【ITニュース解説】How I Built a Small Python Script That Started Making Me Passive Income
2025年09月09日に「Medium」が公開したITニュース「How I Built a Small Python Script That Started Making Me Passive Income」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
面倒な作業を自動化するために作られた小さなPythonスクリプトが、意図せず不労所得を生むようになった。身近な課題解決のためのプログラミングが、新たな価値と収益につながる可能性を示唆する事例である。(96文字)
ITニュース解説
プログラミングを学ぶ動機は様々だが、その強力な応用例の一つが、日々の繰り返し作業や面倒なタスクの自動化である。ある開発者が自身のブログ記事を複数のプラットフォームに転載するという個人的な課題を解決するために作成した小さなPythonスクリプトが、結果的に不労所得を生み出すに至った事例は、その好例と言える。この話は、単に「プログラミングで稼ぐ」方法を示すものではない。身近な問題を発見し、技術で解決策を構築し、それを安定的に運用するまでの一連のプロセスは、システム開発の基本的な流れそのものであり、システムエンジニアを目指す者にとって実践的な学びのヒントが詰まっている。
開発者が直面していた課題は、自身が執筆するブログプラットフォーム「Medium」の記事を、技術者向けのコミュニティサイト「Dev.to」や「Hashnode」に手動で転載する作業だった。この作業は、文章のコピー&ペーストだけでなく、プラットフォームごとのフォーマット調整や、検索エンジンに重複コンテンツと判断されないために元の記事の場所を示す「Canonical URL」の正しい設定など、非常に手間がかかるものだった。この非効率な状況を解決するため、彼はPythonを用いてこの転載プロセスを完全に自動化するスクリプトの開発を計画した。その構想は、Mediumの更新を自動で検知し、記事内容を取得、各プラットフォームに適した形式に変換した上で、それぞれのAPIを利用して自動投稿するというものだった。
スクリプトの実現には、いくつかの技術要素が組み合わされた。まず、新しい記事が公開されたことを知るために「RSSフィード」が利用された。RSSはウェブサイトの更新情報をXML形式で配信する仕組みで、Pythonのfeedparserライブラリを使えば簡単に内容を解析できる。次に、取得したHTML形式の記事データを、投稿先で一般的なMarkdown形式へ変換する必要があった。この処理にはBeautifulSoupのようなHTML解析ライブラリが役立つ。そして、最も重要な部分が、外部サービスとの連携を担う「API(Application Programming Interface)」の活用だ。APIは、プログラムが外部サービスの機能を利用するための窓口であり、開発者は各サービスのAPIドキュメントを読み解き、記事データを送信する方法を実装した。Pythonのrequestsライブラリは、こうしたAPIへのデータ送信を数行のコードで実現できる。また、認証に必要な「APIキー」は、セキュリティ上、プログラムに直接記述せず、「環境変数」としてコードの外で管理するという基本的ながら重要なプラクティスが守られた。
スクリプトが完成しても、自分のパソコンで手動実行するだけでは完全な自動化とは言えない。そこで開発者は「GitHub Actions」というサービスを導入した。これはGitHubが提供するCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールの一つで、様々なプロセスを自動化できる。彼はGitHub Actionsを使い、「1時間ごとにこのPythonスクリプトをクラウド上で実行する」というスケジュールを設定した。これにより、彼のPC環境とは無関係に、スクリプトは24時間365日、定期的に実行され続ける完全な自動化システムが完成した。APIキーのような機密情報も、GitHubのSecrets機能を使えば安全に管理できる。このように、作成したプログラムを人の手を介さずに安定稼働させる仕組みの構築も、システム開発における重要なスキルである。
この自動化システムの構築により、開発者は記事の転載という煩雑な作業から解放された。さらに、転載先プラットフォームの収益化プログラムによって、自動投稿された記事が読まれることで、意図せずして少額ながらも継続的な収入、つまり不労所得が発生し始めた。この事例が示す教訓は、必ずしも最初から「収益化」を目的とする必要はないということだ。自身の身の回りにある不便や非効率を見つけ、それを解決するツールを自ら作り上げるというアプローチこそが、実践的な問題解決能力を養う最良のトレーニングとなる。そうして生み出された解決策が、結果として新たな価値を生み、予期せぬ機会につながることもある。システムエンジニアを目指す初心者にとって、このような小さな「自分のための開発」から成功体験を積み重ねていくことは、技術的な成長と開発の楽しさを実感する上で非常に有益な道のりと言えるだろう。