【ITニュース解説】From Zero to AI Agent: My Journey into Java-based Intelligent Applications
2025年09月16日に「Dev.to」が公開したITニュース「From Zero to AI Agent: My Journey into Java-based Intelligent Applications」について初心者にもわかりやすく解説しています。
ITニュース概要
Java開発者が「AIは流行」からJavaでのAIエージェント開発に挑戦した道のり。Pythonではなく慣れたJavaで、AnthropicのModel Context Protocol (MCP) を活用し、AIが自然言語で外部ツールを動的に連携・実行する仕組みを構築した。
ITニュース解説
AIが単なる流行の言葉ではなく、実際に自律的に動作するようなアプリケーション、いわゆる「エージェントアプリ」をJavaで構築しようと筆者が決意した話である。当初、多くの人がAI開発にはPythonが主流だと助言したが、長年のJava開発経験を持つ筆者は、自身が最も得意とするJavaで堅牢なAIシステムを構築することにこだわった。これは、当時目にした多くのAIデモが、どこか脆く不安定に感じられたことも背景にある。こうした決意が、夜間のコーディングやデバッグを重ね、JavaでAIエージェントを構築する道を切り開くきっかけとなった。
この開発の転機となったのは、AIモデルが外部のツールやデータソースと標準化された方法で連携するためのプロトコルである、Model Context Protocol(MCP)の発見であった。MCPが登場する以前は、「ユーザーが特定の言葉を言ったら、このAPIを呼び出す」といったように、事前にあらゆる条件をコードに記述する必要があった。しかしMCPのおかげで、AIモデルが自然言語による要求を理解し、その要求を満たすために利用可能なツールを自律的に発見し、それらを組み合わせて使用できるようになるという、画期的な変化がもたらされた。例えば、「ニューヨークの天気予報をファイルに保存して」とAIに指示するだけで、AIは天気データを取得するツールと、データをファイルに書き込むツールをそれぞれ見つけ出し、両者を連携させて一連の操作を完了させることが可能になるのだ。これにより、開発者が一つ一つの処理手順を細かくハードコードする必要がなくなり、より柔軟で高度な知能を持つアプリケーションの構築が可能になった。
MCPの概念に触発された筆者は、早速Java SDKを用いて簡単な「Hello World」プログラムを構築した。これは、JavaコードからMCPクライアントを介してwrite_fileというツールを呼び出し、指定したパスに「Hello from Java MCP client!」という内容のファイルを生成するものであった。プログラムが実際に動作し、JavaアプリケーションがAIプロトコルを通じてファイルを生成した瞬間は、筆者にとって大きな感動であった。しかし、この最初の成功からすぐにいくつかの重要な課題に気づいた。一つは、ツールの発見がまだ手動で行われていた点である。AIが自律的にツールを見つけて選択するのではなく、どのMCPサーバーに接続し、どのツールを使用するかを開発者がコード内で直接指定する必要があったのだ。もう一つは、自然言語の理解が非常に限定的であったことである。最初のバージョンは、「ユーザーが『ファイルを保存する』と言ったら、write_fileツールを呼び出す」というような、非常に単純で硬直したロジックに基づいていたため、真のAIによる自然言語理解とは言えなかった。より知的な動作を実現するためには、大規模言語モデル(LLM)がツールを実行する必要性を理解し、それを呼び出すための仕組みをコードとして実装する必要があると筆者は学んだ。
これらの初期の課題を克服するために、筆者は開発を継続し、いくつかの重要な進展を遂げた。まず、複数のMCPサーバーに同時に接続できるシステムを構築し、AIエージェントが利用できるツールやサービスの範囲を大幅に広げた。次に、大規模言語モデル(LLM)をシステムに統合することで、ユーザーの自然言語による要求から、適切なツールを自動的に選択し、実行する機能を実装した。これにより、ユーザーは「プレーンな英語」で複雑な操作をAIエージェントに要求できるチャットインターフェースが実現し、例えば「このデータを使ってレポートを作成し、それをメールで送って」といった具体的な指示をAIエージェントが理解し、複数のツールを組み合わせて処理を実行できるようになった。さらに、Groq、Gemini、OpenAIといった複数のAIプロバイダーとの統合も行い、利用可能なAIモデルの選択肢を拡大した。
これらの開発を通じて、筆者はAIエージェント構築における最も重要な教訓を得た。それは、AIエージェントの構築は、AIそのものの完璧さを追求することだけが目的ではない、ということである。むしろ、既存の技術とAIを組み合わせることで、これまで実現できなかった新しい機能や振る舞いを持つシステムを創造することこそが本質であると理解した。AIは全ての問題を魔法のように解決する万能のツールではなく、知的な挙動を実現するための強力な手段の一つであり、それをいかにシステム全体に効果的に組み込むかが重要なのである。
筆者がこの一連の経験を共有しようと決意したのは、Javaで実用的なAIアプリケーションを構築するための具体的な情報源が、開発を始めた時点では非常に限られていたためである。自身の試行錯誤や困難な道のりを通じて得た知識を公開することで、他のJava開発者やAI技術に関心を持つ人々が、同じような苦労をすることなく、より効率的にAIエージェント開発のノウハウを習得し、新しい挑戦ができるよう支援したいという強い思いがある。今後の記事では、Model Context Protocolの内部動作の詳細、最初のマルチサーバーMCPクライアントの構築方法、LLMを用いた自然言語によるツール選択の具体的な手順、開発中に直面したデバッグの困難とその回避策、そしてLLMがツールを選択するためのアーキテクチャパターンについて、実践的な内容が共有される予定である。これらの情報は、単なる完璧なデモンストレーションではなく、実際の開発で得られた生の知見と学びに基づいており、これからAIエージェント開発に挑戦する人々にとって、非常に価値のある実践的なガイドとなるだろう。この連載は、AIの可能性をJavaで具体的に形にするための道筋を示してくれるはずだ。