプロジェクトに触れ、自分の手でコードを書き、その品質を保証するプロセスを学ぶことは、自信とスキルを身につける最も確実な方法と言えるだろう。

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