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HttpOnly属性(エイチティーティーピーオンリーぞくせい)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

HttpOnly属性(エイチティーティーピーオンリーぞくせい)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

HttpOnly属性 (エイチティーティーピーオンリーぞくせい)

英語表記

HttpOnly attribute (エイチティーティーピーオンリーアトリビュート)

用語解説

HttpOnly属性とは、ウェブアプリケーションがクライアントのブラウザに設定するCookieに対して適用できる、セキュリティ強化のための特別なフラグである。この属性が設定されたCookieは、JavaScriptから直接アクセスすることができなくなる。これにより、クロスサイトスクリプティング(XSS)などの脆弱性を悪用した攻撃者が、ユーザーのブラウザに悪意のあるスクリプトを実行させたとしても、そのスクリプトから重要なCookie情報、特にセッションIDなどを窃取されるリスクを大幅に軽減できる。サーバーサイドでCookieを設定する際にHttpOnlyフラグを付与するだけで機能し、ウェブアプリケーションのセキュリティ向上に貢献する。

ウェブアプリケーションにおいて、Cookieは非常に重要な役割を担う。ユーザーがウェブサイトにログインした状態を維持したり、ショッピングカートの内容を記憶したり、パーソナライズされた情報を提供したりするために広く利用されている。しかし、このCookieはクライアント側のブラウザに保存されるため、潜在的なセキュリティリスクにさらされる可能性がある。特に問題となるのが、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃である。

XSS攻撃とは、攻撃者がウェブサイトの脆弱性を利用して悪意のあるスクリプトをウェブページに埋め込み、それを閲覧した他のユーザーのブラウザ上で実行させる攻撃手法である。この悪意のあるスクリプトは、ユーザーのCookie情報にアクセスする能力を持つことが多く、特にログイン状態を維持するためのセッションIDなどが狙われる。セッションIDが攻撃者に窃取されると、攻撃者はそのセッションIDを使って正規のユーザーになりすまし、ユーザーの認証情報を悪用したり、機密情報にアクセスしたりすることが可能になる。これはセッションハイジャックと呼ばれる深刻な脅威である。

HttpOnly属性は、このセッションハイジャックのリスクを軽減するために導入された。ウェブサーバーがクライアントにCookieを送信する際、HTTPレスポンスヘッダの「Set-Cookie」フィールドに「HttpOnly」というフラグを追加することで、そのCookieはHttpOnly属性を持つことになる。例えば、「Set-Cookie: sessionId=abcdef12345; HttpOnly; Path=/」のように設定される。

このHttpOnly属性が設定されたCookieを受け取ったブラウザは、そのCookieに対して通常のJavaScriptのAPI(例えば document.cookie オブジェクト)からの読み取りや書き込み、変更を一切許可しなくなる。つまり、たとえウェブページ上で悪意のあるJavaScriptが実行されたとしても、そのスクリプトはHttpOnly属性を持つCookieにアクセスできないため、重要なセッションIDなどを窃取することが非常に困難になる。

ただし、HttpOnly属性はJavaScriptからのアクセスを禁止するだけであり、ウェブサーバーとブラウザ間のHTTP通信においては、そのCookieは通常通りリクエストヘッダに含まれて送信される。そのため、サーバー側は引き続きそのCookieを利用してユーザーのセッションを識別できる。この特性により、ウェブアプリケーションの機能性を損なうことなく、セキュリティを向上させることが可能となる。

HttpOnly属性の導入は、XSS攻撃に対する有効な防御策の一つとして広く推奨されている。しかし、HttpOnly属性はXSS攻撃そのものを完全に防ぐものではないことに注意が必要である。XSS攻撃によって、Cookie以外のデータ(例えば、ユーザーが入力した情報や表示されているHTMLコンテンツ)が窃取されたり、ページの改ざんが行われたりする可能性は依然として残る。そのため、HttpOnly属性は、入力値の厳密な検証、出力時の適切なエスケープ処理、コンテンツセキュリティポリシー(CSP)の導入など、他のセキュリティ対策と組み合わせて利用することが不可欠である。

また、HttpOnly属性はJavaScriptからCookieにアクセスする必要がある機能(例えば、JavaScriptでセッションIDを読み取って特別な処理を行うなど、非常に限定的なケース)を持つアプリケーションでは利用できない場合がある。しかし、ほとんどのセッション管理において、JavaScriptから直接セッションIDにアクセスする必要はないため、HttpOnly属性を積極的に適用すべきである。さらに、機密性の高いCookieには、HTTP通信ではなくHTTPS通信のみで送信されることを保証する「Secure」属性も併せて設定することが強く推奨される。これにより、通信経路上の盗聴によるCookieの漏洩も防ぐことができ、より堅牢なセキュリティを実現できる。HttpOnly属性は、セッション管理に利用されるCookieなど、機密性の高い情報を扱うCookieに設定することで、ウェブアプリケーションのセキュリティレベルを大きく向上させる重要な手段の一つである。

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