【ITニュース解説】Wpscanを実行してログ分析してみた
2025年09月13日に「Qiita」が公開したITニュース「Wpscanを実行してログ分析してみた」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
WordPressのセキュリティ診断ツールWPScanを実行し、得られたログをSplunkで分析。ログ分析やセキュリティ診断を実践的に学ぶため、自らログを作成・解析した。
ITニュース解説
この記事は、世界中で広く利用されているウェブサイト作成ツールであるWordPressのセキュリティ上の弱点(脆弱性)を専門ツールで検出し、その検出結果やシステムの活動記録(ログ)を分析する一連の作業について解説するものである。システムエンジニアを目指す上で、ウェブサイトの安全を確保し、問題発生時に原因を特定する能力は非常に重要であり、ここで紹介される技術や概念はその基礎をなす。
まず、ウェブサイトの土台となる「WordPress」について説明する。WordPressは、世界中で最も普及しているコンテンツ管理システム(CMS)の一つで、専門的なプログラミング知識がなくても、ブログや企業のウェブサイト、ECサイトなどを手軽に構築できるのが特徴だ。豊富なテーマやプラグインを利用して機能を拡張できるため、多くの個人や組織が利用しているが、それゆえにセキュリティ対策は特に重要視される。
ウェブサイトの安全を守る上で欠かせないのが「脆弱性診断」である。ウェブサイトやアプリケーションには、プログラムの不具合や設定ミスなどによって、攻撃者に悪用される可能性のある弱点(脆弱性)が潜んでいることがある。これらの脆弱性が放置されると、個人情報の流出、ウェブサイトの改ざん、システムの乗っ取りといった重大な被害につながる可能性がある。脆弱性診断とは、こうした潜在的な弱点がないかを専門のツールや手法を用いて検査し、問題点を洗い出す作業のことだ。これは、ウェブサイトのセキュリティリスクを未然に防ぐための重要なプロセスと言える。
今回の記事では、WordPressの脆弱性診断に特化したツール「WPScan」が用いられた。WPScanは、WordPressのバージョン情報、導入されているプラグインやテーマの種類、ユーザーアカウント情報などを自動で収集し、それらに既知の脆弱性がないかを効率的にチェックする。診断結果として、発見された脆弱性の情報や、対応すべき推奨事項などをレポート形式で出力してくれる。
このWPScanを実行するために利用されたのが、「Kali Linux」というオペレーティングシステム(OS)だ。Kali Linuxは、セキュリティテストやフォレンジック(デジタル鑑識)を目的として開発されており、WPScanを含め、多くのセキュリティ診断ツールや解析ツールがあらかじめパッケージ化されている。そのため、セキュリティ専門家や学習者がこれらのツールをすぐに利用できる環境が整っている点が特徴である。
診断の対象となったWordPressは、「Alma Linux」という別のOS上で稼働していた。Alma Linuxは、サーバー用途に特化されたオープンソースのLinuxディストリビューションで、安定性やセキュリティの高さから、企業のシステム基盤などでも広く採用されている。このように、脆弱性診断を行う際には、診断ツールを実行する環境(Kali Linux)と、診断対象のシステムが動作する環境(Alma Linux)を明確に区別して運用するのが一般的だ。
WPScanによる診断が実行されると、その活動内容は「ログ」として記録される。ログとは、システム上で発生したあらゆる出来事、例えばウェブサイトへのアクセス履歴、エラー情報、特定のツールの実行状況などが、時系列に沿って記録されたファイルのことである。これらのログは、システムの健全性を監視したり、セキュリティ上の問題が発生した際に、何が起きたのか、どのように侵入されたのかといった原因を特定するための重要な手がかりとなる。しかし、現代のシステムは膨大な量のログを生成するため、人間が手作業で分析することは現実的ではない。
そこで今回の記事では、「Splunk」という強力なログ分析ツールが活用された。Splunkは、多種多様な形式のログデータを一元的に収集し、高速に検索、分析、可視化できるプラットフォームである。WPScanが出力した診断ログや、WordPressが稼働するウェブサーバーが生成するアクセスログなどをSplunkに取り込むことで、大量のログの中から特定の情報(例えば、特定の脆弱性に関連するログ、異常なアクセスパターンなど)を効率的に探し出したり、それらの情報をグラフやダッシュボードとして分かりやすく表示したりすることが可能になる。これにより、セキュリティの問題点をより深く理解し、具体的な対策を立案するための洞察を得ることができる。
まとめると、この記事で示された一連の作業は、WordPressという人気のあるウェブサイト作成ツールに潜むセキュリティ上の弱点を、専門の診断ツール(WPScan、Kali Linux)を用いて特定し、その診断結果を含むシステムの活動記録(ログ)を、高度な分析ツール(Splunk)で詳細に調査することで、システムのセキュリティレベルを向上させるための実践的な方法を示している。システムエンジニアを目指す者は、単にシステムを構築するだけでなく、そのシステムを継続的に安全に保ち、問題発生時に迅速かつ正確に対応するための知識とスキルを身につけることが求められる。脆弱性診断は予防策であり、ログ分析は問題の早期発見と原因究明に不可欠な手段である。これらの技術を習得することは、堅牢で信頼性の高いシステムを設計・運用するための非常に重要なステップとなるだろう。