RDX(アールディーエックス)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
RDX(アールディーエックス)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
リムーバブルディスクエクスチェンジ (リムーバブルディスクエクスチェンジ)
英語表記
RDX (アールディーエックス)
用語解説
RDXとは、Tandberg Data社が開発したリムーバブルディスクシステムであり、主にデータバックアップ、アーカイブ、災害対策(DR)といった用途で利用される。従来の磁気テープストレージと汎用ハードディスクドライブ(HDD)のそれぞれの利点を組み合わせたソリューションとして注目され、特に中小規模のビジネス環境におけるサーバーやワークステーションのデータ保護手段として広く採用されている。堅牢なカートリッジに収められたHDDまたはソリッドステートドライブ(SSD)を専用のドッキングステーションに装着して使用する形態が特徴である。これにより、データは高速にアクセス可能でありながら、容易に取り外し、保管、持ち運びができるという柔軟性を備えている。
詳細を説明する。RDXシステムは、RDXドッキングステーションと呼ばれるドライブ装置と、RDXメディアと呼ばれるカートリッジ型ストレージで構成される。ドッキングステーションは通常、USB 3.0(またはそれ以降のバージョン)やSATAインターフェースを介してホストシステムに接続され、OSからは通常のディスクドライブとして認識されるため、特別なソフトウェアを必要とせずにファイルの読み書きが可能である。RDXメディアの内部には、標準的な2.5インチのSATA HDD、またはより高性能なSSDが搭載されている。この内部ドライブは、RDX独自の堅牢なカートリッジに収められている点が最大の特徴である。
この堅牢なカートリッジは、内部のドライブを物理的な衝撃、静電気、ほこり、液体などから保護するように設計されている。これにより、メディアをオフィス外に持ち出して保管するオフサイトバックアップや、物理的な移動を伴うデータ交換といった用途において、高い信頼性と安全性が確保される。例えば、災害発生時に備えて重要なデータを遠隔地に保管するようなシナリオでは、RDXメディアの持ち運びやすさと耐環境性は大きなメリットとなる。
RDXの主な利点の一つは、その高速性にある。HDDまたはSSDベースであるため、磁気テープと比較してデータのランダムアクセス性能が格段に優れており、バックアップ処理やリストア処理の時間を大幅に短縮できる。これは、緊急時に迅速なデータ復旧が求められるビジネス環境において非常に重要である。また、テープのようにデータをシーケンシャルに読み書きする必要がないため、特定のファイルを探し出す際の時間も短縮される。
操作性もRDXの強みである。先述の通り、OSからは通常のディスクドライブとして認識されるため、ドラッグ&ドロップによるファイルコピーや、既存のバックアップソフトウェアをそのまま利用できる。ホットスワップにも対応しており、システム稼働中でもRDXメディアの交換が可能であり、複数のメディアを日替わりで利用するローテーションバックアップ運用も容易に行える。
RDXは高い互換性も保持している。新旧世代のRDXドライブとメディアの間には高い互換性があり、例えば、古い世代のRDXメディアを新しいドライブで読み書きしたり、その逆も可能である場合が多い。これにより、将来的なシステムアップグレード時にも既存のRDXメディア資産を継続して利用できるため、長期的な視点での投資保護に繋がる。
容量面では、RDXメディアは世代を重ねるごとに大容量化が進んでおり、現在ではテラバイト級のデータを単一のカートリッジに収めることが可能である。これにより、中小規模の企業サーバーや部門サーバーのバックアップ要件を十分に満たす容量を提供している。また、SSDを内蔵したRDXメディアも登場しており、さらなる高速化と耐衝撃性の向上が図られている。
従来のバックアップソリューションである磁気テープストレージ(LTOなど)と比較すると、RDXは初期投資コストやメディア単価においてテープよりも高価になる傾向があるが、高速なアクセス性能やランダムアクセス能力、そして堅牢な持ち運びやすさという点で差別化される。一方、汎用の外付けHDDと比較すると、RDXは専用のドッキングステーションと堅牢なカートリッジによって、データの安全性や運用管理の容易さ、ホットスワップといった利点を提供する。
RDXは、データ保護において高速性、堅牢性、操作性、そして持ち運びやすさをバランス良く求めるシステムエンジニアにとって、重要なバックアップソリューションの一つである。特に、災害対策を考慮したオフサイトバックアップや、厳格なデータ保管要件を持つ中小企業において、その真価を発揮する。