【ITニュース解説】I coded Pac-Man in Python without a game engine.
2025年09月13日に「Reddit /r/programming」が公開したITニュース「I coded Pac-Man in Python without a game engine.」について初心者にもわかりやすく解説しています。
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ITニュース概要
あるプログラマーが、ゲームエンジンに頼らずPython言語のみを使い、人気ゲーム「パックマン」を開発した。これにより、特別なフレームワークがなくても、基礎的なプログラミングで複雑なアプリケーションを構築できる可能性が示された。
ITニュース解説
Redditのプログラミングコミュニティで、「ゲームエンジンを使わずにPythonでパックマンを実装した」という投稿が注目を集めた。このプロジェクトは、プログラミングの基礎と奥深さを理解する上で非常に良い学びの機会となるため、システムエンジニアを目指す初心者にとって多くの示唆がある。
まず、パックマンというゲームについて簡単に触れておこう。パックマンは、迷路の中でプレイヤーがパックマンを操作し、ドットを食べながらゴーストを避け、またはパワーエサを食べてゴーストを追いかけるというシンプルなルールながら、戦略性と素早い判断が求められるクラシックゲームだ。このゲームが持つ明確なルールと視覚的な要素は、プログラミングの教材として非常に適している。
次に、Pythonというプログラミング言語について。Pythonは、その読みやすさと汎用性の高さから、初心者にも非常に人気のある言語だ。ウェブ開発、データ分析、AI開発といった幅広い分野で活用されており、近年ではゲーム開発にも利用されるケースが増えている。文法がシンプルで直感的に理解しやすい設計になっているため、プログラミングの基本的な概念を習得しやすいという利点がある。
今回のプロジェクトで特に重要なポイントとなるのが、「ゲームエンジンなし」という点だ。ゲームエンジンとは、ゲーム開発に必要な様々な機能をまとめて提供してくれるソフトウェアの総称を指す。例えば、キャラクターや背景の描画、物理演算による物体の動きのシミュレーション、キーボードやマウスからの入力処理、サウンドの再生、アニメーション管理、衝突判定などがその機能の一部だ。UnityやUnreal Engineといった有名なゲームエンジンを使えば、開発者はこれらの基盤部分を自らコードで実装することなく、ゲームのストーリーやキャラクター、レベルデザインといった、より創造的な部分に注力できる。これにより、開発期間の大幅な短縮や、高度なグラフィック表現の実現が可能になる。
しかし、「ゲームエンジンなし」でパックマンを実装するということは、これらの基盤となる機能をすべて、自分自身でコードを書いて実現した、という意味だ。これは、例えば以下のような作業をすべて手作業で行うことに相当する。
画面描画では、パックマン、ゴースト、ドット、迷路といったゲーム内のすべての要素を、コンピュータの画面にどのように表示するかを、ピクセル単位で制御する。色の指定や座標の計算、更新頻度などをプログラミングで管理する。プレイヤー入力の処理では、キーボードの矢印キーが押されたらパックマンをどの方向に動かすか、という入力をリアルタイムで検知し、ゲーム内のキャラクターの動きに反映させる。衝突判定では、パックマンが迷路の壁にぶつかったら止まる、ドットに触れたらドットが消える、ゴーストに触れたらゲームオーバーになる、といった物理的な接触をコードで判断し、適切な処理を実行する。ゲームロジックでは、ドットがすべてなくなったら次のレベルに進む、パワーエサを食べたら一定時間ゴーストが弱くなる、ゴーストの動き(AI)をどのように制御するか、といったゲームのルールや流れをプログラムで構築する。時間管理とアニメーションでは、キャラクターをスムーズに動かしたり、特定のイベントを一定時間だけ発生させたりするために、ゲーム内の時間を正確に管理し、それに基づいて画像を切り替えるアニメーションを実装する。
通常、Pythonでゲームエンジンを使わずにゲームを開発する場合、`pygame`のようなライブラリがよく用いられる。`pygame`自体は、グラフィック描画やサウンド再生、キーボード入力の検出といった、OSとのやり取りを助ける基本的な機能を提供するライブラリであり、高機能なゲームエンジンとは異なる。したがって、「ゲームエンジンなし」で実装するプロジェクトでは、`pygame`のような低レベルなライブラリを使いながらも、その上で自分自身で描画ループ、イベントハンドリング、衝突判定ロジックなどをすべて組み上げていく必要があるのだ。
このような挑戦から得られる学びは計り知れない。まず、コンピュータがどのように画面を描画し、入力を受け付け、プログラムを動かしているのかという、システムの「裏側」に対する深い理解が得られる。また、複雑なゲームのルールをどのように分解し、それぞれを小さなモジュールや関数として実装していくかという、設計能力と問題解決能力が鍛えられる。オブジェクト指向プログラミングの概念、例えばパックマン、ゴースト、迷路の壁などをそれぞれ独立した「オブジェクト」として定義し、それらの間にどのような関係性を持たせるかといった考え方も、実践を通じて深く学ぶことができるだろう。
システムエンジニアにとって、このようにゼロから物事を構築する経験は非常に貴重だ。ゲーム開発は、ユーザーインターフェース、ロジック、データ管理、パフォーマンスといった、システム開発のあらゆる要素が凝縮されているため、多角的な視点からソフトウェア開発を学ぶことができる。単に既存のフレームワークやツールを使うだけでなく、その「仕組み」を理解し、必要であれば自分自身で構築できる能力は、どのようなシステム開発においても強みとなる。
このプロジェクトは、プログラミングの基礎を固め、論理的思考力と創造性を育むための優れた実践例だ。システムエンジニアを目指す初心者が、技術的な挑戦を通じて自信をつけ、より複雑なシステム開発へとステップアップしていくための第一歩として、非常に示唆に富んでいると言えるだろう。