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SHA-2(エスエイチエーに)とは | 意味や読み方など丁寧でわかりやすい用語解説

SHA-2(エスエイチエーに)の意味や読み方など、初心者にもわかりやすいように丁寧に解説しています。

作成日: 更新日:

読み方

日本語表記

シャ2 (シャニー)

英語表記

SHA-2 (シャーツー)

用語解説

SHA-2は、セキュアハッシュアルゴリズム(Secure Hash Algorithm)ファミリーの一つであり、特にデータの完全性(Integrity)や認証(Authentication)を保証するために広く利用される暗号学的ハッシュ関数である。これは、入力された任意の長さのデータから、常に固定された長さの短いデータを生成する一方向性の関数であり、この生成された短いデータを「ハッシュ値」または「メッセージダイジェスト」と呼ぶ。システムエンジニアを目指す初心者にとって、データの信頼性を確保する上で不可欠な技術要素であるため、その仕組みと役割を理解することは非常に重要だ。

SHA-2が果たす主な役割は、データが改ざんされていないことを検出することにある。たとえば、ファイルをダウンロードした際に、そのファイルのSHA-2ハッシュ値を事前に提供されているハッシュ値と比較することで、ダウンロード中にファイルが破損したり、悪意ある第三者によって内容が変更されたりしていないかを瞬時に確認できる。また、パスワードをデータベースに保存する際にも利用される。この場合、パスワードそのものを保存するのではなく、パスワードのハッシュ値のみを保存することで、万が一データベースが漏洩しても、攻撃者が元のパスワードを直接知ることを困難にする。このように、SHA-2はデータの真正性を検証し、情報セキュリティを強化するための基盤技術として、現代のITシステムにおいて幅広く活用されている。

ハッシュ関数は、以下の三つの重要な性質を持つことで、セキュリティ上の価値を発揮する。第一に「一方向性」だ。これは、ハッシュ値から元の入力データを効率的に復元することが極めて困難であるという性質を指す。この性質があるため、パスワードのハッシュ値が漏洩しても、元のパスワードがすぐに判明するリスクを低減できる。第二に「衝突困難性」だ。これは、異なる二つの入力データから全く同じハッシュ値が生成されること(これを「衝突」と呼ぶ)が、非常に困難であるという性質だ。強固なハッシュ関数であればあるほど、意図的に衝突を作り出すことは計算上不可能に近い。この性質は、改ざんされたデータが元のデータと同じハッシュ値を持つように偽装されることを防ぐ上で重要となる。第三に「アバランチ効果」だ。これは、入力データがわずかに変化しただけでも、出力されるハッシュ値が大幅に、予測不能な形で変化するという性質だ。これにより、悪意ある変更が隠蔽されることなく、ハッシュ値の違いとして明確に検出できるようになる。

SHA-2ファミリーには、SHA-256、SHA-384、SHA-512など、出力するハッシュ値のビット長によって複数の種類が存在する。数字はそれぞれ、256ビット、384ビット、512ビットのハッシュ値を生成することを示す。例えば、SHA-256は固定長256ビット(32バイト)のハッシュ値を生成し、これは16進数で64桁の文字列として表現される。一般的に、出力ビット長が長いほど、生成されうるハッシュ値の組み合わせが膨大になり、衝突の発生確率が低くなるため、より高いセキュリティ強度を持つとされる。中でもSHA-256は、ビットコインをはじめとする多くのブロックチェーン技術や、SSL/TLS証明書において標準的に利用されており、実用性とセキュリティ強度のバランスが良いと評価されている。SHA-512はより高いセキュリティを求める環境で用いられることがあるが、計算コストも高くなる傾向にある。

SHA-2は、その前身であるSHA-1に理論的な脆弱性が発見され、やがて実際に衝突攻撃が可能になったことを受け、より安全なハッシュ関数として国家標準技術研究所(NIST)によって推奨され、広く普及するに至った経緯がある。SHA-1は2005年頃から脆弱性が指摘され始め、2017年には実際に異なるファイルから同じSHA-1ハッシュ値を生成する「衝突」が現実的に可能であることがGoogleによって実証された。このため、SHA-1を使用していたシステムは順次SHA-2への移行を迫られた。SHA-2はSHA-1と比較して、ハッシュ値のビット長を増やし、内部構造もより複雑にすることで、セキュリティ上の安全性を大幅に向上させている。

具体的な利用例としては、WebブラウザとWebサーバー間の通信を暗号化し、盗聴や改ざんを防ぐSSL/TLSプロトコルにおいて、デジタル証明書の検証にSHA-256が広く用いられている。これにより、ユーザーはアクセスしているWebサイトが本物であることを確認でき、安全に情報をやり取りできる。また、オペレーティングシステムやアプリケーションのアップデートファイルが提供される際、そのファイルのSHA-2ハッシュ値が同時に公開されることがある。ユーザーはダウンロードしたファイルのハッシュ値を計算し、公開されているハッシュ値と一致するかを確認することで、ファイルが正規のものであり、ダウンロード中に改ざんされていないことを検証できる。さらに、分散型台帳技術であるブロックチェーンにおいても、各ブロックのデータをハッシュ化し、前のブロックのハッシュ値とリンクさせることで、一度記録された取引データが改ざんされないことを保証する仕組みの根幹をSHA-256が担っている。

補足として、SHA-3というさらに新しいハッシュ関数も存在するが、これはSHA-2に脆弱性が発見されたためではなく、将来的なリスク分散と異なる設計思想に基づく新たな標準としてNISTによって選定されたものだ。SHA-2自体は現在も安全で広く利用されており、多くのシステムでその堅牢性が信頼されている。システム開発においては、目的に応じて適切なハッシュ関数を選択し、その特性を理解して利用することが重要となる。SHA-2は、現代のサイバーセキュリティを支える上で欠かせない、非常に重要な暗号技術の一つだと言える。

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