【ITニュース解説】🐞 Troubleshooting 16 KB Page Size Issues
2025年09月12日に「Dev.to」が公開したITニュース「🐞 Troubleshooting 16 KB Page Size Issues」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
AndroidアプリをGoogle Playに公開するには、16KBページサイズ要件への対応が必須だ。ネイティブライブラリが原因でエラーが出やすいが、NDKやSDK、サードパーティライブラリを最新版に更新することで解決できる。最新ツールで互換性を確保しよう。
ITニュース解説
Androidアプリの開発を進めていると、「16KBページサイズ」という言葉に出会うことがあるかもしれない。これは、Androidアプリがメモリ(記憶領域)をどのように利用し、管理するかに関わる重要な要件であり、特にAndroid 15以降のデバイスやGoogle Playでの公開において非常に重要となる。システムエンジニアを目指す初心者にとっても、この概念とその対応方法は、今後のアプリ開発で直面する可能性のある課題の一つとして理解しておくべき点である。
コンピュータは、メモリを小さなブロックに区切って管理している。この一つ一つのブロックを「ページ」と呼ぶ。従来のAndroidシステムでは、このページのサイズが4KB(キロバイト)が一般的だった。しかし、最近のAndroid OS、特にAndroid 15以降では、メモリ管理の効率化やパフォーマンスの向上、セキュリティの強化を目指し、このページサイズを16KBに変更する動きが進められている。Google Playは、このような新しいメモリ管理に対応したアプリを要求しており、アプリが適切に16KBページサイズに対応していない場合、アプリが正常に動作しなかったり、最悪の場合Google Playで公開できなくなったりする可能性がある。
この問題が顕著になるのは、主にアプリ内で使用される「ネイティブライブラリ」と呼ばれる種類のファイルが関係している。ネイティブライブラリとは、AndroidアプリがJavaやKotlinだけでなく、CやC++といったプログラミング言語で書かれたコード(例えば、ゲームエンジンや画像処理ライブラリなど、高速な処理が必要な部分)を利用するためのもので、通常「.so」という拡張子を持つファイルとしてアプリに組み込まれている。これらのネイティブライブラリが、古い4KBページサイズに合わせて作られていると、新しい16KBページサイズ環境で問題を引き起こすのだ。
以下に、この16KBページサイズの問題に関連してよく発生するエラーと、その解決策について具体的に説明する。
まず一つ目のエラーは「INSTALL_FAILED_INVALID_APK: unsupported ELF page size」というメッセージが表示されてアプリがインストールできないケースである。これは、アプリに含まれるネイティブライブラリ(.soファイル)が、新しい16KBページサイズに対応しておらず、古い4KBページサイズにしか対応していないことが原因で発生する。この問題を解決するには、ネイティブライブラリをビルドするためのツールセットであるNDK(Native Development Kit)を、16KBページサイズに対応した最新バージョン(r26以降)に更新する必要がある。具体的には、sdkmanagerコマンドを使ってNDKのバージョン26.1.10909125をインストールし、次にAndroidプロジェクトのandroid/gradle.propertiesファイル内でANDROID_NDK_VERSIONをこの新しいバージョンに設定する。設定変更後には、./gradlew clean assembleReleaseコマンドを実行して、古いビルド成果物を完全に削除し、アプリ全体をクリーンな状態から再ビルドすることが重要である。これにより、更新されたNDKを使ってネイティブライブラリが16KBページサイズに対応した形式で再生成される。
二つ目のエラーとして「ELF header missing or corrupted when checking with readelf」というメッセージに遭遇することがある。これは、アプリのパッケージファイルであるAPKからネイティブライブラリ(.soファイル)を抽出して、その詳細情報を確認しようとした際に発生する。原因としては、抽出した.soファイル自体が壊れていたり、正しく抽出されていなかったりすることが考えられる。この問題を解決するためには、まずunzip app-release.apk -d extracted_apkコマンドを使ってAPKファイルを正しい方法で解凍し、その後にextracted_apk/lib/arm64-v8a/といった適切なパスにある.soファイルに対してreadelfコマンドを実行するようにする。readelfは、実行可能ファイルや共有ライブラリのヘッダー情報を表示するツールであり、この情報からファイルのページサイズを確認できる。
三つ目のエラーは、開発中のアプリがエミュレータでは正常に動作するにもかかわらず、Android 15を搭載した実機デバイスで実行するとクラッシュしてしまうという現象である。この問題の主な原因は、アプリに組み込まれているサードパーティ製のSDK(ソフトウェア開発キット)やライブラリの一部が、まだ16KBページサイズに完全に対応していないことにある。アプリがクラッシュした場合、adb logcatコマンドを使ってデバイスのログを確認し、どのネイティブライブラリ(.soファイル)が原因でクラッシュしているのかを特定する必要がある。原因となるライブラリが特定できたら、そのライブラリの最新バージョンが16KBページサイズに対応しているかどうかをリリースノートなどで確認し、可能であれば更新する。もし更新バージョンが存在しない場合や、それでも問題が解決しない場合は、そのライブラリの開発者に問い合わせるか、一時的にアプリからそのライブラリを削除することを検討する必要がある。
四つ目のエラーは、上記の対応をすべて行ったにもかかわらず、Google Play Consoleでアプリをアップロードしようとすると「Your app must support 16 KB page sizes」という警告が表示され、アプリが16KBページサイズに対応していないと判定されてしまうケースである。これは、アプリの最終的な配布形式であるAAB(Android App Bundle)の中に、まだ16KBページサイズに対応していないネイティブライブラリが残っている可能性を示唆している。この状況を完全に確認するためには、bundletoolというGoogleが提供するツールを利用する。まず、bundletool build-apks --bundle=app-release.aab --output=output.apksコマンドでAABファイルからAPKsファイルを生成し、次にunzip output.apks -d apksでAPKsファイルを解凍する。その後、find apks -name "*.so" | xargs -I {} readelf -h {} | grep "Page size"というコマンドを実行することで、AABに含まれるすべてのネイティブライブラリ(.soファイル)のページサイズを一括で確認できる。この確認結果で、すべての.soファイルが「16384」(16KBをバイトで表したもの)と表示されることを確認する。もし一つでも「4096」(4KB)と表示されるファイルがあれば、その特定のライブラリが問題の原因であるため、再度そのライブラリの更新や再ビルドを試みる必要がある。
これらのトラブルシューティングを通じて、Androidアプリ開発における16KBページサイズ対応の重要性が理解できたことだろう。最終的なベストプラクティスとしては、常に開発環境を最新の状態に保つことが挙げられる。具体的には、Android Gradle Plugin(バージョン8.5以上)、NDK(バージョン26以上)、そしてcompileSdkVersionとtargetSdkVersionを最新の35に設定することが推奨される。これらのツールや設定を最新の状態に保つことは、Android 15以降の新しいOSバージョンとの将来的な互換性を確保し、Google Playでのアプリ公開要件に確実に対応するために不可欠である。これにより、予期せぬエラーを防ぎ、より安定したアプリをユーザーに提供できるようになる。