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【ITニュース解説】セキュリティ運用の最大の課題は「自動化不足」? フォーティネット調査

2025年09月11日に「@IT」が公開したITニュース「セキュリティ運用の最大の課題は「自動化不足」? フォーティネット調査」について初心者にもわかりやすく解説しています。

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ITニュース概要

フォーティネットの調査で、セキュリティ運用の大きな課題は「自動化不足」と判明した。担当者の約3割が、人に頼った運用に限界を感じており、効率的なセキュリティ対策には、システムの自動化が不可欠であることが示された。

ITニュース解説

フォーティネットジャパンの最新調査が示すように、現代の企業が直面するセキュリティ運用の最大の課題は「自動化不足」にある。約3割ものセキュリティ担当者が「人に依存した運用」に限界を感じている現状は、デジタル化が進む社会において、システムの安全性を確保するために不可欠なセキュリティ対策が、従来のやり方では立ち行かなくなっていることを示している。この背景には、サイバー攻撃の高度化と増加、そしてセキュリティ人材の不足という複合的な要因がある。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、セキュリティ運用とは、企業の情報システムやデータを、不正アクセス、マルウェア感染、情報漏洩といった様々なサイバー脅威から守り、安全な状態を維持するための継続的な活動と理解すると良い。具体的には、システムの脆弱性を定期的に診断し対策を講じる脆弱性管理、システムが出力する膨大なログデータを監視・分析して異常を早期に検知するログ監視、セキュリティインシデント(例えば不正アクセスの発生)が発生した際に迅速に原因を特定し対処するインシデント対応、そして組織全体のセキュリティポリシーを策定・運用することなどが含まれる。これらはすべて、企業のビジネスを円滑かつ安全に進める上で極めて重要な業務である。

しかし、これらの多岐にわたるセキュリティ運用業務を、人手に頼りきりで行うことには限界がある。サイバー攻撃は日々進化し、その量も種類も爆発的に増えているため、人間が手作業で全ての脅威を監視し、分析し、対応することは事実上不可能に近い。例えば、数百万件にも及ぶログを手作業で一つ一つ確認することは現実的ではなく、重要な脅威を見落とすリスクが高まる。また、脅威が検知されてから人間が判断し対応を開始するまでに時間がかかれば、その間に被害が拡大してしまう可能性もある。このような状況下では、迅速かつ網羅的な対応が求められるため、「自動化不足」はセキュリティレベルの低下に直結する深刻な課題となるのである。

さらに、「人に依存した運用」は、セキュリティ担当者にかかる負担の増大と、業務の属人化という問題も引き起こす。特定の専門家しか対応できない業務が増えれば、その担当者の休暇や退職、異動といった際に業務が滞るリスクがある。また、専門知識が一部の人間に集中することで、組織全体としてのセキュリティ対応能力が向上しにくくなる。常に神経を尖らせて監視・分析・対応を行う業務は、担当者の心身に大きな負担を与え、ヒューマンエラーの発生確率も高めてしまう。結果として、運用コストは増大し、セキュリティの品質は担当者のスキルや状況に左右される不安定なものになってしまうのだ。

こうした課題を解決し、現代のセキュリティ脅威に対抗するために不可欠なのが「自動化」である。セキュリティ運用の自動化は、定型的な監視タスク、ログの初期分析、脅威情報の収集、特定のインシデント発生時の初期対応などを機械に任せることを意味する。例えば、特定のマルウェアを検知した場合に、自動的に感染端末をネットワークから隔離したり、対応担当者にアラートを送信したりするシステムを構築することが可能になる。これにより、対応速度は劇的に向上し、人間が見落とす可能性のある脅威も確実に検知できるようになるため、セキュリティの精度と信頼性が大幅に高まる。

自動化はまた、限られたセキュリティ人材の有効活用を可能にする。単純作業や繰り返し発生するタスクを自動化することで、セキュリティ担当者は、より高度な脅威分析、セキュリティ戦略の立案、新たな攻撃手法への対策検討など、人間が本来集中すべき重要な業務に時間を割けるようになる。これは、人材不足に悩むセキュリティ業界において、極めて大きなメリットとなる。セキュリティ運用のプロセス全体を自動化ツールやスクリプトを用いて最適化することで、組織全体のセキュリティ体制をより堅牢で効率的なものへと進化させられるのだ。

システムエンジニアを目指す皆さんにとって、このようなセキュリティ運用の自動化は、将来のキャリアにおいて非常に重要な分野となるだろう。セキュリティ自動化ツール(例えば、セキュリティオーケストレーション・自動応答プラットフォームといったツール)の導入・構築・運用に携わったり、既存のシステムと連携するためのAPI開発やスクリプト作成を行ったり、セキュリティ運用プロセス自体を設計・改善したりと、SEが貢献できる領域は多岐にわたる。クラウド環境の普及やIoTデバイスの増加に伴い、セキュリティ対策の複雑性は増す一方であり、自動化技術は今後ますますその重要性を高めていくことは確実である。

今回のフォーティネットの調査結果は、現代社会におけるセキュリティの課題とその解決策の方向性を明確に示している。セキュリティ運用の自動化は、もはや効率化のための選択肢ではなく、増え続けるサイバー脅威から企業を守り、持続可能なITインフラを構築するための必須要件となっている。システムエンジニアとして、この自動化の波に乗り、セキュアな未来を築くための技術と知識を身につけることが、これからの時代に求められる重要な資質となるだろう。

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