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EGP(イー・ジー・ピー)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

EGP(イー・ジー・ピー)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

外部ゲートウェイプロトコル (ガイブゲートウェイプロトコル)

英語表記

Exterior Gateway Protocol (エクステリアゲートウェイプロトコル)

用語解説

EGPは、Exterior Gateway Protocolの略であり、ネットワークにおけるルーティングプロトコルの一種である。主にインターネットの初期において、異なる自律システム(Autonomous System、AS)間で経路情報を交換するために設計された。現代のインターネットではほとんど使われておらず、後継プロトコルであるBGP(Border Gateway Protocol)がその役割を担っているが、ルーティングプロトコルの進化を理解する上で重要な歴史的プロトコルの一つだ。

インターネットは、世界中の膨大な数のネットワークが相互に接続されて構成されている。これらのネットワークの集合体は、単一の管理下にあるグループにまとめられ、それぞれ「自律システム(AS)」と呼ばれる。ASは、独自のルーティングポリシーを持ち、組織や企業、インターネットサービスプロバイダ(ISP)などがそれぞれ一つのASとして機能することが多い。各ASには、インターネット上で一意なAS番号が割り当てられており、これによって識別される。AS内部では、ASの管理者によって自由にルーティングプロトコル(例えばOSPFやRIPなど、これらはInterior Gateway Protocol、IGPと呼ばれる)が選択され、そのAS内部のルーター間で経路情報が交換される。しかし、ASとASの間で通信を行うためには、異なる管理ポリシーを持つAS間で経路情報を交換する仕組みが必要となる。このAS間での経路情報交換を担うのがEGP、すなわちExterior Gateway Protocolの役割であった。

EGPが開発された主な目的は、異なるASの境界にあるルーター(エッジルーターまたはゲートウェイルーターと呼ばれる)同士が、互いにどのネットワークに到達可能であるかという情報をやり取りすることにあった。EGPは、インターネットがまだ小規模で、限られた数のASが相互接続されていた時代に考案されたシンプルなプロトコルである。その仕組みは比較的単純で、隣接するASのゲートウェイルーター同士が「ネイバー」関係を確立し、定期的に互いの生存確認を行うことから始まる。ネイバー関係が確立されると、EGPは「このASは、これらのネットワーク(IPアドレスの範囲)に到達できます」という情報を相手のASに通知する。通知を受け取ったASは、その情報をもとに自身のルーティングテーブルを更新し、相手のASを経由して、通知されたネットワークにパケットを転送できるようになる。EGPは、主に「到達可能か否か」という情報を交換するにとどまり、経路の品質や複数の経路の中から最適なものを選ぶための複雑な判断基準は持ち合わせていなかった。

しかし、インターネットが急速に拡大し、接続されるASの数が増加するとともに、EGPはそのシンプルな設計ゆえに多くの課題を抱えることになった。まず、スケーラビリティの問題である。EGPは、各ASが隣接するASのゲートウェイルーターから直接到達可能性情報を収集する方式をとっていたため、接続されるASが増えれば増えるほど、各ルーターが管理しなければならない情報量が増大し、処理負荷が高まった。さらに、EGPはルーティングループに対する耐性が低かった。AS間で経路情報が誤って伝播した場合、パケットがネットワーク上を堂々巡りしてしまうルーティングループが発生する可能性があったのだ。これは、EGPが「このネットワークに到達できる」という情報しか伝えず、そのネットワークへの「経路の詳細(例えば、どのASを経由してきたか)」を持たないことに起因する。この情報が欠落しているため、ルーターは経路を評価する際に十分な情報を持たず、結果として非効率な経路選択やループが発生しやすかった。

また、ルーティングポリシーの柔軟性の欠如もEGPの大きな問題点であった。インターネットサービスプロバイダ(ISP)や大規模な企業ネットワークでは、単に「到達可能か」だけでなく、「この経路はコストが低い」「この経路は帯域幅が広い」「この経路は特定の顧客からのトラフィックに優先して使う」といった、より複雑なルーティングポリシーを適用したいというニーズがある。しかしEGPは、このような高度なポリシー制御をサポートする機能を持っていなかった。例えば、あるASが複数の隣接ASと接続している場合、EGPではどちらの経路を選択すべきかという判断を詳細なポリシーに基づいて行うことが難しかったため、特定のASへのトラフィックを制御したり、特定のASからの経路情報を受け入れないといった柔軟な運用が不可能だった。

これらの課題を解決するために開発されたのが、現在のインターネットのバックボーンを支えるデファクトスタンダードであるBGP(Border Gateway Protocol)である。BGPは、EGPが抱えていたスケーラビリティ、ルーティングループ耐性、そしてルーティングポリシーの柔軟性の問題を克服するように設計された。BGPは、EGPのような単純な到達可能性情報だけでなく、経路が辿ってきたASのリスト(ASパス)を含む詳細な経路情報を交換する。このASパス情報により、ルーティングループの検出と回避が容易になり、また、各ASは独自のポリシーに基づいて経路を選択するための豊富な情報を持つことができるようになった。BGPは、経路の属性(メトリック、コミュニティなど)を付加することで、より複雑なルーティングポリシーの適用を可能にし、インターネットの爆発的な成長と多様なニーズに対応できるようになったのである。

現代のインターネットでは、EGPは実質的に利用されておらず、AS間のルーティングにはもっぱらBGPが使われている。EGPは、インターネットが初期段階にあった頃のAS間ルーティングプロトコルとして、その歴史的役割を終えたと言えるだろう。しかし、ルーティングプロトコルがどのように進化し、現代の複雑なインターネットを支える技術がどのように形成されてきたかを理解する上で、EGPはその基礎を築いた重要な一歩として位置づけられる。その単純な仕組みとそれに伴う課題が、より高度で柔軟なルーティングプロトコルであるBGPの開発へとつながったのだ。

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