LG.JPドメイン(エルジー ドット ジェイピー ドメイン)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

LG.JPドメイン(エルジー ドット ジェイピー ドメイン)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

エルジーJPドメイン (エルジージェイピードメイン)

英語表記

LG.JP (エルジー ドット ジェーピー)

用語解説

LG.JPドメインは、日本の地方公共団体専用に割り当てられるドメイン名である。LGは「Local Government」の略称であり、このドメインを使用しているウェブサイトや電子メールアドレスが、都道府県、市町村、特別区といった公的な行政機関のものであることを示している。インターネット上に存在する多種多様なドメイン名の中でも、LG.JPは登録できる組織が法律に基づいて厳格に限定されているため、極めて高い信頼性を持つのが特徴である。一般の企業や個人、あるいは他の公的機関であっても登録することはできず、その存在自体がドメインの所有者が正当な地方公共団体であることを証明する役割を担っている。システムエンジニアを目指す者にとって、このドメインは日本の行政システムのデジタルインフラを理解する上で基礎となる重要な知識である。

LG.JPドメインは、JPドメイン名の中でも「属性型JPドメイン名」と呼ばれるカテゴリに属する。JPドメイン名は、国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)の一つで日本に割り当てられているが、その中には「example.jp」のような組織の種類を問わない「汎用JPドメイン名」と、「CO.JP」や「AC.JP」のように組織の種別を示す「属性型JPドメイン名」が存在する。LG.JPドメインは後者の一つであり、地方公共団体という組織属性を明確にするために設けられている。例えば、「CO.JP」は日本国内で登記を行っている企業、「AC.JP」は大学などの高等教育機関、「GO.JP」は日本政府機関や各省庁といったように、ドメイン名を見るだけでその組織の性格を判別できるようになっている。LG.JPもこの体系に則り、地方行政を担う組織であることを示している。

このドメインの最大の特徴は、その厳格な登録要件と管理体制にある。LG.JPドメインの登録申請ができるのは、地方自治法に規定される普通地方公共団体(都道府県、市町村、特別区)、および地方公共団体の組合(一部事務組合、広域連合など)に限られる。登録業務は、一般的なドメイン登録事業者(レジストラ)ではなく、地方公共団体情報システム機構(J-LIS: Japan Agency for Local Authority Information Systems)が一元的に管理している。J-LISは、地方公共団体が共同で運営する組織であり、住民基本台帳ネットワークシステムや公的個人認証サービスなど、全国の地方公共団体の情報システムに関する業務を担っている。このような専門機関が登録管理を行うことで、資格のない組織による不正な登録を確実に防いでいる。さらに、「一組織一ドメイン名」という原則が厳格に適用されている。これは、一つの地方公共団体が原則として一つのLG.JPドメイン名しか登録できないというルールである。これにより、ドメイン名と地方公共団体が一対一で対応し、なりすましや混同の余地をなくしている。

LG.JPドメインの存在は、住民や国民にとって大きなメリットをもたらす。最も重要なのは、情報の信頼性の担保である。利用者は、ウェブサイトのURLの末尾が「lg.jp」であることを確認するだけで、アクセスしているサイトが本物の地方公共団体の公式サイトであると確信できる。これは、巧妙化するフィッシング詐欺や偽情報に対する強力な対抗策となる。例えば、税金の納付や行政手続きを案内するウェブサイトがLG.JPドメインで運営されていれば、利用者は安心して個人情報を入力したり、指示に従ったりすることができる。また、ドメインから送信される電子メールについても同様で、送信元が「@city.sapporo.lg.jp」のようなアドレスであれば、それが札幌市からの公式な通知であると判断できる。

システムエンジニアの観点から見ると、LG.JPドメインは地方公共団体の情報システム基盤と密接に関連している。多くの地方公共団体のウェブサイトやメールシステムは、LGWAN(Local Government Wide Area Network:総合行政ネットワーク)と呼ばれる行政専用の閉域ネットワークに接続された環境で運用・管理されている。LGWANは、セキュリティを確保した上で地方公共団体間を相互に接続するネットワークであり、LG.JPドメインを持つ組織がその主体となる。LG.JPドメインで公開されるウェブサイトの構築や運用に携わるエンジニアは、インターネットという開かれた世界と、LGWANという閉ざされたセキュアな世界の双方を意識したシステム設計やセキュリティ対策を求められる。このドメインが持つ公的な信頼性を損なうことのないよう、アプリケーションの脆弱性対策や不正アクセス監視など、極めて高いレベルのセキュリティ基準を遵守する必要がある。このように、LG.JPドメインは単なるウェブサイトのアドレスではなく、日本の地方行政サービスのデジタル化における信頼性の基盤であり、国民が安心して行政情報にアクセスするための重要な社会インフラとして機能している。

LG.JPドメイン(エルジー ドット ジェイピー ドメイン)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説 | いっしー@Webエンジニア