Webエンジニア向けプログラミング解説動画をYouTubeで配信中!
▶ チャンネル登録はこちら

RDNSSオプション(アールディーエヌエスエスオプション)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

RDNSSオプション(アールディーエヌエスエスオプション)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

RDNSSオプション (アールディーエヌエスエスオプション)

英語表記

RDNSS option (アールディーエヌエスエス オプション)

用語解説

RDNSSオプションは、IPv6ネットワークにおいて、クライアントデバイスがDNS(Domain Name System)サーバのアドレス情報を取得するための仕組みの一つである。一般的に、IPv6のクライアントはSLAAC(Stateless Address Autoconfiguration)という機能を使って自動的にIPアドレスを割り当てられることが多いが、SLAACだけではDNSサーバのアドレスは自動設定できない。このSLAACの不足を補い、DHCPv6サーバを別途用意することなく、ルータがDNSサーバのアドレス情報をクライアントに通知できるようにするためにRDNSSオプションが導入された。ルータが定期的に送信するルータ広告(RA: Router Advertisement)メッセージの中に、このRDNSSオプションを含めることで、ネットワーク上のIPv6ホストはDNSサーバのIPv6アドレスを自動的に認識し、名前解決の設定を行うことができるようになる。これにより、IPv6ネットワークの構築と運用がよりシンプルになる利点がある。

IPv6ネットワークにおいて、SLAACはデバイスがインターネットに接続するために必要なIPアドレスを自動的に設定する便利な方法である。しかし、名前解決を行うために不可欠なDNSサーバのIPアドレスは、SLAACだけでは自動設定されないという課題があった。この課題を解決するために、RFC 8106で定義されたのがRDNSS(Recursive DNS Server)オプションである。

RDNSSオプションは、ルータがネットワークに対して定期的に送信するルータ広告(RA)メッセージの拡張として機能する。RAメッセージは、ルータの存在を知らせ、ネットワークプレフィックスやデフォルトルータ、MTU(Maximum Transmission Unit)などの基本的なネットワーク設定情報をホストに提供するIPv6 ICMPv6パケットの一種である。RDNSSオプションがこのRAメッセージに含まれる場合、その中には一つ以上のDNSサーバのIPv6アドレスと、それらのアドレスが有効である期間を示すライフタイム(有効期間)の情報が格納される。

IPv6ホストがRAメッセージを受信すると、まずそのメッセージ内にRDNSSオプションが含まれているかを確認する。RDNSSオプションが存在すれば、ホストはその中からDNSサーバのIPv6アドレスを抽出し、自身のDNSリゾルバ設定に加える。これにより、ホストはドメイン名からIPアドレスへの変換(名前解決)を行う際に、設定されたDNSサーバを利用できるようになる。DNSサーバのアドレスにはライフタイムが設定されており、ホストはこのライフタイムが切れる前に新しいRAメッセージを受信することで、DNSサーバ情報を更新したり、必要に応じて削除したりする。

この仕組みの大きな利点は、ネットワーク管理の簡素化にある。DHCPv6サーバを別途導入・運用することなく、ルータの設定のみでDNSサーバ情報を配布できるため、特に小規模なネットワークや、リソースが限られたIoTデバイスなどが参加するネットワークで有用である。また、ルータとホストの両方が特定の状態を管理する必要がないステートレスな運用が可能となり、システムの複雑さを低減できる。ホストはネットワークに参加すると、定期的に送信されるRAメッセージから迅速にDNSサーバ情報を取得できるため、設定までの時間が短縮される点もメリットである。さらに、複数のDNSサーバアドレスをRDNSSオプションに含めることで、万が一一部のDNSサーバが停止した場合でも、他のDNSサーバを利用して名前解決を継続できる冗長性も確保できる。

一方で、RDNSSオプションだけでは、DNSのドメイン名検索リスト(DNSSL: Domain Name Search List)を配布することはできないという制約がある。しかし、この点についても、RDNSSオプションと同様にRAメッセージの拡張としてDNSSLオプション(これもRFC 8106で定義されている)を利用することで対応が可能である。RDNSSオプションに設定されたライフタイムが終了すると、そのDNSサーバエントリは無効になるため、ホストが継続的にDNSサービスを利用するためには、ルータから定期的にRAメッセージを受信し続ける必要がある。もしルータが適切に設定されていなかったり、RAメッセージがホストに届かなかったりすると、名前解決ができなくなり、結果としてインターネットアクセスに支障が出る可能性があるため、ルータの設定には注意が必要である。このRDNSSオプションは、IPv6環境におけるDNS設定の柔軟性と効率性を高める上で重要な役割を果たす技術である。

関連コンテンツ