SDメモリーカード(エスディーメモリーカード)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説
SDメモリーカード(エスディーメモリーカード)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。
読み方
日本語表記
SDメモリーカード (エスディーメモリーカード)
英語表記
SD memory card (エスディーメモリーカード)
用語解説
SDメモリーカードは、デジタルカメラ、スマートフォン、ビデオカメラ、カーナビゲーションシステム、ゲーム機、各種IoTデバイスなど、幅広いデジタル機器で広く利用されている不揮発性の外部記憶媒体である。Secure Digital Memory Cardの略であり、データを安全に(Secure)デジタル形式で保存できる記憶装置として、その名前が示す通り、高い信頼性と互換性を持つことが特徴だ。その内部にはNAND型フラッシュメモリが搭載されており、電源供給がなくてもデータを保持し続けることができるため、ポータブル機器のデータ保存に不可欠な存在となっている。その小型軽量性、耐久性、そして高いデータ転送速度により、現代のデジタルライフにおいて情報を記録し持ち運ぶための標準的なソリューションの一つとして確立されている。
SDメモリーカードの歴史は、東芝、サンディスク、パナソニックの3社が共同で開発したマルチメディアカード(MMC)を基盤としている。MMCの課題を克服し、より高速なデータ転送と著作権保護機能を搭載するために、2000年にSDメモリーカードの規格が発表された。初期のSDメモリーカードは最大2GBの容量を持ち、主に写真データの保存に用いられた。その後、デジタル技術の進化に伴い、より大容量のデータや高精細な動画の記録が求められるようになると、SDメモリーカードも進化を遂げていく。
まず、容量の増加に対応するため、SDHC(SD High Capacity)規格が登場した。これは最大32GBまでの容量をサポートし、ファイルシステムとしてFAT32を採用することで、2GBを超える大容量化を実現した。SDHCカードは、SDカードに対応する機器とは互換性がないが、SDHCカードに対応する機器はSDカードも利用できるという互換性を持つ。さらに、4K動画撮影や高解像度画像データの保存といった、より巨大なデータに対応するために、SDXC(SD eXtended Capacity)規格が発表された。SDXCは最大2TBまでの容量をサポートし、exFATファイルシステムを採用することで、単一ファイルが4GBを超える場合でも対応可能となった。さらに最新の規格として、SDUC(SD Ultra Capacity)が登場し、最大128TBまでの容量をサポートすることが発表されている。これらの容量規格は、それぞれ異なるファイルシステムと最大容量を持ち、対応するホスト機器も異なるため、カード購入時には使用する機器がどの規格に対応しているかを確認することが重要だ。
物理的なサイズにおいても、SDメモリーカードは多様な形態を持つ。標準サイズのSDカードは、その原型となるサイズで、デジタルカメラなどで広く用いられる。小型化のニーズに応える形で登場したのがminiSDカードであり、さらに小型化したmicroSDカードは、主にスマートフォンやタブレット、ポータブルゲーム機、ドローン、ドライブレコーダーなど、スペースに制約のある機器でデファクトスタンダードとなっている。miniSDカードやmicroSDカードを標準SDカードスロットで使用するためのアダプタも存在し、互換性を確保している。
SDメモリーカードの性能を示す重要な指標の一つに、データ転送速度がある。初期の速度指標として、最低書き込み速度を保証するスピードクラスが導入された。これはClass 2 (2MB/s), Class 4 (4MB/s), Class 6 (6MB/s), Class 10 (10MB/s)といった表記で、デジタルカメラでの連写やHD動画撮影に対応するために設けられた。しかし、これだけでは不十分となり、より高速なデータ転送が可能なUHS(Ultra High Speed)インターフェースを搭載したカードが登場した。UHS-I、UHS-II、UHS-IIIといった世代があり、UHS-Iは最大104MB/s、UHS-IIは最大312MB/s、UHS-IIIは最大624MB/sの理論上のバス速度を誇る。UHS対応カードには、さらに最低書き込み速度を保証するUHSスピードクラスが設けられており、U1 (10MB/s), U3 (30MB/s)といった表記が用いられる。
さらに、4Kや8Kといった高解像度動画の安定した記録に対応するため、ビデオスピードクラスが導入された。これはV6 (6MB/s), V10 (10MB/s), V30 (30MB/s), V60 (60MB/s), V90 (90MB/s)といった表記で、特に高ビットレートの動画撮影時に、途切れることなく安定して書き込みができる性能を示す。また、スマートフォンなどでSDメモリーカードを内部ストレージの一部として利用し、アプリケーションの実行性能を高める目的で、アプリケーションパフォーマンスクラスが策定された。A1 (ランダム読み出し1500IOPS, 書き込み500IOPS, シーケンシャル書き込み10MB/s) やA2 (ランダム読み出し4000IOPS, 書き込み2000IOPS, シーケンシャル書き込み10MB/s) といった表記があり、特にランダムアクセス性能が重視される。これらの速度規格は、用途に応じて適切なカードを選択するための重要な手がかりとなる。
SDメモリーカードの内部は、データを記録するNAND型フラッシュメモリチップと、フラッシュメモリを制御するコントローラLSIで構成されている。コントローラLSIは、ホスト機器とのインターフェース、データの読み書き、エラー訂正、摩耗平均化(ウェアレベリング)といった複雑な処理を一手に担う。ウェアレベリングは、フラッシュメモリの特定の領域が過度に書き込まれて寿命が短くなることを防ぐために、書き込みをカード全体に均等に分散させる技術であり、カードの寿命を延ばす上で非常に重要である。また、SDメモリーカードはCPRM(Content Protection for Recordable Media)という著作権保護技術をサポートしており、デジタルコンテンツの不正コピーを防止する機能も有している。
SDメモリーカードを選定する際には、まず使用する機器がどのSDカード規格(SD、SDHC、SDXC)に対応しているかを確認する必要がある。次に、必要な容量と、用途に合わせた速度クラスを選ぶことが重要だ。例えば、高画質の写真や4K動画を頻繁に撮影する場合には、大容量かつ高速なSDXC規格のUHSスピードクラス3 (U3) やビデオスピードクラス30 (V30) 以上のカードが望ましい。スマートフォンでアプリをSDカードに保存し実行するならば、アプリケーションパフォーマンスクラスA1またはA2に対応したカードが適している。機器の仕様とカードの規格を適切にマッチングさせることで、SDメモリーカードの性能を最大限に引き出し、安定したデータ運用が可能となる。SDメモリーカードは、その進化の歴史とともに、今日の多様なデジタルデータ保存ニーズに応え続けている不可欠な技術要素である。