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NSレコード(エヌエスレコード)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

NSレコード(エヌエスレコード)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

ネームサーバーレコード (ネームサーバーレコード)

英語表記

NS record (エヌエスレコード)

用語解説

NSレコードは、ドメインネームシステム(DNS)を構成する重要なレコードタイプの一つであり、特定のドメイン名がどのネームサーバーによって管理されているかを示す情報である。システムエンジニアを目指す上で、NSレコードの役割を理解することは、インターネットの根幹をなすDNSの仕組みを把握し、ネットワークやサーバーの運用管理能力を高める上で非常に重要となる。

NSレコードの基本的な役割は、「このドメインに関するすべてのDNS情報は、特定のネームサーバーに問い合わせるべきである」という指示を出すことにある。例えば、「example.com」というドメインがあったとして、そのドメインのWebサイトのIPアドレスやメールサーバーの情報が必要になった場合、NSレコードは「example.comの情報を知りたいなら、ns1.example.comとns2.example.comというネームサーバーに聞いてごらん」と教えてくれる。この指示があることで、インターネット上のコンピューターは、世界中に分散する無数のドメイン情報の中から、目的のドメインの情報がどこにあるのかを効率的かつ正確に見つけ出すことが可能となる。

DNSは、インターネット上のコンピューターがWebサイトのドメイン名(例: www.example.com)と、そのWebサイトが動作しているサーバーのIPアドレス(例: 192.0.2.1)を相互に変換するためのシステムである。人間にとっては覚えやすいドメイン名を利用し、コンピューターにとっては識別しやすいIPアドレスを利用するために、DNSはインターネットの「電話帳」のような役割を担っている。この電話帳は一箇所に集中しているわけではなく、世界中のDNSサーバーが階層構造を形成し、それぞれが特定の情報を管理することで成り立っている。

このDNSの階層構造において、NSレコードは「委任(Delegation)」という非常に重要な役割を果たす。委任とは、あるドメインの管理権限を、その親となるドメインから子となるドメインへと引き継ぐことを指す。具体的には、ルートDNSサーバーがトップレベルドメイン(TLD)サーバー(.comや.orgなど)の情報を管理し、TLDサーバーが各ドメイン(example.comなど)の情報を管理する。この各ドメインの情報を実際に管理するサーバーのことを「権威DNSサーバー」と呼ぶ。NSレコードは、TLDサーバーが「example.comというドメインの権威DNSサーバーはこれこれのネームサーバーである」と指し示すために用いられる。つまり、親ゾーン(例: .com)が子ゾーン(例: example.com)のNSレコードを持つことで、DNSクエリは親ゾーンから子ゾーンへと適切に誘導され、最終的に正しい権威DNSサーバーへとたどり着くことができるのである。

NSレコードの記述形式は通常、「ドメイン名 IN NS ネームサーバーのホスト名」という形をとる。例えば、「example.com. IN NS ns1.example.com.」や「example.com. IN NS ns2.example.com.」のように記述される。ここで重要なのは、NSレコードにはネームサーバーのIPアドレスではなく、そのホスト名(ドメイン名)が記述される点である。なぜなら、そのネームサーバー自体のIPアドレスは、別途Aレコード(ホスト名とIPアドレスを対応させるレコード)として定義されており、DNSクエリの解決プロセスの中で、NSレコードによって示されたホスト名がさらにAレコードによってIPアドレスに変換されるからである。これを「グルーレコード」と呼ぶ場合もある。また、信頼性と可用性を高めるために、通常は複数のNSレコードが設定される。これは、一つのネームサーバーに障害が発生しても、別のネームサーバーが機能し続けることで、ドメインへのアクセスが途絶えることを防ぐためである。

実際のDNSクエリの解決プロセスでは、ユーザーがWebブラウザで「www.example.com」と入力すると、まずコンピューターはキャッシュを確認し、情報がなければローカルのDNSリゾルバに問い合わせる。リゾルバはルートDNSサーバーから始まり、TLDサーバー、そしてNSレコードによって示された権威DNSサーバーへと段階的に問い合わせをリレーしていく。この過程で、TLDサーバーは「example.comのネームサーバーはns1.example.comとns2.example.comである」というNSレコードをリゾルバに返し、リゾルバはその情報に基づいて最終的な権威DNSサーバーに「www.example.comのIPアドレスは何ですか?」と問い合わせる。そして、権威DNSサーバーから返されたIPアドレスを元に、ユーザーのコンピューターはWebサーバーに接続し、Webサイトが表示される。

NSレコードが正しく設定されていない場合、ドメインの権威DNSサーバーを特定できなくなり、結果としてそのドメインのWebサイトにアクセスできなくなったり、メールの送受信ができなくなったりといった重大な問題が発生する。ドメインの移管やDNSサーバーの変更を行う際には、新しいDNSサーバーへのNSレコードの変更が不可欠であり、変更がインターネット全体に反映されるまでには一定の時間(伝播時間)を要する場合もある。したがって、NSレコードは、ドメインの情報を正しく解決し、インターネットサービスを安定して提供するために、欠かすことのできない非常に重要な役割を担っているのである。

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