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バス型ネットワーク(バスカタ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

バス型ネットワーク(バスカタ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

バス型ネットワーク (バスネットワーク)

英語表記

Bus network (バスネットワーク)

用語解説

バス型ネットワークは、コンピュータネットワークの接続形態(トポロジ)の一つであり、一本の主要なケーブル(これを「バス」または「バックボーン」と呼ぶ)に、全てのネットワークデバイスが直接接続される形式を指す。このケーブルは、ネットワーク上のデータが物理的に伝送されるための共通経路となる。バスの両端には、信号がケーブルの端で反射してノイズを発生させるのを防ぐための終端抵抗(ターミネータ)が必ず取り付けられる。

概要として、バス型ネットワークの根本的な特徴は、全てのデバイスが共有の通信媒体を使用する点にある。あるデバイスがデータを送信すると、そのデータは電気信号としてバス上を両方向に伝搬し、接続されている全てのデバイスに同時に到達する。各デバイスは、送られてきたデータパケットの宛先アドレスを確認し、自身のアドレスと一致すればデータを受け取り、一致しなければそのデータを無視する。このように、データがネットワーク全体に一斉に送信されるため、通信方式としては「ブロードキャスト」型と呼ばれる。この簡潔な構造は、初期のローカルエリアネットワーク(LAN)、特に初期のイーサネット規格(例:10BASE2、10BASE5)で広く採用され、その概念的な理解の容易さから普及に貢献した。

詳細な動作原理について説明する。バス型ネットワークでは、各コンピュータやその他のネットワークデバイスは、通常、トランシーバやタップと呼ばれる接続装置を介してメインのバスケーブルに物理的に接続される。デバイスがデータを送信する際、電気信号としてバス上にデータを流し始める。この信号はバス上を光速に近い速度で伝搬し、接続されている全てのデバイスに届く。ここで重要なのは、バスが共有媒体であるため、複数のデバイスが同時にデータを送信しようとすると、その信号が互いに干渉し合い、破壊されてしまう可能性がある点である。この現象を「コリジョン(衝突)」と呼ぶ。コリジョンが発生すると、送信中のデータは失われ、通信が失敗する。

このコリジョンを効率的に管理し、ネットワークの機能を維持するために、バス型ネットワークでは「CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)」というアクセス制御方式が一般的に用いられる。CSMA/CDは以下の三つの要素から構成される。 まず、「Carrier Sense(キャリア検知)」とは、デバイスがデータを送信する前に、バス上に他のデバイスがデータを送信中ではないか(キャリア信号が流れていないか)を確認する動作である。バスが使用中であれば、デバイスは送信を控え、バスが空くのを待つ。 次に、「Multiple Access(多重アクセス)」は、複数のデバイスが同じバスにアクセスしてデータを送信できることを意味する。これは、バスが空いている状態であればどのデバイスも送信を開始できるという原則に基づく。 最後に、「Collision Detection(衝突検知)」とは、デバイスがデータを送信中に、万が一コリジョンが発生した場合、それを検知する機能である。コリジョンを検知したデバイスは、直ちにデータの送信を中止し、他の全てのデバイスにコリジョン発生を知らせるための特殊な信号(ジャミング信号)をバスに送出する。その後、コリジョンを検知したデバイスを含む関係する全てのデバイスは、それぞれランダムな時間だけ待機(バックオフ)し、バスが空いていることを確認してから再度データ送信を試みる。このランダムな待機時間によって、同じタイミングでの再衝突を避ける工夫がなされている。

バス型ネットワークには、いくつかの利点があった。最も顕著なのは、その構造の単純さである。ケーブル配線が比較的簡単で、必要なケーブルの総長を短く抑えられるため、初期のネットワーク構築コストを低減することが可能であった。また、概念的に理解しやすいため、ネットワークの導入障壁が低いという側面もあった。

しかし、バス型ネットワークには運用上、非常に多くの重大な欠点が存在する。まず、最大の欠点は「単一障害点」になりやすいことである。バスケーブルのどこか一箇所でも断線したり、接続されているデバイスのコネクタに問題が発生したりすると、その影響がネットワーク全体に及び、全ての通信が停止してしまう可能性がある。特にメインケーブルの物理的な損傷は致命的である。また、終端抵抗が正しく設置されていない場合も、信号の反射が発生し、ネットワークの動作が不安定になったり、完全に機能しなくなったりする。

次に、パフォーマンスの問題がある。全てのデバイスが単一の共有チャネル(バス)を使用するため、ネットワークに接続されるデバイスの数が増加するにつれて、各デバイスが利用できる実効的な帯域幅(通信容量)が減少する。さらに、デバイス数が増加すると、CSMA/CDの仕組みがあってもコリジョン発生の頻度が飛躍的に高まる。コリジョンが増えると、データの再送処理が増加し、ネットワーク全体の通信効率が著しく低下し、結果としてネットワークの応答性が悪化する。

さらに、拡張性にも限界がある。バス型ネットワークでは、ケーブルの最大長や、接続できるデバイスの最大数といった物理的な制約が厳しく、大規模なネットワーク構築には適さない。ケーブルが長すぎると信号が減衰し、通信品質が低下する。

最後に、トラブルシューティングの困難さも大きな欠点である。ネットワーク全体に影響を及ぼす障害が発生した場合、バスケーブルのどこに問題があるのかを特定するのが非常に難しい。障害箇所が特定しにくいため、ネットワークのメンテナンスや修理に時間と労力がかかり、ダウンタイムが長くなる傾向があった。

これらの多くの欠点のため、現代のイーサネットLANでは、高速で安定した通信が求められることから、スイッチングハブを中心とした「スター型」トポロジや、複数のスター型を接続した「ツリー型」トポロジが主流となっている。スター型では各デバイスが独立したケーブルでハブに接続されるため、単一のデバイスやケーブルの障害がネットワーク全体に影響を与えることは少なく、コリジョンもハブによって分離されるためパフォーマンスが向上する。物理的なバス型ネットワークは、その単純さゆえに初期の技術としては有効であったものの、現代のネットワーク要件を満たすことは困難であり、一般的な有線LAN環境で直接採用されることはほとんどない。ただし、コンピュータ内部のデータ転送バスや、特定の小規模な組み込みシステムなど、限られた環境においてはその概念や実装が見られることもある。

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