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NAS(ナス)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

NAS(ナス)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ネットワーク接続ストレージ (ネットワークセツゾクストレージ)

英語表記

NAS (ナス)

用語解説

NAS(Network Attached Storage)は、ネットワークに直接接続され、ファイル共有機能を提供するストレージデバイスである。これは単なる外付けハードディスクとは異なり、独立したコンピューターシステムとして動作し、LANケーブルを通じて既存のネットワークに接続される。その目的は、ネットワーク上の複数のユーザーやデバイスが、あたかもローカルドライブであるかのように、共通のデータ領域にアクセスし、ファイルを保存、共有、管理できるようにすることにある。汎用的なファイルサーバーが多機能なOS上で構築されるのに対し、NASはストレージ機能に特化しているため、一般的に導入や管理が容易であり、小規模オフィスから大規模なエンタープライズ環境、さらには個人のデータ管理まで、幅広い用途で利用されている。

NASの動作原理は、内部にCPU、メモリ、そしてOS(多くは組み込みLinuxベース)を搭載した小型コンピューターと考えることができる。このOSはファイル共有サービスに特化しており、ユーザーはウェブブラウザを通じて設定画面にアクセスし、NASの各種機能を設定する。NASはネットワークに接続されると、IPアドレスが割り当てられ、ネットワーク上の他のデバイスからアクセス可能になる。ファイル共有プロトコルとしては、主にWindows環境で利用されるSMB/CIFS(Server Message Block/Common Internet File System)、Unix/Linux環境で利用されるNFS(Network File System)、Apple製品で利用されるAFP(Apple Filing Protocol)などがサポートされており、異なるOSのデバイス間でもシームレスなファイル共有が可能となる。

NASの主要な機能の一つに、データの冗長化と保護を実現するRAID(Redundant Array of Independent Disks)機能がある。これは複数のハードディスクドライブを組み合わせ、データを分散して書き込んだり、予備のデータを保存したりすることで、いずれかのディスクが故障してもデータが失われることを防ぐ技術である。例えば、RAID 1は同じデータを複数のディスクに同時に書き込むことで冗長性を確保し、RAID 5やRAID 6はパリティ情報を利用して複数のディスク故障に対応する。これにより、ディスク故障時にもサービスを停止することなくディスク交換が可能となり、データの可用性が高まる。また、NASはPCやサーバーからのデータバックアップ先としても利用され、定期的なバックアップ設定により、万一のデータ損失から重要な情報を保護する役割も担う。NAS自体が別のNASや外部ストレージ、あるいはクラウドストレージへデータをバックアップする機能を持つ製品も多い。

ファイル共有以外にも、NASは多岐にわたる機能を提供する。その一つがリモートアクセス機能であり、インターネット経由でNASに保存されたファイルにアクセスできる。これにより、外出先からでも必要なファイルを取り出したり、共有したりすることが可能になる。多くの場合、VPN(Virtual Private Network)機能や、メーカー独自のクラウドサービスと連携することで、セキュアなリモートアクセス環境を構築できる。また、NASはDLNA/UPnP(Digital Living Network Alliance/Universal Plug and Play)サーバー機能を持つことが多く、これを利用して写真、動画、音楽などのマルチメディアコンテンツをネットワーク上の対応デバイス(スマートテレビ、スマートフォンなど)へストリーミング配信することも可能である。

ユーザー管理機能も重要な要素である。NASは、個々のユーザーアカウントやグループを作成し、それぞれのユーザーに対して特定の共有フォルダへのアクセス権限(読み取り、書き込み、実行など)を細かく設定できる。これにより、機密性の高いデータを特定のユーザーのみに公開し、セキュリティを確保することが可能となる。また、SOHOや中小企業向け製品では、Active Directory連携に対応し、既存のユーザー認証システムと統合できるものも存在する。さらに、スナップショット機能は、特定の時点でのファイルシステムの情報を記録し、万一ファイルが誤って削除されたり、ランサムウェアに感染したりした場合でも、過去の状態に復元することを可能にする。これはバックアップとは異なり、ファイルのバージョン管理や迅速な復旧に役立つ。

NASを導入する主なメリットは、データの集中管理による利便性の向上と、データ保護の強化にある。複数のPCやデバイスに分散していたファイルをNASに集約することで、データの検索や共有が容易になり、業務効率が向上する。RAIDによるデータ冗長化とバックアップ機能により、ハードディスク故障や誤操作によるデータ損失のリスクを大幅に低減できる。また、汎用サーバーと比較して、NASは導入コストや運用コストが比較的低く、省電力設計の製品も多いため、経済的な選択肢となる場合が多い。必要に応じてドライブを増設することで容量を拡張できるスケーラビリティも魅力である。

しかし、NASの導入にはいくつかの考慮点も存在する。NASはネットワーク経由でデータにアクセスするため、ネットワークの帯域幅が狭い場合や、同時に多くのユーザーがアクセスする場合には、データ転送速度が低下し、ボトルネックとなる可能性がある。また、NAS本体が故障した場合、たとえRAIDによってデータが保護されていても、NASサービス自体が停止するリスクがある。そのため、重要な業務で利用する場合には、NAS本体の冗長化や、障害発生時の復旧計画を考慮する必要がある。セキュリティも重要な課題であり、適切なアクセス権限設定や、ネットワーク全体でのセキュリティ対策(ファイアウォール、ウイルス対策など)を怠ると、不正アクセスやデータ漏洩のリスクに晒される。NASは通常、ウェブインターフェースを通じて管理されるため、初期設定やトラブルシューティングにはある程度のネットワークやストレージに関する知識が求められる場合がある。このように、NASは多くの利便性を提供する一方で、その運用には適切な知識と管理が不可欠である。

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