【ITニュース解説】Untitled
2025年09月14日に「Dev.to」が公開したITニュース「Untitled」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
著者がWeb開発環境CodePenで制作した作品が公開された。ブラウザでコードと動作を直接確認できるため、Web技術の仕組みを学ぶ良い機会となるだろう。
ITニュース解説
このCodePenの記事は、ウェブブラウザ上で動く美しいインタラクティブなアニメーションがどのように作られているかを示している。マウスカーソルに追従する光の筋や、背景でゆっくりと動くグリッド状のパーティクル(小さな光の粒)が特徴だ。システムエンジニアを目指す初心者にとって、このような動的なウェブコンテンツがどのような技術で構成されているかを理解することは、今後の学習の大きな助けになるだろう。
このようなウェブページを作るには、主にHTML、CSS、JavaScriptという3つの基本的な言語が使われる。HTMLはウェブページの構造を定義し、CSSはその見た目を整える。そして、JavaScriptはページに動きやインタラクティブな要素を与える、つまりユーザーの操作に応じて変化する機能を実現する役割を担う。
今回の記事では、HTMLは非常にシンプルに構成されている。最も重要なのは、<canvas>という要素が使われている点だ。これは、ウェブページ上に描画領域を確保するための特別なタグで、初期状態ではただの透明な箱に過ぎない。しかし、JavaScriptを使ってこの<canvas>要素に絵を描いたり、アニメーションを表示したりできるようになる。言わば、画家が絵を描くための真っ白なキャンバスのような役割を果たす。
CSSは、この<canvas>要素やその他のウェブページの基本的な見た目を設定する。例えば、<canvas>がブラウザの表示領域全体に広がるようにしたり、アニメーションの背景色を真っ黒にしたり、マウスカーソルがアニメーションの上に現れないようにしたりといったスタイルがCSSで定義されている。これにより、アニメーションが画面全体を覆い、ユーザーが没入できるような視覚体験が提供される。
そして、このアニメーションの核心はJavaScriptにある。JavaScriptは、まずHTMLで用意された<canvas>要素を特定し、それを使って絵を描くための準備を行う。この描画機能を提供するのが「Canvas API」と呼ばれるもので、JavaScriptから線を描いたり、四角形や円を塗ったり、特定の色を指定したりといった様々な描画命令を<canvas>要素に対して実行できる。このAPIを使うことで、プログラムが直接ピクセル単位での描画を制御し、複雑なグラフィック表現を可能にしている。
この記事のアニメーションは、単に静止画を表示しているわけではない。ユーザーのマウスの動きに反応し、常に変化し続けている。これは、JavaScriptがマウスの「移動(mousemove)」というイベントを継続的に監視しているためだ。マウスが動くたびに、JavaScriptはその新しい位置情報を取得し、その情報に基づいて新しい光の粒や線を描画する処理を開始する。これにより、ユーザーの操作が直接アニメーションに反映されるインタラクティブ性が実現されている。
アニメーションを実現するために、JavaScriptは「requestAnimationFrame」という特別な関数を利用している。これは、ブラウザが次の画面更新を行うタイミングに合わせて、指定した関数を繰り返し実行するように指示するものだ。コンピュータの画面は通常、秒間数十回という速さで更新されているが、requestAnimationFrameを使うことで、このブラウザの描画サイクルとアニメーションの更新を同期させることができる。これにより、アニメーションは非常に滑らかで、目に自然に映る動きを実現し、電力消費も効率的に抑えられる。もしこの機能を使わず、一定時間ごとに無理やり描画を繰り返すと、アニメーションがカクついたり、ブラウザの負荷が高まったりする可能性がある。
具体的な描画内容を見てみると、多数の小さな「光の粒」が個別に存在し、それぞれが独自の動きをしていることがわかる。これは「パーティクルシステム」と呼ばれる技術で、個々の粒(パーティクル)がそれぞれ位置、速度、色、透明度、寿命といったデータを持っており、JavaScriptの計算によってそれらが時間とともに変化していく。例えば、あるパーティクルは時間の経過とともに徐々に透明度を増して消えていったり、また別のパーティクルは特定の方向に加速して移動したりする。これらの粒が多数集まり、相互作用したり、独立して動いたりすることで、全体として複雑で美しい視覚効果が生み出されている。
このアニメーションでは、これらの多数のパーティクルや線を効率的に管理するために、オブジェクト指向プログラミングの概念が活用されている。例えば、「Particle」というクラスが定義されており、これは「光の粒」の設計図のようなものだ。この設計図から多数のParticleオブジェクト(個々の光の粒の実体)が生成され、それぞれが独自の状態(現在の位置、速度、色など)と振る舞い(移動、描画、消滅といった処理)を持つ。同様に、マウスの軌跡を表す「Line」というクラスも定義され、線の生成、更新、描画を管理している。このようにクラスとオブジェクトを使うことで、複雑な要素の集合体を整理し、プログラム全体の構造を理解しやすく、また拡張しやすくしている。
マウスの動きに追従する光の筋は、マウスが移動するたびに新しいLineオブジェクトが生成され、その線が時間経過とともに徐々に薄くなりながら消えていくように描画されている。また、背景のグリッドも、多数のパーティクルとそれらを結ぶ線が時間とともに変化したり、生成・消滅したりすることで、全体として有機的な動きを生み出している。これらの動きは、JavaScriptが座標や速度、距離といった数学的な計算を駆使して実現しているものだ。例えば、パーティクル間の距離を計算して一定以上離れていない場合にのみ線を描画したり、時間経過に応じて色の明るさや透明度を調整したりする。特に、移動の方向や速さを扱う際には「ベクトル」という数学的概念が使われ、これによって滑らかで現実感のある動きが表現されている。
このように、HTMLで描画領域を確保し、CSSで見た目を整え、そしてJavaScriptがCanvas APIを使って複雑な描画命令を実行し、イベントリスナーでユーザーの操作を検知し、requestAnimationFrameでアニメーションを滑らかに更新し続けることで、このようなリッチでインタラクティブなウェブコンテンツが実現されている。システムエンジニアを目指す上で、このようなウェブの動的な振る舞いを支える技術要素の組み合わせと、それらがどのように連携して動作するかを理解することは、非常に重要な一歩となるだろう。