【ITニュース解説】Visual Studio Code、AGENTS.md対応、言語モデルの自動選択機能の追加、拡張機能から言語モデルを提供するAPIを実装 ——Hugging Faceなどの拡張機能からも最新のオープンモデルが使えるように
2025年09月12日に「Gihyo.jp」が公開したITニュース「Visual Studio Code、AGENTS.md対応、言語モデルの自動選択機能の追加、拡張機能から言語モデルを提供するAPIを実装 ——Hugging Faceなどの拡張機能からも最新のオープンモデルが使えるように」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Visual Studio Codeがアップデートされ、AGENTS.mdに対応し、AIの言語モデル自動選択機能を追加した。拡張機能から言語モデルを提供できるAPIを実装したことで、Hugging Faceなど多様なオープンAIモデルをVS Code上で直接利用できるようになり、開発効率向上に貢献する。
ITニュース解説
Visual Studio Code(VS Code)は、ソフトウェア開発に欠かせない統合開発環境の一つだが、2025年9月11日にリリースされたAugust 2025(version 1.104)のアップデートは、特にAIを活用した開発の未来を大きく拓く重要な内容を含んでいる。この最新版では、AIアシスタントの振る舞いを細かく定義できる「AGENTS.md」への対応、タスクに応じて最適なAIモデルを自動で選ぶ「言語モデルの自動選択機能」、そして外部のAIモデルをVS Code内で利用可能にする「拡張機能から言語モデルを提供するAPI」の三つの主要な機能が追加された。これらの機能は、開発者がAIをより効果的かつ柔軟に利用し、開発プロセスを劇的に改善するための強力なツールとなる。
まず、「AGENTS.md」への対応について説明する。VS Codeには、GitHub Copilot ChatのようなAIアシスタント機能が搭載されており、開発者の質問に答えたり、コードの提案をしたりして、開発作業を強力に支援している。このAIアシスタントは、特定の「エージェント」、つまりAIの役割として振る舞うことができる。今回のアップデートでは、「AGENTS.md」という専用のファイルを使うことで、このエージェントの振る舞いや得意分野、対応範囲をより詳細に、そしてプロジェクトごとにカスタマイズできるようになる。例えば、あるプロジェクトではAIアシスタントに「データベースの設計に特化した専門家として振る舞い、SQLに関する質問にのみ答える」といった指示を与えたり、別のプロジェクトでは「コードのセキュリティレビューを専門とし、潜在的な脆弱性を検出する」といった具体的な役割を定義したりできる。これにより、開発者は、プロジェクトの特性や現在行っているタスクに応じて、AIアシスタントの専門性を最大限に引き出し、より的確で質の高いサポートを受けられるようになる。これは、AIアシスタントがより賢く、開発者の意図に沿った形で機能することを意味し、開発効率の向上に大きく貢献する。
次に、「言語モデルの自動選択機能」の追加について解説する。ここでいう「言語モデル」とは、AIが膨大なテキストデータから人間の言葉の規則や意味を学習し、その知識に基づいて文章を生成したり、質問に答えたりするAIの「脳」のようなものである。世の中には様々な特徴を持つ言語モデルが存在し、それぞれ得意なタスクや処理能力、リソースの消費量が異なる。例えば、非常に複雑な質問に深く答えることができる大規模なモデルもあれば、コードの一部を高速で生成することに特化した軽量なモデルもある。これまでの開発環境では、ユーザーが手動でどのAIモデルを利用するかを選択する必要があったが、今回のアップデートにより、VS Codeがユーザーのプロジェクトの文脈や、実行しようとしているタスクの内容(例えば、コードの生成、バグの修正、ドキュメントの作成など)を自動的に判断し、そのタスクに最も適した言語モデルを賢く選択してくれるようになった。これにより、開発者はAIモデルの選択に時間を費やすことなく、常に最適なAIアシスタンスを享受できるようになる。この機能は、AIによる処理の高速化、提供される情報の精度の向上、そしてAIの利用に伴う計算リソースのコスト最適化といった複数のメリットをもたらし、開発者はよりスムーズに、効率的に開発作業を進めることができる。
そして、「拡張機能から言語モデルを提供するAPI」の実装も今回の大きな目玉である。VS Codeは、その基本的な機能に加えて、世界中の開発者が作成した「拡張機能」と呼ばれる追加機能をインストールすることで、機能を無限に拡張できる点が最大の特徴だ。このアップデートで実装された「API(Application Programming Interface)」とは、異なるソフトウェアやサービス同士が互いに情報をやり取りするための「窓口」や「通信規約」のようなものだと理解すると良い。この新しいAPIが提供されたことで、Hugging Faceのような、多種多様なAIモデルを公開・共有しているプラットフォームや、その他のAIサービス提供者が、自社の開発した言語モデルをVS Codeの拡張機能として提供できるようになる。これまでは、VS Codeが公式にサポートする特定の言語モデルしか利用できなかったが、このAPIの登場により、開発者はHugging Faceなどで公開されている最新のオープンモデルや、特定のプログラミング言語、特定の業界、特定のタスクに特化した専門性の高いAIモデルを、VS Codeの環境内で直接利用することが可能になる。これにより、開発者は自身のプロジェクトの具体的な要件やニーズに合わせて、最も適したAIモデルを自由に選択し、開発環境を柔軟にカスタマイズできるようになる。これは、AI活用の選択肢を大きく広げ、開発者がより多様なAIの力を活用して、これまでにない価値を生み出す可能性を開くものである。
これらの三つの新機能は、それぞれ独立しているようでいて、AIと開発環境の連携を深め、ソフトウェア開発の未来を大きく形作る重要な要素である。AIはもはや単なる補助ツールではなく、開発者の高度なパートナーとして、パーソナライズされ、文脈を理解した上で協調作業を行う時代が到来しようとしている。システムエンジニアを目指す初心者にとって、これらのVS Codeが提供するAI機能の進化を理解し、使いこなすことは、現代のソフトウェア開発の最前線で活躍するための不可欠なスキルとなるだろう。未来のソフトウェア開発は、AIとの密接な協調作業が中心となることは確実であり、このアップデートはその一歩を強く踏み出したと言える。