アクセスポイントモード(アクセスポイントモード)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
アクセスポイントモード(アクセスポイントモード)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
アクセスポイントモード (アクセスポイントモード)
英語表記
Access Point Mode (アクセスポイントモード)
用語解説
アクセスポイントモードとは、無線LANルーターが持つ複数の機能のうち、純粋に無線LANアクセスポイントとしての機能のみを有効にする動作モードのことである。通常、無線LANルーターは、インターネットサービスプロバイダから提供される回線と接続し、その回線を複数のデバイスで共有するためのルーティング機能や、ネットワーク内のデバイスにIPアドレスを割り当てるDHCPサーバー機能、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換するNAT(Network Address Translation)機能など、多くの機能を一体として提供している。しかし、アクセスポイントモードでは、これらのルーティングやアドレス管理といった機能は停止され、有線LANと無線LANの間のデータ変換と無線通信の確立に特化して動作する。
このモードの主な目的は、既存のネットワークに無線LAN機能を追加することや、既存の無線LANの電波が届きにくいエリアのカバー範囲を拡張することにある。例えば、オフィスや家庭で既に別のルーターが設置されており、そのルーターがネットワークの中心として機能している場合、新たに設置する無線LAN対応機器をアクセスポイントモードで運用することで、既存ネットワークの構成を乱すことなく、無線LAN環境を導入または拡張できる。これにより、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどの無線対応デバイスが、既存ネットワークを通じてインターネットに接続できるようになる。
アクセスポイントモードで動作する無線LANルーターは、ネットワークの階層において、ルーターの下層に位置する「ブリッジ」として機能する。つまり、受信したデータをそのまま次の機器に転送する役割を担い、自身でIPアドレスの割り当てやルーティングといったネットワーク管理は行わない。具体的には、無線LANルーターが持つDHCPサーバー機能は無効化され、既存のルーターがネットワーク内のデバイスにIPアドレスを割り当てる。これにより、ネットワーク内に複数のDHCPサーバーが存在することによるIPアドレスの衝突や、ネットワークの不安定化といった問題を回避できる。同様に、NAT機能も既存のルーターが担うため、アクセスポイントモードの機器では停止されるのが一般的である。
機器をアクセスポイントモードに設定する際は、通常、LANポートの一つを既存のルーターやスイッチングハブなどのネットワーク機器に有線で接続する。このとき、アクセスポイントとして動作する機器自体のIPアドレスは、既存ネットワークのDHCPサーバーから自動的に割り当てられることが多いが、管理のしやすさのために手動で静的なIPアドレスを設定することも可能だ。手動で設定する場合、既存ネットワーク内の他のデバイスと重複しないアドレスを選び、サブネットマスクやデフォルトゲートウェイも正しく設定する必要がある。これにより、設定後にその機器の管理画面に容易にアクセスできるようになる。
アクセスポイントモードを利用する最大のメリットは、既存の有線LAN環境に手軽に無線LAN機能を追加できる点と、無線LANの電波が届きにくいエリアへのカバレッジを広げられる点である。例えば、広い家屋や複数のフロアを持つオフィスで、既存の無線ルーターの電波が届かない部屋やエリアがある場合、そこにアクセスポイントモードの機器を設置し、有線LANで接続することで、そのエリアでも快適な無線LAN環境を構築できる。また、有線LANポートしか持たないネットワーク対応デバイス(ネットワーク対応プリンターやNAS、ゲーム機など)を、アクセスポイントモードで運用している機器のLANポートに接続することで、それらのデバイスを無線LAN経由でネットワークに参加させることが可能になる場合もある。
しかし、注意点も存在する。アクセスポイントモードに正しく設定せず、既存のルーターがあるにもかかわらず、無線LANルーターをルーターモードのまま接続してしまうと、「二重ルーター」と呼ばれる状態に陥る可能性がある。二重ルーター状態では、ネットワークの通信速度が低下したり、一部のアプリケーションやオンラインサービスが正常に機能しなくなったりするなどの問題が発生しやすくなる。また、アクセスポイントモードに切り替えると、機器のIPアドレスが変更される場合があるため、設定変更後に管理画面にアクセスできなくなることがある。そのため、設定変更時には、その機器の新しいIPアドレスを把握しておくことが重要である。
多くの無線LANルーターは、設定画面内で「ルーターモード」「アクセスポイントモード」「中継器モード」などの動作モードを選択できるようになっている。これらのモードを適切に選択することで、ユーザーは自身のネットワーク環境に合わせて最適な形で無線LAN機器を運用できる。アクセスポイントモードは、既存のネットワークインフラを最大限に活用しつつ、無線LANの利便性と柔軟性を高めるための、現代のネットワーク環境において不可欠な機能モードの一つである。