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バックアップサイト(バックアップサイト)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

バックアップサイト(バックアップサイト)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

バックアップサイト (バックアップサイト)

英語表記

backup site (バックアップサイト)

用語解説

バックアップサイトとは、企業や組織が運用するメインのシステム(本稼働システム)が、災害や大規模なシステム障害などによって機能停止に陥った際に、その機能を代替し、事業の継続を可能にするために用意された予備の拠点を指す。これは、システムが停止することで発生する経済的損失や社会的な信用失墜を防ぐための、極めて重要な備えである。近年の社会では、ITシステムが停止すると事業活動そのものが成り立たなくなるケースが多いため、いかに迅速にシステムを復旧させ、サービス提供を再開できるかが企業の存続を左右すると言っても過言ではない。バックアップサイトの準備は、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の中核をなす要素の一つであり、予期せぬ事態に備え、企業のレジリエンス(回復力)を高める上で不可欠な投資となる。

バックアップサイトの主な役割は、メインサイトで稼働しているITサービスや業務システムが停止した場合に、その機能を迅速に引き継ぎ、事業の中断期間を最小限に抑えることにある。これにより、顧客へのサービス提供を継続し、ビジネスオペレーションが滞ることを防ぎ、企業の信頼性と競争力を維持する。どのような規模の災害や障害が発生しても、ITシステムの可用性、すなわち「いつでも利用できる状態であること」を保証するための重要な戦略的手段である。

バックアップサイトには、主に「ホットサイト」「ウォームサイト」「コールドサイト」の三つの種類があり、それぞれ異なる特性とコスト、そして復旧に要する時間を持つ。

まず「ホットサイト」は、最も高いレベルの事業継続性を提供するバックアップサイトである。これは、メインシステムとほぼ同等の設備が常に稼働しており、データもリアルタイム、あるいは非常に短い間隔で同期されている状態を指す。メインサイトで障害が発生した場合、ほとんどタイムラグなく、あるいはごく短時間でバックアップサイトに切り替えることが可能で、サービス停止時間を限りなくゼロに近づけることができる。システムの切り替えは自動的に行われることが多く、利用者から見てもシステムが停止したことを認識させないレベルでの復旧を目指す。しかし、常にメインサイトと同等の設備を維持し、データを同期し続ける必要があるため、構築および運用にかかるコストは非常に高額になる。金融機関や通信キャリアなど、わずかなサービス停止も許されない、社会的に重要なシステムを運用する企業で採用されることが多い。

次に「ウォームサイト」は、ホットサイトとコールドサイトの中間に位置するバックアップサイトである。メインサイトと同等の設備が整っている点はホットサイトと共通するが、データ同期はリアルタイムではなく、数時間から1日程度の一定間隔で行われる。また、アプリケーションの一部設定や、利用者の接続設定などを切り替え時に手動で調整する必要がある場合もある。そのため、メインサイトが停止してからバックアップサイトでのサービス再開までには、数時間から半日程度の時間を要する。ホットサイトに比べて構築・運用コストは抑えられるが、復旧までの時間がかかる分、サービス停止期間が発生する。ある程度のサービス停止が許容されるが、それでも迅速な復旧が求められるビジネスで利用されることが多い。

最後に「コールドサイト」は、最もコストを抑えられるバックアップサイトだが、復旧までに最も時間がかかる。このサイトは、建物や電源、空調設備といった基本的なインフラのみが用意されており、サーバーやストレージなどのIT機器は通常配置されていない。メインサイトで障害が発生した場合、バックアップサイトへ必要な機器を調達・設置し、バックアップしておいたデータ(テープや外部ディスクなど)を運び込んで復旧作業を行う。そのため、サービス再開までには数日、あるいは数週間といった長期間を要する。主に、サービス停止による影響が比較的軽微であるか、数日程度の停止が許容されるシステム、あるいは、非常に大規模な災害などによる広域停電で機器の物理的な損傷が想定される場合に、最低限の事業継続を目指す目的で選択される。コストは低いが、その分、目標とする復旧時間は長くなることを許容する必要がある。

これらのバックアップサイトの種類を選ぶ際には、「目標復旧時間(RTO: Recovery Time Objective)」と「目標復旧時点(RPO: Recovery Point Objective)」という二つの重要な指標を考慮する。RTOは、災害発生からシステムが復旧し、業務が再開されるまでの目標時間を指し、RPOは、災害発生時点から過去にどれくらいの時点までのデータであれば失っても許容できるかという、データの目標復旧時点を指す。これらの目標値が厳しければ厳しいほど(つまり、RTOが短く、RPOがゼロに近いほど)、ホットサイトのような高コストで高度なバックアップサイトが必要となる。企業の事業内容やシステムの重要性、許容できる損失の範囲を総合的に判断し、適切なバックアップサイトの形態を選択することが求められる。

バックアップサイトを導入・運用する上では、いくつかの重要なポイントがある。一つは、定期的なテストの実施である。実際に災害が発生した際に確実に機能するかを確認するため、定期的にメインシステムからバックアップサイトへの切り替え訓練を行う必要がある。これにより、システム構成や手順の問題点を洗い出し、改善することができる。二つ目は、メインサイトとバックアップサイトの物理的な距離である。同じ地震や洪水などの災害の影響を受けないよう、地理的に十分離れた場所に設置することが重要である。三つ目は、セキュリティ対策である。バックアップサイトもメインサイトと同様に重要なデータを扱うため、物理的および論理的なセキュリティ対策を徹底する必要がある。最後に、システムの構成やデータの状態を常に最新に保つための継続的なメンテナンスも欠かせない。

このように、バックアップサイトは、予期せぬ事態に備え、企業の事業継続性とITシステムの信頼性を確保するための非常に重要な要素である。適切なバックアップサイトの選定と運用は、企業の持続的な成長と社会的な責任を果たす上で、欠かすことのできない戦略的な取り組みと言える。

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