インターネット層(インターネットソウ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

インターネット層(インターネットソウ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

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読み方

日本語表記

インターネット層 (インターネットソウ)

英語表記

Internet Layer (インターネットレイヤー)

用語解説

インターネット層は、TCP/IPモデルにおける4つの階層のうち、3番目に位置する重要な層である。ネットワーク層とも呼ばれ、異なるネットワーク間でのデータのやり取り、つまりインターネットワーキングを実現する役割を担っている。具体的には、データの宛先となるIPアドレスに基づいて、最適な経路を選択し、データをパケットと呼ばれる単位に分割して転送する。

インターネット層の主な役割は以下の3つである。

  1. アドレス指定: インターネット上の各機器を識別するためのIPアドレスを管理し、データの送信元と宛先を明確にする。IPアドレスは、ネットワークアドレスとホストアドレスで構成され、これにより、データは正確な宛先まで届けられる。

  2. ルーティング: パケットを宛先まで効率的に届けるための最適な経路を選択する。この経路選択はルーティングと呼ばれ、ルーターと呼ばれる専用の機器が、ルーティングテーブルと呼ばれる情報に基づいて行う。ルーティングテーブルには、様々なネットワークへの経路とそのコストが記録されており、ルーターはこれらを参照して、最もコストの低い経路を選択する。

  3. パケット分割と再構成: 大きなデータをネットワーク上で転送するために、パケットと呼ばれる小さな単位に分割する。この分割処理は、送信側で行われ、受信側では分割されたパケットを元のデータに再構成する。パケットには、データの順番を示す情報が含まれており、これにより、受信側はパケットを正しい順序で並べ替えることができる。

インターネット層で利用される主要なプロトコルとしては、IP(Internet Protocol)、ICMP(Internet Control Message Protocol)、ARP(Address Resolution Protocol)などが挙げられる。

IPは、インターネット層における基本的なプロトコルであり、パケットの転送を担う。IPアドレスに基づいてパケットをルーティングし、宛先まで届ける役割を持つ。現在、IPv4とIPv6の2つのバージョンが存在し、IPv4は32ビットのアドレスを使用するのに対し、IPv6は128ビットのアドレスを使用する。IPv4のアドレス枯渇問題に対処するために、IPv6への移行が進められている。

ICMPは、ネットワークの制御やエラー通知を行うためのプロトコルである。例えば、宛先 unreachable(到達不能)エラーや、Time exceeded(時間切れ)エラーなどを通知するために使用される。pingコマンドは、ICMPを利用して、ネットワークの疎通確認を行うツールである。

ARPは、IPアドレスからMACアドレスを解決するためのプロトコルである。MACアドレスは、ネットワークインターフェースカード(NIC)に割り当てられた物理アドレスであり、同一ネットワーク内での通信に使用される。ARPは、IPアドレスに対応するMACアドレスを問い合わせるARPリクエストを送信し、MACアドレスを知っている機器からARPリプライを受け取ることで、IPアドレスとMACアドレスの対応関係を学習する。

インターネット層は、インターネットの根幹を支える重要な層であり、その仕組みを理解することは、ネットワークエンジニアやシステムエンジニアを目指す上で不可欠である。IPアドレス、ルーティング、パケット分割・再構成といった概念をしっかりと理解し、関連するプロトコルについても学習を深めることが重要である。

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