SATA(サタ)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
SATA(サタ)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
シリアルエーティーエー (シリアルエーティーエー)
英語表記
SATA (シリアルエーティーエー)
用語解説
SATAとは、Serial Advanced Technology Attachmentの略であり、パーソナルコンピュータ(PC)のストレージデバイス(HDD、SSD、光学ドライブなど)をマザーボードに接続するための標準インターフェース規格である。かつて主流であったPATA(Parallel ATA、またはIDE)に代わるものとして登場し、その高いデータ転送速度、シンプルなケーブル形状、そしてホットプラグ機能といった特徴により、現代のPCにおける内蔵ストレージ接続の主流として広く普及している。
SATAは、従来のPATAから数多くの点で進化を遂げた。PATAは複数のデータラインを同時に使用するパラレル伝送方式を採用しており、データ転送速度が向上するにつれて、各データライン間の信号の同期が困難になり、電磁ノイズ(クロストーク)の影響も受けやすかった。これにより、高速化には限界があり、ケーブルも太く硬い40ピンまたは80芯のリボンケーブルが使用され、PCケース内のエアフローを阻害する要因にもなっていた。これに対し、SATAはデータを1ビットずつ連続して転送するシリアル伝送方式を採用している。この方式により、信号の同期が容易になり、ノイズの影響を大幅に低減しつつ、より高いデータ転送速度を実現した。また、SATAデータケーブルは7ピンの細いケーブルとなり、PCケース内の取り回しが格段に容易になっただけでなく、エアフローの改善にも貢献している。ケーブルの長さも最大1メートルまで対応可能となり、柔軟な配線が可能である。電源コネクタもPATAの4ピンMolexコネクタから、より小型で給電能力の高い15ピンのSATA電源コネクタへと変更され、より安定した電源供給と、複数の電圧(3.3V, 5V, 12V)の供給を可能にした。
SATAは登場以来、技術的な改良が重ねられ、複数のバージョンが存在し、それぞれ異なる転送速度を持つ。初期のSATA 1.0(SATA-150とも呼ばれる)は、理論上の最大転送速度が1.5Gbps(ギガビット/秒)であり、データ量に換算すると約150MB/秒(メガバイト/秒)であった。次に登場したSATA 2.0(SATA-300)では、転送速度が2倍の3.0Gbps(約300MB/秒)に向上し、AHCI(Advanced Host Controller Interface)やNCQ(Native Command Queuing)といった重要な機能が導入された。さらに、現在最も広く普及しているのがSATA 3.0(SATA-600)で、転送速度はさらに2倍の6.0Gbps(約600MB/秒)に達した。これにより、特にSSD(Solid State Drive)の性能を最大限に引き出す上で重要な役割を果たすようになった。また、SATA 3.2では、PCI Expressレーンを利用することで最大10Gbpsの転送速度を実現するSATA Expressという試みも行われたが、M.2などの新しいインターフェースの普及により、その採用は限定的であった。SATAの各バージョンは一般的に上位互換性を持つため、例えばSATA 3.0対応のマザーボードにSATA 2.0のストレージを接続しても動作するが、その際の転送速度は遅い方の規格であるSATA 2.0の速度に制限されることになる。
SATAの高性能を引き出す上で不可欠な要素が、AHCI(Advanced Host Controller Interface)である。これはSATAコントローラがストレージデバイスと通信するための標準的なインターフェース規格であり、様々な機能を提供する。AHCIが提供する主要な機能の一つに、NCQ(Native Command Queuing)がある。NCQは、ストレージデバイスへのデータ読み書き要求(コマンド)を効率的に並べ替えることで、特にHDDのような機械的な駆動部を持つデバイスにおいて、ランダムアクセス性能を大幅に向上させる技術である。複数のリクエストが同時に発生した場合、コントローラがヘッドの移動距離を最適化するようコマンドの順序を再配置するため、データの待ち時間が減少し、結果として全体的なI/O性能が向上する。また、AHCIはホットプラグ機能にも対応しており、PCの電源を入れたままSATAデバイスの抜き差しが可能となる。これは、外付けHDDケースやサーバー環境でのドライブ交換において利便性を高める機能である。
SATAは、主にPCの内蔵型HDD、SSD、BD/DVDドライブなどの光学ドライブの接続に用いられる。サーバー用途など、より高い信頼性やI/O性能、多数のドライブ接続が求められる環境では、SAS(Serial Attached SCSI)インターフェースが利用されることも多い。しかし、SATAもそのコストパフォーマンスの高さから、一部のエンタープライズ用途で活用されるケースがある。SATAの各バージョン間には上位互換性があるため、古いSATAデバイスを新しいSATAポートに、あるいはその逆に接続して使用することも可能である。ただし、その際の転送速度は、接続されている最も遅いデバイスまたはポートの規格に依存することになるため、最大の性能を引き出すためには、デバイスとポートの両方が対応する最新のSATA規格を使用することが望ましい。
SATAは長らくPCのストレージ接続における標準的なインターフェースとして君臨してきたが、近年ではNVMe(Non-Volatile Memory Express)やM.2といった、PCI Expressベースのより高速なインターフェースが、特に高性能なSSD向けに普及し始めている。これらの新しいインターフェースはSATAの理論上の転送速度を大きく上回る性能を発揮する。しかし、HDDや安価なSSD、光学ドライブなどにおいては、SATAが依然としてコストと性能のバランスに優れた選択肢として広く利用され続けており、今後も一定の需要が見込まれるインターフェースである。