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HTTP DELETE(エイチティーティーピーディーリート)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

HTTP DELETE(エイチティーティーピーディーリート)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

HTTP削除 (エイチティーティーピーさくじょ)

英語表記

HTTP DELETE (エイチティーティーピーディーリート)

用語解説

HTTP DELETEは、Web上でリソースを削除するためのHTTPメソッドの一つである。クライアントがWebサーバーに対して、特定のURI(Uniform Resource Identifier)で識別されるリソースを削除するよう要求する際に用いられる。これは、WebAPI、特にRESTful APIにおいて、サーバー上のデータを操作するための基本的な操作の一つとして広く利用されている。

HTTPプロトコルは、Webクライアント(ウェブブラウザやアプリケーション)とWebサーバーが通信する際のルールを定めており、その中でクライアントがサーバーに対してどのような操作を行いたいかを伝えるのがHTTPメソッドである。リソースを取得するGET、リソースを作成するPOST、リソースを更新するPUTやPATCHといったメソッドが存在するが、DELETEはその名の通り、サーバー上のリソースを削除する役割を担う。DELETEメソッドの主要な目的は、サーバー上に存在する特定の情報を削除することである。この「情報」は、Webの世界では「リソース」と呼ばれる。例えば、Webサイトの特定のファイル、データベースに保存された一つの記事データ、ユーザーアカウント情報などがリソースに該当する。クライアントは削除したいリソースを一意に識別できるURIを指定して、DELETEリクエストをサーバーに送信し、サーバーはリクエストを受け取ると、指定されたリソースの削除処理を実行する。

HTTPメソッドには、「冪等性(べきとうせい)」という重要な特性を持つものがある。冪等性とは、同じリクエストを何度実行しても、サーバーの状態が最初の一回目と同じになることを指す。DELETEメソッドはこの冪等性を有する。例えば、あるリソースに対してDELETEリクエストを送信し、そのリソースが削除されたとする。その後、再び同じリソースに対してDELETEリクエストを送信しても、そのリソースはすでに存在しないため、サーバー上でさらに何かを削除するという処理は発生しない。結果として、サーバーの状態は最初のDELETEリクエストが成功した時点と変わらない。この特性は、ネットワークの遅延やリクエストの再送などで同じリクエストが複数回送信されてしまった場合でも、意図しない副作用が発生するのを防ぐために重要である。

一方、HTTPメソッドには「安全性(Safety)」という特性もあり、これは「サーバーの状態を変更しない」ことを意味する。GETメソッドはリソースを取得するだけでサーバーの状態を変更しないため「安全」なメソッドである。しかし、DELETEメソッドはリソースを削除し、サーバーの状態を明確に変更するため、「安全ではない」メソッドに分類される。このため、DELETE操作はサーバー上のデータに直接的な影響を与えることから、安易に実行されるべきではない。通常、実際のシステムではDELETEリクエストを受け付ける前に、ユーザーの認証(誰がリクエストしたか)や認可(そのユーザーに削除する権限があるか)を厳密にチェックする仕組みが組み込まれている。

DELETEリクエストは、通常、ボディ(本体)を持たない。削除対象のリソースはリクエストURIによって完全に特定されるため、ボディに情報を含める必要がない場合が多い。ただし、特定の認証情報や削除条件をボディに含めるような、非標準的な実装も理論上は可能である。 サーバーがDELETEリクエストを受信し、処理を終えると、その結果をHTTPステータスコードとしてクライアントに返す。代表的なステータスコードとその意味は以下の通りである。

  • 200 OK: 削除が成功し、レスポンスボディに削除成功のメッセージや、削除されたリソースの情報の一部など、何らかの情報を返す場合。
  • 204 No Content: 削除が成功したが、クライアントに返す情報が特にない場合。DELETEの成功を示す最も一般的なステータスコードである。
  • 202 Accepted: 削除リクエストは正常に受け付けられたが、実際の削除処理は非同期で後から実行される場合。
  • 400 Bad Request: クライアントからのリクエストが不正である場合。
  • 401 Unauthorized: リクエストの認証情報が不足している、または無効であるため、認証が必要な場合。
  • 403 Forbidden: 認証は成功したが、リソースを削除する権限がない場合。
  • 404 Not Found: 指定されたURIのリソースがサーバー上に存在しない場合。

HTTP DELETEメソッドをシステムに組み込む際には、いくつかの重要な考慮点がある。 第一に、削除は基本的に不可逆な操作であるという点である。一度削除されたデータは、特別なバックアップがない限り元に戻すことは非常に難しい。このため、DELETE操作を実行するシステム設計では、ユーザーに対して確認を求める、削除前にバックアップを取得する、または一定期間は復元可能な状態にするなど、慎重な対策が求められる。 第二に、「論理削除」と「物理削除」の違いである。HTTP DELETEメソッドは概念的にはリソースを「削除」するが、実際のアプリケーションの内部実装では、必ずしも物理的にデータをデータベースから消去するとは限らない。多くのシステムでは、データを完全に消去するのではなく、データベースのレコードに「削除済み」を意味するフラグを立てることで、見かけ上は削除されたかのように見せる「論理削除」を採用することがある。これは、後からのデータ分析や復旧の可能性を残すため、あるいは他の関連データとの整合性を保つためによく用いられる手法である。この場合でも、クライアントへのレスポンスは削除が成功したことを示す200番台のステータスコードを返すのが一般的である。 第三に、関連リソースの扱いである。あるリソースを削除する際に、そのリソースに関連する他のリソース(例えば、ユーザーアカウントを削除する際に、そのユーザーが投稿した記事やコメントなど)をどのように扱うかを設計する必要がある。関連リソースも同時に削除するのか(カスケード削除)、それとも関連リソースの存在を理由に削除を拒否するのかなど、アプリケーションの要件に応じて適切な設計が求められる。 最後に、前述の通り、認証と認可の徹底は不可欠である。不適切なユーザーが重要なリソースを削除してしまう事態を防ぐため、システムは常に、誰が何を削除しようとしているのか、そのユーザーにその操作を行う権限があるのかを厳密に検証しなければならない。

これらの点を理解し、適切に設計・実装することで、HTTP DELETEメソッドを安全かつ効果的に活用した堅牢なWebシステムを構築できる。

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